バリアを使用した拡散内挿の仕組み

拡散内挿は、均質媒体での熱や粒子の経時的な拡散を表す熱方程式の基本解を参照しています。 この内挿方法を使用した推定値はバリアの周囲をゆっくりと流れます。

バリアが存在しない場合、拡散内挿による推定は、ガウス カーネルを使用したカーネル内挿による推定とほぼ同じになります。

拡散内挿では、コスト サーフェス (ラスターのあるセルから次のセルへの移動のコストを計算する一般的なラスター関数) によって定義される複雑な距離尺度を使用できます。

拡散内挿では自動選択されたグリッド (セル) に基づいて推定が行われるのに対し、Geostatistical Analyst のその他すべてのモデルでは可変サイズの三角形が使用されます。

コスト サーフェスが指定されていない場合、隣接するセルの中心間の距離はユークリッド距離になります。 コスト サーフェスが指定されている場合、コスト サーフェス上のセル間の距離は次のいずれかの式を使用して定義されます。

  1. 追加バリア

    (隣接するセルの平均コスト値) x (セルの中心間の距離)

  2. 累積バリア

    (隣接するセルのコスト値の差) x (セルの中心間の距離)

  3. フロー バリア

    Indicator(隣接するセルへの移動のコスト値 > 隣接するセルからの移動のコスト値) * (隣接するセルへの移動のコスト値 - 隣接するセルからの移動のコスト値) + (セルの中心間の距離)

    ここで、Indicator(True) = 1 および Indicator(False) = 0 です。

    フロー バリアは変動が生じやすい方向があるデータの内挿に使用できます。

コスト サーフェスが指定されていないバリアを使用した拡散内挿の結果 (左側) とバリアを使用したカーネル内挿を使用して作成された推定マップ (右側) を以下に示します。

コスト サーフェスが指定されていない拡散内挿
カーネル内挿

拡散内挿の場合はカーネルの形状が拡散方程式に従ってバリア付近で変化しているのに対し、カーネル内挿の場合はポイント間の距離はポイント間の最短距離に応じて変化しています。

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