画像およびリモート センシングで使用される画像とラスター データのタイプ

Image Analyst ライセンスで利用できます。

リモート センシング画像は、人工衛星、航空機、ドローン プラットフォームで収集されます。 リモート センシング画像はすべて同じというわけではなく、通常はプロジェクト要件に合わせて収集されます。 各プロジェクトの条件に応じて画像の収集要件と処理要件が決定され、画像のタイプがカテゴリに区分されます。 最初のレベルの区分は、画像に含まれる情報コンテンツと画像の幾何学的特性です。 画像を視覚的に解析する場合でも、リモート センシング画像処理手法を使用して画像を処理する場合でも、最小マッピング単位、スペクトル バンドの幅と配置、地理的位置正確度などの要因によって、プロジェクトの目標と要件に対する特定タイプの画像の適合性が判定されます。

画像に含まれる情報コンテンツ

画像に含まれる情報の特性は、主に 3 種類の分解能 (空間、スペクトル、および時間) に依存します。これらはいずれも、プロジェクトの最小マッピング単位に影響を与えます。

空間解像度

空間分解能は、画像を構成している地上のピクセルのサイズ (ピクチャ エレメント) を表し、地上分解能 (GSD) と呼ばれることもあります。 これは、センサー機能とセンサーの飛行高度の両方の役割を果たします。 GSD によって、画像に表示される空間的詳細度のレベルとフィーチャのタイプが決まります。 通常、ピクセル サイズが小さいほど、画像に含まれる詳細度が高くなります。 3 インチや 10 センチメートルなどの小さいピクセル サイズでは、処理、保存、管理が難しい非常に大規模なファイルが生成されます。 フィーチャ抽出手法は、特定の GSD では正常に機能しますが、それ以外の GSD では正常に機能しません。この点に関しては、十分に検討する必要があります。 小さいピクセル サイズは、州または郡の土地被覆分類などのプロジェクトには必ずしも適しているとは言えません。 フィーチャの特定には十分な数のピクセルが必要となるため、空間分解能はプロジェクトの最小マッピング単位に密接に関係しています。

スペクトル分解能

スペクトル分解能はセンサーで測定され、電磁スペクトルの一部が計測されます。 センサーのスペクトル特性は、画像バンドの数、バンドの波長、バンドのスペクトル幅、信号対雑音比で構成されます。 スペクトル分解能は、フィーチャのスペクトル シグネチャを計測するセンサーの能力を表します。 これらの特性によって、フィーチャのタイプと検出およびマッピング可能な現象が決定します。 マルチスペクトル センサーでは、帯域幅がかなり広く (50 ~ 80 ナノメートル)、植生、土壌、水、人工物などのフィーチャを広範なカテゴリに区分するために配置された 4 つ以上の重なり合わないバンドが収集されます。 ハイパースペクトル センサーでは、フィーチャのスペクトル シグネチャの特定部分を感知するために計画的に配置された多数の (100 を超える) 帯域幅の狭いバンド (5 ~ 10 ナノメートル) が収集されます。 ハイパースペクトル センサーは、植生の種類、水質、材料の特性など、より詳細な情報を提供します。 ハイパースペクトル センサーは通常、航空機に配置され、費用が高く、データの操作、処理、解析に専門知識が必要となるため、マルチスペクトル センサーほど利用されていません。

熱型赤外線センサーなど、スペクトルの不可視部分に使用されるセンサーも数多く存在します。 これらは、反射された太陽エネルギーではなく、放射熱を表すスペクトラム部分を収集する電気光学センサーです。 幾何学的観点から見ると、これらのセンサーは他の電気光学画像とほとんど変わりありませんが、肉眼で確認できない電磁スペクトルの部分を感知します。

レーダー センサーなど、独自の照射効率を持つ能動的センサーも存在します。 これらのセンサーは、電気光学センサーよりもはるかに大きい周波数で動作し、3 次元表示ジオメトリから外れたジオメトリを画像に取り込みます。

時間分解能

時間分解能は、地理的位置が撮影される頻度を表します (通常は衛星センサー プラットフォームによる)。 これは、衛星オーバーパスの数、軌道力学、およびセンサー プラットフォームのアジリティによって求められます。 Landsat シリーズなど、地面に対して垂直下向きの衛星では、時間分解能は 16 日であり、同じ地理的位置を対象とします。 ただし、気象衛星など、空間分解能が粗い静止衛星は例外です。 分解能の高い衛星は、補完的な軌道に同等のセンサー システムが複数配置されているために時間周波数が高く、垂直直下からオフナディア角の位置にセンサーの視野を合わせることができます。 オフナディア視角によって時間分解能は高くなりますが、同じ地理的位置が毎日撮影されるため、画像が傾めになり、GSD が大きくなることがあります。

