測定誤差について

Geostatistical Analyst のライセンスで利用可能。

通常単純普遍の 3 つのクリギング法では測定誤差モデルが使用されます。 同じ位置で異なる観測値になりうる場合に測定誤差が生じます。 たとえば、土壌や大気からサンプルを抽出し、これをいくつかのサブサンプルに分割して測定します。 これはサンプルを測定する機器にばらつきがある場合に行います。 もう 1 つの例としては、土壌のサンプルのサブサンプルを複数の試験所に送って分析してもらいます。 機器の確度のばらつきがあらかじめわかっていることもあります。 その場合、測定の既知のばらつきをモデルに取り込むことができます。

測定誤差モデル

測定誤差モデルは以下のように定義されます。

Z(s) = µ(s) + ε(s) + δ(s)

ここで、δ(s) は測定誤差、µ(s) は平均値、ε(s) はランダム変動です。 このモデルでは、ナゲット効果は ε(s) の分散 (微小スケールでの変動) と δ(s) の分散 (測定誤差) に分けられます。 Geostatistical Analyst では、推定されるナゲット効果を構成する微小スケールでの変動と測定のばらつきの比率を指定しておけば、1 つの位置に複数の測定値がある場合や測定のばらつきの値を入力した場合、測定誤差が自動的に推定されます。 測定誤差がない場合、クリギングは厳密な内挿法なので、データが収集済みの位置で推定した場合、推定値は測定値と同じになります。 ただし、測定誤差がある場合、測定誤差項がない、フィルターされた値 µ(s0) +ε(s0) を推定する必要があります。 データが収集済みの位置で、フィルターされた値は測定値と同じではありません。

以前のバージョンの ArcGIS では、測定のデフォルトのばらつきは 0% であったため、クリギングはデフォルトで厳密な内挿法として機能していました。 ArcGIS 10 では、測定のデフォルトのばらつきが 100% に設定されているため、測定済みの位置におけるデフォルトの推定値は、データの空間相関と近接する位置における測定値に基づきます。 測定誤差は、測定機器、位置、データ統合の不確実性など、さまざまな原因によって生じます。 実際のところ、100% 正確なデータは極めてまれです。

このモデルの効果

測定誤差モデルを選択することで、厳密なクリギングよりも最終マップが滑らかで標準誤差が小さくなります。 これを以下の図の例に示します。ここでは、2 つのデータ位置 (1 と 2) の値が -1 と 1 である場合の、測定のばらつきがないモデルでの厳密なクリギングとナゲット効果が測定のばらつきだけであるモデルでの滑らかなクリギングが示されています。

測定のばらつきがないモデル
測定のばらつきがあるモデル

このトピックの内容
  1. 測定誤差モデル
  2. このモデルの効果