ICEYE Sensor Independent Complex Data ワークフロー

Image Analyst ライセンスで利用できます。

ICEYE 合成開口レーダー (SAR) の画像は、ビジュアライゼーションや解析に使用する前に処理する必要があります。 対処する問題は、意味のある後方散乱値を取得するためのキャリブレーション、スペックルの低減、放射歪みと地理テレイン歪みの除去、値の範囲が大きい画像のレンダリングなどです。

Image Analyst ツールボックスの合成開口レーダー ツールセットには、キャリブレーションとテレイン補正の済んだ解析可能な画像データを ICEYE Sensor Independent Complex Data (SICD) から生成するために使用できるツールが用意されています。 以下の表と図で、各ツールについて説明しています。

ツール説明

SAR 単位の変換 (Convert SAR Units)

振幅と強度、リニアとデシベル (dB)、および複素数と強度間で入力 SAR (合成開口レーダー) データのスケーリングを変換します。

放射量キャリブレーションの適用 (Apply Radiometric Calibration)

参照平面を使用して反射率を正規化することで、入力 SAR (合成開口レーダー) の反射率を正規化された後方散乱の物理単位に変換します。

マルチルック (Multilook)

入力された合成開口レーダー (SAR) データをレンジ方向のルックと方位角方向のルックにより平均化し、正方形のピクセルに近似させ、スペックル除去を軽減し、SAR ツールの処理時間を短縮します。

放射量分析によるテレインのフラット化を適用 (Apply Radiometric Terrain Flattening)

入力 SAR (合成開口レーダー) データの地形による放射歪みを補正します。

スペックル除去 (Despeckle)

スペックルの入力 SAR (合成開口レーダー) データを補正します。スペックルは、粒状またはごま塩状の効果に似たコヒーレント照明の結果です。

幾何テレイン補正の適用 (Apply Geometric Terrain Correction)

range-Doppler バックジオコーディング アルゴリズムを使用して、入力 SAR (合成開口レーダー) データをオルソ補正します。

ICEYE SICD のワークフロー

ICEYE SICD の処理の注意事項

ICEYE SICD データは、Single Look Complex (SLC) 画像です。 SLC 画像は複素数値の配列として格納されます。 アプリケーションにより強度値のみが要求された場合は、ワークフローの最初に [SAR 単位の変換 (Convert SAR Units)] ツールを実行して値を複素数値から強度値に変換します。これにより、ツールの実行時間が短くなり、出力サイズが小さくなります。 アプリケーションにより複素数値が要求された場合は、[SAR 単位の変換 (Convert SAR Units)] ツールを使用しないでください。 [放射量キャリブレーションの適用 (Apply Radiometric Calibration)] ツール、[放射量分析によるテレインのフラット化を適用 (Apply Radiometric Terrain Flattening)] ツール、[スペックル除去 (Despeckle)] ツールで複素数型の入力を使用すると、位相が変更されることなく、振幅成分が補正されます。

ICEYE SICD 補助プロダクトは、画像の値をデジタル数値からベータ ノート、シグマ ノート、ガンマ ノートにキャリブレーションするための多項式を備えています。  

[マルチルック (Multilook)] は、ワークフロー内のオプション ツールです。データをダウンサンプリングするために使用でき、やはりツールの実行時間が短くなり、出力サイズが小さくなります。

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  1. ICEYE SICD の処理の注意事項