ポップアップ

マップまたはシーンでフィーチャを表示するときに、ポップアップを開くことで、選択を行ったり既存の選択を妨げたりすることなく、フィーチャに関する属性情報をすばやく識別することができます。 [マップ操作] ツール マップ操作ツール を使用して、フィーチャをクリックするか、Ctrl キーを押したままボックスをドラッグすると、複数のフィーチャを識別することができます。 [ポップアップ] ウィンドウには、レイヤー別にグループ化された、識別されたフィーチャのリストと、書式設定された読み取り専用フィールド属性の配列が表示されます。

ポップアップを使用したときのメリットを次に紹介します。

  • 限定した属性のリストを常に表示したい場合にポップアップを使用すると、ワークフローを効率化することができます。
  • ポップアップ表示をカスタマイズして、スタイルの整った形式で、情報を書式設定できます。
  • ポップアップを画面に固定して、フィーチャを比較できます。
  • ポップアップを作成してカスタマイズすると、Web レイヤーで共有するときに、それが適用されます。 ArcGIS Online で構成されたポップアップを ArcGIS Pro で使用して、開いたマップに表示することができます。
    注意:

    複数列のポップアップは、ArcGIS Online に公開される際に、1 つの列に統合されます。

  • 座標値は、個々のフィーチャの属性を表示した際に表示されます。 座標値をコピーして、別の場所で使用できます。
  • 結果リストから識別されたアイテムを選択、またはアイテムに移動することができます。
  • 識別されたフィーチャをフラッシュできます。 フィーチャが小さいか、フラッシュの位置を見つけにくい場合は、[プロジェクト] オプションの [ナビゲーション] タブで、[フラッシュ時に十字線を表示] オプションをオンにします
  • ポップアップのツリー部分から、マップ内のフィーチャの中心にポイント グラフィックを配置できます。
  • ショートカット メニューを使用して、フィーチャを結果ツリーの一番上に上げることで、関連レコードのナビゲーションを再開できます。
  • 結果リストから、1 つまたは複数のフィーチャをコピーできます。
  • ポップアップの属性ポーションの画像を印刷できます。
    注意:

    ポップアップの印刷時、ビデオのコンテンツは含まれません。

  • 関連データへのアクセス、および表示の構築ができます。
    注意:

    最初の 200 件の関連レコードが自動的に読み込まれます。 残りのレコードを読み込むには、最後の関連レコードまで下にスクロールし、[すべて読み込む...] ボタンをクリックします。

  • ルート フィーチャのメジャー値に関する詳細情報を確認できます。
  • ナレッジ グラフ内で、フィーチャとリレーションシップを探索できます。
  • ユーティリティ ネットワーク内のフィーチャと関連付けの両方を探索できます。

ポップアップを開く

ポップアップ機能は、[マップ操作] ツール マップ操作ツール に組み込まれています。このツールは、一般的なナビゲーション コマンドを使用する際の主要なツールです。 [マップ操作] ツールを使用して、識別可能なフィーチャをクリックすると、[ポップアップ] ウィンドウが自動的に開きます。

注意:

1 クリックで識別するときにバッファーを含めるには、[ナビゲーション] プロジェクト オプションの [フィーチャ識別時に選択バッファーを含める] オプションをオンにします。 2D マップでは円形のバッファーが適用され、3D シーンではキューブが使用されます。

複数のフィーチャのポップアップを開くには、Ctrl キーを押したまま [マップ操作] ツールで、ボックスをドラッグします。 ポップアップのカスタマイズを行えないレイヤー (ラスターや LAS など) では、複数のフィーチャの結果を識別することはできません。

[ポップアップ] ウィンドウがデフォルトでフローティング ウィンドウとして表示され、識別された結果がすべて表示されます。 ナビゲーション オプション、選択、ポップアップの固定、削除、およびレイヤー プロパティを開くなどの追加コマンドは、識別された各フィーチャのショートカット メニューを使用します。 固定されたポップアップは、1 つのフィーチャが対象になっていて、一定の場所に固定されます。 これは、ポップアップを閉じたり、ポップアップを [ポップアップ] ウィンドウに戻して、新しいフィーチャを決定するまで消えません。

注意:

ポップアップは、ポップアップが作成されたマップやシーンに関連付けられています。 別のマップやシーンにフォーカスが移るとポップアップは非表示になりますが、フォーカスが戻ると再表示されます。 マップを切り離しているか、別のモニターに移動している場合、ポップアップは、マップとともに移動しません。

