地球統計学的内挿手法とは

Geostatistical Analyst のライセンスで利用可能。

地球統計学は、その本来の使い方としては、地理学や地質学など、地球に関する統計学を意味していました。 今日では、地球統計学はさまざまな分野で広く使用され、空間統計学の 1 分野となっています。 当初、空間統計学において、地球統計学は内挿の統計学的バージョンであるクリギングと同義でした。 現在ではこの定義が拡大され、クリギングだけでなく、空間内挿の決定論的方法で説明している決定論的内挿方法など、その他多くの内挿法も含まれるようになりました。 Geostatistical Analyst はこの広い定義の地球統計学を具現化したものです。 地球統計学の本質的な特徴の 1 つとして、調査対象の現象は分析範囲内のあらゆる場所で (必ずしも測定によらない) 値として表されます (畑の土壌に含まれる窒素の量や大気中のオゾン濃度など)。 地球統計学を使用して適切に分析可能なデータのタイプを識別することが重要です。

Geostatistical Analyst のクリギングの詳細

対象の分析範囲として次のような長方形があるとします。 この分析範囲内の空間的位置には si というインデックス文字が付いています (ここで、下付き文字 i は各位置を示します)。

推定値

上記の例で、位置 s1 ~ s7 のデータを収集し、位置 s0 (赤色) における値を推定するとします。 これは内挿の一例です。 クリギングでは、分析範囲内の任意の場所に s0 を置くことができ、位置 s0 には何らかの現実的な値が存在するものと仮定されています。 たとえば、データが窒素の濃度 s1, ..., s7 で構成される場合、s0 にも、観測はしていないが推定可能な濃度が存在します。 データはポイント イベントとして収集されますが、実際には値はあらゆる場所に存在するため、空間的に連続しています。

統計学では、値は次のいずれかのタイプとして表されることが一般的です。

  • 連続 - 任意の実数 (–1.4789、10965.6891 など)
  • 整数 (-2、-1、0、1、2 など)
  • 順序あり分類 (最悪、中間、最良など)
  • 順序なし分類 (森林、農地、都市など)
  • バイナリ (0 または 1 など)

連続という言葉は混乱を招くかもしれません。 データが空間的に連続し、その値が多変量正規分布で連続し、多変量分布が自己相関していることがわかっている場合、クリギングは最適な推定法です。 しかしながら、上記のすべてのデータ タイプに対応するため、さまざまな形式のクリギングが開発されてきました。