コクリギングの相互共分散モデルの推定

Geostatistical Analyst のライセンスで利用可能。

複数のデータセットがある場合にコクリギングを使用するには、相互共分散のモデルを作成する必要があります。 複数のデータセットがあるため、下付き文字を使用して変数を管理します。ここで、Zk(sj) は、位置 si にある k 番目のデータ タイプのランダム変数であることを示しています。 k 番目のデータ タイプと m 番目のデータ タイプの間の相互共分散関数は次のように定義されます。

C km (si,sj) = cov(Zk(si), Zm(sj))

ここにある微妙でしばしば混乱を招く事実として: C km (si ,sj) が非対称である可能性があります: C km (si ,sj) ≠ C mk (si ,sj) (下付き文字の入れ替わりに注意してください)。 この理由を探るため、以下の例を見てみましょう。 以下のように、直線に沿って 1 次元で配列されたデータがあるとします。

相互共分散

タイプ 1 と 2 の変数はこの直線に沿って規則的な間隔で配置されており、赤色の太線は相互共分散が最大となるペア、緑色の線は相互共分散が最大値より小さいペア、青色の細線は相互共分散が最小となるペア、線がないペアは相互共分散が 0 であることを示しています。 この図から、Z1(si) と Z2(sj) の相互共分散が最大となるのは si = sj のときであり、sisj が離れるに従って相互共分散は小さくなることがわかります。 この例では C km (si ,sj ) = C mk (si ,sj ) です。 ただし、相互共分散は "シフト" することができます。

相互共分散

ここで、相互共分散 C12(s2,s3) が最小 (青色の細線) であるときに相互共分散 C21(s2,s3) が最大 (赤色の太線) となっているため、Ckm (si ,sj) ≠ C mk (si ,sj) となります。 Z1 を基準にして Z2 の相互共分散が -1 単位シフトされています。 2 次元では、シフト パラメーターをクリックした場合に、2 つのデータセット間の相互共分散におけるシフトが推定されます。

経験的相互共分散は次のように計算されます。

Average [ (z1(si) - Z-bar1) (z2(sj) - Z-bar2)]

ここで、Zk(si) は位置 si における k 番目のデータセットの測定値です。Z-barkk 番目のデータセットの平均であり、この平均は一定の距離と角度で隔てられているすべての sisj について求めたものです。 セミバリオグラムの場合と同様に、相互共分散でも経験的モデルと適合モデルの両方が示されます。

別の相互共分散モデルを選択したり、複合相互共分散モデルを使用したり、異方性を選択した場合、理論モデルは変化します。 経験値にどれだけ適合するかを確認することで、モデルを事前に選択することができます。 ラグ サイズとラグ数を変更してシフトを追加すると経験的相互共分散サーフェスが変化し、これによって理論モデルにも変化が生じます。 Geostatistical Analyst ではデフォルト値が計算されますが、別の値を自由に試して、検証と相互検証によって最適なモデルを選択することができます。