二変量正規分布

Geostatistical Analyst のライセンスで利用可能。

分離クリギングではデータが二変量正規分布している必要があります。 さらに、確率マップと分位マップを作成する際には、データが完全多変量正規分布しているものと見なされます。 一変量正規分布の有無をチェックするには、ヒストグラム チャートを使用できます (これによってデータが完全に多変量正規分布していることは保証されませんが、このチャートを使用して一変量正規分布が検出された場合には、データが多変量正規分布していると仮定するのが理にかなっていることがよくあります)。

以下の確率文について考えます。

f(p,h) = Prob[Z(s) ≤ zp, Z(s + h) ≤ zp]

ここで、zp は何らかの確率 p の標準正規分位です。

たとえば、よく知られた標準正規分位は p = 0.975 の場合に zp = 1.96、p = 0.5 の場合に zp = 0、p = 0.025 の場合に zp = -1.96 となります。 上記の確率文は、位置 s における変数 Z と別の位置 s + h におけるもう 1 つの変数 Z をとり、この両方が zp 未満となる確率を計算します。 この確率文は p (および結果として zp) と h に依存する関数 f(p,h) です。 この関数は Z(s) と Z(s + h) の間の自己相関の量にも依存します。

Z(s) と Z(s + h) は二変量正規分布しているものとします。 自己相関が既知の場合、f(p,h) の式が存在します。 h は定数であり、p だけが変化するものとします。 この関数は以下のようになります。

確率の二変量分布
分位の二変量分布

2 つ目の図は累積確率分布のように見えます。 ここで、p は定数であり、f(p,h) は h とともに変化するものとします。

最初に、h が非常に小さい値であるとします。 その場合、Prob[Z(s) ≤ zp, Z(s + h) ≤ zp] は Prob[Z(s) ≤ zp] = p とほぼ同じになります。次に、h が非常に大きい値であるとします。 その場合、Prob[Z(s) ≤ zp, Z(s + h) ≤ zp] は Prob[Z(s) ≤ zp] Prob[Z(s + h) ≤ zp] = p2 とほぼ同じになります (Z(s) と Z(s + h) はほぼ独立しているため)。 したがって、p は定数なので、f(p,h) は pp2 の範囲で変化します。 次に、f(p,h) を p と長さ h の関数とした場合、以下の図のように表されます。

確率と距離の二変量分布

この関数は指標変数のセミバリオグラムと共分散関数に変換することができます。 Prob[Z(s) ≤ zp, Z(s + h) ≤ zp] = E[I(Z(s) ≤ zp)xI(Z(s + h) ≤ zp)] (ここで I(statement) は statement が true の場合には 1 となり、そうでない場合には 0 となる指標関数) であることに注目した場合、p が定数の場合の指標変数の共分散関数は

CI(h;p) = f(p,h) –p2

となり、p が定数の場合の指標変数のセミバリオグラムは

γI(h;p) = p - f(p,h)

となるため、元データの指標変数に基づいてセミバリオグラム関数と共分散関数を推定し、これらを使用して p のさまざまな値について指標変数のセミバリオグラムと共分散関数を推定することができます。

セミバリオグラム関数と共分散関数の詳細