ドローン撮影技術の出現に伴い、時間分解能が大幅に向上しました。 ドローンでは、毎日、1 日複数回、または連続して位置を監視できます。 この技術により、これまで実現できなかった多数の監視用途に対応できるようになりました。

注意:

リモート センシング画像システムの撮影範囲は、プロジェクトに適した画像を考慮する上でもう 1 つの重要な要素になります。 画像範囲は、センサーのフットプリント (つまり、地上の撮影範囲) を表します。 衛星センサーには、約 10 ~ 200 キロメートル以上の大規模なフットプリントがあり、航空機センサーには、画像ごとに数百メートル (センサーと飛行高度によって異なる) のかなり小規模なフットプリントがあります。 ドローンには、約数十メートルのごく小規模なフットプリントがあります。

画像の幾何学的特性

GIS の目的上、画像はジオメトリに基づいて 6 つのカテゴリに区分されます。 それぞれの区分は、特定の用途または作業で画像の有用性に影響を与えます。 また、最良の結果を得るための用途で画像を処理する方法にも効果があります。 一部のタイプの画像は画像ベースの方式で最適に処理し、一部のタイプの画像はマップ ベースの方式で処理する必要があります。 たとえば、直下視画像とベースマップ画像はマップ ベースの方式で処理します。 斜め撮影画像とモーション イメージは通常、画像ベースの方式で処理しますが、傾斜角に応じてマップ ベースの方式に切り替えることもできます。 ステレオ画像は、専用のステレオ ビューを使用して画像ベースの方式で処理する必要があります。 ピクチャは適切な幾何学的測位情報を持たないため、別々のポップアップ ウィンドウで処理する必要があります。 次に示すように、それぞれの画像タイプの使用方法と制限はジオメトリによって決まります。

  • 画像ベースマップ - オルソ幾何補正された画像または画像タイルのコレクションであり、マップの整合性が確保され、基準として使用されます。 画像ベースマップは、コンテキストで GIS データの背景によく使用され、多くの場合、最適な視覚効果を得るためにカラー調整されます。 したがって、この画像は自動フィーチャ抽出には適していません。
  • 直下視画像 - マッピングのために収集される画像であり、測位メタデータが関連付けられています。 幾何学的に正確なベースマップを生成し、自動または半自動のフィーチャ抽出を実行することを主な目的としています。
  • 斜め撮影画像 - オフナディア視角で収集される画像であり、正確なマッピングには適していませんが、視覚的解釈と状況認識には非常に効果があります。 監視用途で使用される画像は、斜めになることがよくあります。 この画像には測位メタデータが含まれています。
  • ステレオ画像 - 重なり合って表示され、ステレオの利用の目的にのみ収集される画像であり、正確な測位メタデータが含まれています。 ステレオ画像は主に、土地ベース レイヤーと GIS レイヤーを作成または更新する場合に 3D フィーチャのコンパイルが正しく実行されるようにするために使用されます。
  • モーション イメージ - 1 ~ 120 ヘルツでモーションを取得するマルチフレーム画像です。 この画像では通常、デジタル ビデオ ストリームにジオリファレンス メタデータが埋め込まれています。
  • ピクチャ - 測位メタデータが含まれていない画像または不十分な測位メタデータが含まれている画像です。 この画像には、ある程度の放射量整合性が確保された強度情報が含まれている場合と含まれていない場合があります。 多くの場合、この画像は歴史的特性があるか、地上基準調査の補助として使用されます。

ベースマップ画像

衛星ベースマップ

QuickBird 衛星画像 (この画像は DigitalGlobe 社の許可を得て掲載しています)

これは、Esri の画像ベースマップから取得されたサンフランシスコの衛星画像マップです。 この画像は、オルソ幾何補正された複数の画像で構成されており、これらの画像はカラー調整済みであり、シーム ラインとともにモザイク処理されています。 このことは、シーンの右下隅にある橋を見れば、最も明らかです。 この橋は水と陸の端で分断されています。 この移動の原因は、幾何補正に使用された標高マトリックスで元の画像に含まれる起伏の歪みが解釈されなかったことです。 地表に面しているフィーチャに限り、ベースマップの精度が高くなります。 建物、橋、その他の高層フィーチャは、基底部が地表に面している部分のみ正確です。 また、このベースマップの放射量は、画像の見栄えを良くするために大幅に変更されています。 ベースマップからフィーチャ データを抽出する場合には、特に注意が必要です。 ベースマップは通常、GIS レイヤーの背景の役割を果たし、最新のものは、土地ベースを作成または更新する場合にフィーチャを手動で抽出するための有効なソースになります。 ただし、作成に時間と費用がかかるためにベースマップが更新されていないこともよくあります。