ポップアップが提示される順序は、[マップ操作] ツールのレイヤーの順序オプションによって決まります。 この順序を制御するには、[マップ] タブの [マップ操作] ツール マップ操作ツール の下にあるドロップダウン矢印から、オプションを選択します。 次のオプションを利用できます。

  • [最上位レイヤー] - マップに描画された最上位のレイヤーのみが、ポップアップを返します。 3D シーンで、最上位とは、視覚的にカメラに最も近いフィーチャを指します。
  • [表示レイヤー] - 現在表示されているレイヤーのみが、ポップアップを返します。
  • [選択可能レイヤー] - 選択可能としてマークされたレイヤーのみが、ポップアップを返します。
  • [コンテンツで選択] - 現在 [コンテンツ] ウィンドウで選択されているレイヤーのみが、ポップアップを返します。
  • [ポップアップなし] - ポップアップは返されません。

レイヤーにポップアップを表示しないようにするには、そのレイヤーを右クリックするか、複数のレイヤーを選択して、[コンテンツ] ウィンドウで、[ポップアップの無効化] ポップアップの無効化 をクリックします。 これにより、現在のレイヤーのポップアップ構成が削除されます。 同じショートカット メニューを使用して、ポップアップを再有効化します。 ポップアップが無効化されているレイヤーのポップアップの表示設定を構成することはできません。 ポップアップ内のコンテンツをカスタマイズするには、無効化されたポップアップを含むレイヤーの [ポップアップの構成] ウィンドウを開き、[有効化] をクリックします。

ポップアップでのデータ属性の表示

ポップアップは、属性情報の読み取り専用の表示です。 これは、最初にフィーチャを選択することが不必要な、フィーチャ属性を識別する便利な方法です。 選別したフィーチャの属性を編集する必要がある際は、[属性] ウィンドウまたはテーブル ビューを使用します。 ポップアップ表示は、識別されたアイテムをすべてレイヤー別にグループ化してリストするツリー ビューと、フィーチャの属性 (一度に 1 つのフィーチャ) で構成されます。これらの表示は、ポップアップの方向を制御する灰色の区切り線で区切られます。

結果リスト

ツリー ビューのリストのノードを展開して識別された各アイテムをクリックし、個々の属性のコンテンツを表示します。 個々のフィーチャおよびグループには、次のような追加コマンドのショートカット メニューもあります。

  • 識別されたアイテムの選択、並べ替え、移動。
  • 識別されたフィーチャのフラッシュ。 フィーチャが小さいか、フラッシュの位置を見つけにくい場合は、[プロジェクト] オプションの [ナビゲーション] タブで、[フラッシュ時に十字線を表示] オプションをオンにします
  • 2D マップで、フィーチャの中心にポイント グラフィックを配置します。
  • レイヤーのプロパティを開きます。
  • フィーチャのレコードか、複数のフィーチャをコピーします。
  • フィーチャを結果ツリーの一番上に上げることで、関連レコードのナビゲーションを再開します。

特定のフィーチャがリレート クラスまたはリレーションシップ クラスに参加したら、ツリー ビューのノードを展開して、関連データを探索できます。 ただし、データ探索が元の特定レイヤーに戻ったら、そのリレートは展開できなくなります。

注意:

関連データがマップ内リレートに属しており、[コンテンツ] ウィンドウから削除された場合、ツリーは関連するノードで展開を停止します。

別の関連フィーチャを指定するか、リスト内の任意のフィーチャを右クリックして、一番上に持ってきて、そこから関連レコードのナビゲーションを再開します。

属性表示

属性部分は、カスタム テキスト、フィールドと値のペア、チャート、画像などを表示するために構成可能です。 画像をクリックするか、画像をフォーカスしながら Enter キーを押して、最大解像度で表示します。 画像を右クリックして、標準画像ビューアーまたは 360 度画像ビューアーのいずれで画像を開くかを選択します。 または、キーボードのみを使用して 360 度画像ビューアーを開くには、画像をフォーカスしながら Ctrl + Enter キーを押します。 ポップアップのリスト部分でフィーチャ名を展開することで、関連データも表示できます。 マップに存在しない関連データについては、デフォルトのポップアップが表示されます。 マップの関連データについては、自分で作成したポップアップ定義が表示されます。 関連データがマップ内に時間対応レイヤーまたはレンジ対応レイヤーとして存在する場合、関連レコードのリストは、マップの現在の時間およびレンジ設定に基づいて、フィルターされます。 ビューでクリックして、フィーチャ、ラスター、LAS、および TIN レイヤーのポップアップを表示できます。これは、選択してもしなくても可能です。

