ArcGIS Pro の Geostatistical Analyst の基本操作

Geostatistical Analyst のライセンスで利用可能。

Geostatistical Analyst エクステンションには、内挿のためのデータの準備、内挿モデルの適合、内挿結果の検証を行う一連のツールが用意されています。 Geostatistical Analyst の主な 2 つのコンポーネントとして地球統計ウィザードと Geostatistical Analyst ツールボックスがあります。

地球統計ウィザード

地球統計ウィザードには ArcGIS Pro[解析] リボン タブからアクセスします。

地球統計ウィザードは、内挿モデルを構築し、そのパフォーマンスを評価するプロセスを順を追って実行するために設計されたページのダイナミックなセットです。 1 つのページでの選択によって、それ以降のページで指定できるオプションや、適切なモデルを構築するためにデータを操作する方法も変わってきます。 このウィザードでは、内挿方法を選択するところから、モデルで予期されるパフォーマンスのサマリー計測値を表示するところまでを行います。 (逆距離加重内挿法での) このワークフローを単純化したものを以下の図に示します。

地球統計ウィザードでの単純なワークフロー
地球統計ウィザードでの単純なワークフロー

内挿モデルの構築プロセス

Geostatistical Analyst には、データを解析してさまざまな出力サーフェスを生成する多数のツールが備わっています。 調査の理由が何であれ、空間データを解析およびマッピングする際には、地球統計学のワークフローで説明するアプローチを採用することをお勧めします。

  • データを表示する - レイヤーを作成して ArcGIS Pro で表示します。
  • データを調査する - ヒストグラム チャートなどを使用して、データセットの統計的特性と空間的特性を調査します。
  • 適切な内挿法を選択する - 調査の目的、現象についての理解、使用可能な出力サーフェスに基づいて選択を行う必要があります。
  • モデルを適合させる - データの統計的特性に合わせてパラメーターを設定して、内挿を実行します。
  • 診断を実行する - 結果が妥当であるかどうかをチェックし、交差検証と検証を使用して出力サーフェスを評価します。 これにより、サンプルが未収集の位置における値をそのモデルがどの程度正確に推定するかを把握することができます。

Geostatistical Analyst ツールボックスには多数の内挿法が用意されています。 方法を選択する際には、調査の目的と、より多くの情報に基づいた意思決定に推定値 (およびその他の関連情報) がどのように役立つかを常にはっきりと理解しておく必要があります。 ご参考までに、各種方法の一連の分類ツリーについて、「分類ツリー」をご参照ください。

Geostatistical Analyst で使用可能な内挿法

Geostatistical Analyst の内挿関数は、決定論的方法と地球統計学的方法の 2 つのカテゴリに分かれています。

決定論的方法

決定論的手法には、値の類似性の範囲 (逆距離加重など) を制御するパラメーターとサーフェスの滑らかさの度合い (放射基底関数など) を制御するパラメーターがあります。 これらの手法は空間のランダム プロセス モデルに基づいておらず、データ内の空間的自己相関の明示的な測定値やモデリングはありません。 決定論的方法には以下のような方法があります。

地球統計学的方法

地球統計学的手法では、自然現象で観測された空間的変動の少なくともいくつかを空間的自己相関があるランダム プロセスによってモデル化できることを前提としており、空間的自己相関が明示的にモデル化されている必要があります。 地球統計学的手法を用いて、空間パターンを記述およびモデル化し (バリオグラフィ)、未測定の位置における値を推定し (クリギング)、未測定の位置での推定値に関連する不確実性を評価 (クリギング) することができます。

Geostatistical Analyst のクリギングの詳細

経験ベイズ クリギングをジオプロセシング ツールとして使用できます。 このツールでは以下のサーフェスを生成できます。

  • クリギングの推定値のマップ
  • クリギングの推定値に関連する標準誤差のマップ
  • 確率のマップ (定義済みの臨界値を超えたかどうかを示す)
  • 定義済みの確率水準の分位のマップ

[EBK 回帰予測 (EBK Regression Prediction)] では、説明変数ラスターを使用して内挿の確度を改善する経験ベイズ クリギング モデルを作成できます。 [地球統計レイヤー → ラスター (GA Layer To Rasters)] では、前述の 4 つの出力タイプにこれらのモデルをエクスポートできます。

[経験ベイズ クリギング 3D (Empirical Bayesian Kriging 3D)] では、x,y,z 座標と内挿する測定値を持つ 3D ポイントを内挿できます。

Geostatistical Analyst ツールボックス

Geostatistical Analyst のツールボックスには、データの解析、各種内挿サーフェスの生成、地球統計レイヤーの調査と他形式への変換、地球統計学的シミュレーションと感度分析の実行、サンプリング ネットワークの設計支援を行うツールが用意されています。 これらのツールは次の 5 つのツールセットにグループ化されています。

  • 内挿 - スタンドアロン ツールとして、または ModelBuilder と Python で使用される内挿を実行するツールが含まれています。
  • サンプリング ネットワーク設計 - サンプリング設計またはモニタリング ネットワークの設計や変更を支援するツールが含まれています。
  • シミュレーション - 地球統計学的シミュレーションを実行することでクリギングを拡張し、ポイントまたはポリゴン エリアについてのシミュレーション結果を抽出できます。
  • ユーティリティ - データセットのサブセットの抽出、モデルの性能を評価するための交差検証の実行、セミバリオグラム パラメーターの変動に対する感度の調査、内挿ツールで使用される近傍の視覚的表示を行う汎用ツール。
  • 地球統計レイヤーの操作 - ポイントの位置における推定を生成するツール、地球統計レイヤーをラスター形式とベクター形式にエクスポートするツール、テンプレートに基づいて新しい地球統計レイヤーを生成するツールがあります。