直下視画像

直下視衛星画像

WV-1 衛星画像 (この画像は DigitalGlobe 社の許可を得て掲載しています)

直下視画像は通常、マッピングの目的に収集されます。 この画像は、テレインが明瞭に表示され、幾何学的整合性に優れ、簡単にオルソ幾何補正できます。 直下視画像は、明確にカラー調整されていない場合でも、スペクトル特性に基づく自動フィーチャ分類と自動フィーチャ抽出に非常に役立ちます。 また、直下視画像は、全体でピクセル サイズまたは GSD が均一であり、縮尺も均一です。 直下視画像は、ベースマップのデータ ソースになることがよくあります。

斜め撮影画像

斜め撮影衛星画像

WV-1 衛星画像 (この画像は DigitalGlobe 社の許可を得て掲載しています)

多くの場合、斜め撮影画像は状況認識と解析に使用されます。 傾斜特性により、フィーチャの収集が簡単であり、対象地域と対象フィーチャがさらに直感的に表示されます。 センサーと地表までの距離によって、画像全体で縮尺と GSD が著しく変化します。 斜め撮影画像は、Image Analyst の画像空間解析アプリケーションの 3 次元表示モードで最適に表示および解析できます。

ステレオ画像

ステレオ アナグリフ画像

ステレオ アナグリフ画像 (この画像は Vexcel Imaging 社の許可を得て掲載しています)

ステレオ画像は、さまざまな目的に収集されます。 テレイン モデルの抽出、フットプリントと屋根の構築、森林などの植生管理に最もよく使用されます。 この画像は主に 3D フィーチャの抽出に使用され、樹冠の下にある地表など、平面視が難しいフィーチャや平面視できないフィーチャを特定して解釈することができます。 ステレオ画像は、Image Analyst のステレオ マッピング アプリケーションで表示、解析、および 3D フィーチャの収集に使用できます。

モーション イメージ

ビデオ プレイヤーに表示されるモーション イメージとマップ上に表示されるフットプリント
ほとんどの場合、モーション イメージは状況分析の目的に収集されます。 中でも特に一般的な形式は Full Motion Video (FMV) です。リアルタイムで使用されるほか、法医学的アプリケーションでも使用されます。 FMV とは、動画ストリームと、それに関連するメタデータを 1 つの動画ファイルで組み合わせることで、地理空間を意識した動画にすることができます。 センサー システムはカメラの指向情報、プラットフォームの位置と態勢、その他のデータを収集して、それを動画ストリームにエンコードします。そうすることで、動画のフレームと地理位置情報を関連付け、マップ上に表示します。 この機能によって、FMV 動画プレイヤーおよびマップ ビュー間の双方向の収集と、フィーチャ データの表示が可能となります。 たとえば、ライブ ストリーム モードの動画プレイヤーでフィーチャを収集し、それを他の GIS レイヤーとともにマップ上に表示することができます。

FMV では、メタデータを使用して動画の画像空間とマップ空間との間で座標値をシームレスに変換します。これは、画像座標システム (ICS) が静止画を変換するのと似ています。 これは、動画データを、他のすべての地理空間データや GIS 内の情報のコンテキストで解析する基礎となります。 たとえば、動画を再生しながらマップ ビュー上の動画フレームのフットプリント、フレーム中央、画像プラットフォームの位置に加え、建物とその ID などの GIS レイヤー、ジオフェンス、その他の関連情報を表示することができます。

サマリー

適切なタイプの画像を取得するには、プロジェクトの目標と要件を十分に把握しておくことが重要です。 特定タイプの画像の適合性は、その画像の情報コンテンツと幾何学的特性によって異なります。 ArcGIS Pro では、表示、解析、および利用環境で、画像に含まれる情報と画像の幾何学的特性をどちらも最大限に活用できるように、異なるタイプの画像が処理されます。

画像の特性、一般的な用途への適合性、ArcGIS Image Analyst での画像タイプの処理方法を次の表に示します。

イメージ タイプ使用普及度ArcGIS Pro ビュー

ベースマップ画像

背景

Moderate

マップ ビュー

直下視画像

マップの作成および更新

Moderate

マップ ビュー

斜め撮影画像

状況認識

High

3 次元表示モードのマップ ビュー

ステレオ画像

3D での正確なマッピング

低から中

ステレオ マップ ビュー

モーション イメージ

状況認識

低から中

マップ ビューにリンクした動画プレイヤー

画像

参考情報

Low

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異なるタイプの画像をさまざまな用途にうまく適合させることで、最良の結果が得られ、操作環境、学術環境、研究環境で複数のプロジェクト要件が満たされます。