ポップアップの方向の変更

ポップアップは、灰色の区切り線によって、2 つのセクションに分割されます。 この区切り線を使用して、一方のセクションを折りたたんだり、デフォルトの上下に並べて表示から左右に並べて表示の方向に、ポップアップを変更したりできます。 灰色の区切り線にポインターを合わせると、これらのアクションを可能にするボタンが表示されます。

ツリー ビューのリストを非表示にするには、灰色の区切り線にポインターを合わせて、[上部を非表示] ボタン 上部を非表示 をクリックします。 灰色の区切り線がポップアップの最上部まで移動し、フィーチャの属性がポップアップ全体に拡大表示されます。 または、[下部を非表示] ボタン 下部を非表示 を使用して、区切り線を最下部まで移動させることもできます。 この場合は、フィーチャの属性が折りたたまれ、識別されたアイテムのツリー ビューのリストがポップアップ全体に表示されます。

灰色の区切り線をクリックしてドラッグすると、各セクションのサイズを変更したり、非表示になっている部分を表示したりできます。

[縦方向に分割] ボタン 2 つの上下に表示されたエレメントに分割 をクリックすると、ポップアップの方向を上下に並べて表示から左右に並べて表示に変更できます。 一方のセクションが以前に折りたたまれている場合は、展開されて表示されます。 左右に並べて表示の構成になったら、同じように左右のセクションを折りたたんだり、上下方向に並べた表示に戻したりすることができます。

ポップアップの固定

個々のフィーチャのポップアップは画面に固定できるため、別のフィーチャをクリックしても消えません。 これは、フィーチャのポップアップを並べて比較したり、デュアル モニターや大きなモニターを使用して、アプリケーションの表示を広げたい場合に便利です。 1 つのマップに複数のポップアップを固定することができます。 ポップアップを固定するには、[ポップアップ] ウィンドウのリストでポップアップを右クリックし、[固定されたポップアップに移動] をクリックします。 ポップアップ バナーの [ポップアップ ウィンドウに移動] ボタンを使用して、[ポップアップ] ウィンドウに戻るか、ポップアップを閉じるまで、ポップアップは固定されたままになります。

注意:

ポップアップが固定されている間に行われた数値形式または日付形式の設定の変更は、ポップアップが返されたときに適用されません。

ポップアップを閉じると、リストから完全に消去されます。元の [ポップアップ] ウィンドウには戻りません。 固定されたポップアップを折りたたんで、ビュー内での表示を最小化できます。 [ポップアップ ウィンドウに移動][展開][閉じる] オプションには、ポップアップ バナーしか残りません。

ポップアップのカスタマイズ

フィーチャ レイヤーに独自のポップアップを作成するには、[コンテンツ] ウィンドウでレイヤーを右クリックして、[ポップアップの構成] ポップアップの構成 をクリックします。 [ポップアップの構成] ウィンドウが表示されるので、外観をカスタマイズできます。 [ポップアップの構成] ウィンドウでは、以下の操作を行えます。

  • ポップアップのタイトルを定義します。 デフォルトのタイトルは、表示フィールドです。
  • 画像、チャート、ハイパーリンクなどのメディア エレメントを追加および構成します。
  • エレメントを縦または横に分割して、カスタムの外観を作成します。
  • カルーセル アイテムを挿入して、複数のエレメント タイプをまとめて表示します。
  • 関連データの統計情報を構成します。
  • フォントと枠線のプロパティのスタイルおよび書式を設定します。
  • HTML を使用して、エレメントをさらに拡張します。
  • アタッチメントのリストを表示します。
  • Arcade 式を使用して、書式設定を詳細に制御することができます。 使用法、プロファイル変数、戻り値のタイプなどの詳細については、ポップアップの Arcade プロファイルをご参照ください。
  • レイヤーのポップアップ構成を無効にして、ポップアップが表示されないようにします。
  • エレメントのコンテンツを交換するか、エレメントの順序を並べ替えます。
  • ポップアップを変更して、クラシック モードで表示します。

アタッチメント

アタッチメントが有効になっているレイヤーの場合は、[ポップアップの構成] ウィンドウの [アタッチメント リストの表示] オプションを有効にすることで、アタッチメントのリストをポップアップ内に表示できます。 フィーチャにアタッチメントが含まれ、このオプションを有効にした場合、ポップアップの下部にはハイパーリンクのリストが古いものから順に表示されます。 これらのリンクをクリックすると、デフォルトのファイル ハンドラーで、アタッチメントが開きます。 アタッチメントのないフィーチャには、アタッチメントがないことを示すメッセージが表示されます。

アタッチメントを使用して、画像を挿入することもできます。 デフォルトでは、画像タイプのアタッチメントは、すべてポップアップに含まれます。 最近の追加された画像が、最初にアタッチメント表示されます。 あるいは、最新で添付された画像のみを表示することもできます。 画像をクリックすると、最大解像度で表示されます。

座標値

フィーチャの座標値はポップアップ ウィンドウの下部に表示され、選択してコピーし、他のアプリケーションに貼り付けることができます。 表示される値は、ポップアップ リストで選択したフィーチャのジオメトリから取得されます。 ポップアップに複数の識別されたフィーチャが含まれる場合、リスト内で別のフィーチャを選択すると、座標値も変わります。 座標は、マップ上でクリックされた位置ではありません。

ヒント:

クリックされた位置の座標をキャプチャするには、その位置を右クリックして、[座標のコピー] 座標のコピー をクリックします。 現在の座標が、クリップボードにコピーされます。 別の形式を使用するには、[座標の変換] サブメニューを展開して、目的の最終形式をクリックします。

座標は、ジオメトリ タイプに応じて、フィーチャのさまざまな空間エレメントを表します。 次に、フィーチャと返される座標ソースのリストを示します。

  • ポイント - フィーチャのポイント位置
  • ライン - フィーチャの中点
  • ポリゴン - フィーチャの重心
  • マルチパッチ - フィーチャの重心
  • マルチポイント - フィーチャの重心
  • アノテーション - フィーチャの重心
  • ディメンション - フィーチャの重心

M 値対応のフィーチャ

一部のフィーチャには、リニア リファレンス ワークフロー (道路に沿った交通事故の配置やパイプラインに沿った腐食状況の監視など) をサポートするために、ジオメトリに測定値 (M 値) が含まれています。 ルート メジャーを含んでいる線形フィーチャが識別されると、さらに 6 つのメジャー フィールドが、ポップアップのフィールド エレメントに追加されます。 これらは、メジャー、最小メジャー、最大メジャー、メジャー値、パート、不明なすべてのメジャー値です。 これらは、フィールド エレメントの一部であるため、その書式設定を変更することができます。

注意:

これらの 6 つの追加メジャー フィールドは、共有されると、ポップアップに表示されなくなる可能性があります。

ポップアップでの M 値対応のフィーチャの座標表示には、マップまたはシーン内のクリック位置に最も近い M 値が含まれます。 線形ジオメトリの場合、この値は、最も近い頂点間で内挿することによって計算されます。 M 値が表示されるのは、シングル クリックした位置からポップアップにアクセスした場合のみです。 テーブル ビューからポップアップにアクセスした場合や、Ctrl キーを押して、ボックスをドラッグして識別した場合には、M 値は表示されません。

M 値の座標表示では、プロジェクトに対して設定されたデフォルトの距離単位の数値形式が使用されます。ここには、小数点以下桁数や 0 で桁埋めなどのプロパティも含まれます。 プロジェクトのデフォルトの距離単位を構成する場合には、[プロジェクト] をクリックし、[オプション] をクリックして、[単位] を選択します。 [形式] 列内をクリックして、デフォルト単位の [数値形式] ダイアログ ボックスを開きます。

Arcade 式を使用して、フィーチャに関する M 値情報を収集して、操作することができます。 たとえば、次の式では、分単位のメジャーを時間単位に変換し、クリックしたフィーチャの最大 M 値を時間単位で表示します。

var myLine = Geometry($feature);
var mMax = -1;

// If m-aware
if (myLine.hasM) {
  var myArray = myLine.paths;
  // For each path 
  for(var k in myArray) {
    var myTmp = myArray[k];
    // For each vertex
    for(var p in myTmp) {
      // Get the m-value 
      var myM = myArray[k][p].m;
      // Update the max-M, if needed and divide by 60 minutes
      if(mMax < myM) {
        mMax = myM/60;
      }
    }
  }
}

// If not m-aware
else {
  mMax = -999;
}

// Return maximum m-value
return mMax;

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