RADARSAT Constellation Mission Ground Range Detected のワークフロー

Image Analyst ライセンスで利用できます。

RADARSAT Constellation Mission (RCM) の合成開口レーダー (SAR) の画像は、ビジュアライゼーションや解析に使用する前に処理する必要があります。 処理が必要な問題は、意味のある後方散乱値を取得するためのキャリブレーション、熱ノイズの除去、スペックルの低減、放射歪みと幾何学的歪みの除去、値の範囲が大きい画像のレンダリングなどです。

Image Analyst ツールボックスの合成開口レーダー ツールセットには、ジオリファレンスされた RCM Ground Range Detected (GRD) データから、キャリブレーションとテレイン補正の済んだ解析可能な画像データを生成するのに使用できる 6 種類のツールが用意されています。 以下の表と図で、各ツールについて説明しています。

ツール	説明
放射量キャリブレーションの適用	参照平面を使用して反射率を正規化することで、入力 SAR (合成開口レーダー) の反射率を正規化された後方散乱の物理単位に変換します。
熱ノイズの除去	入力 SAR (合成開口レーダー) データ内の熱ノイズにより生じる後方散乱を補正して、画像をよりシームレスにします。
放射量分析によるテレインのフラット化を適用	入力 SAR (合成開口レーダー) データの地形による放射歪みを補正します。
スペックル除去	スペックルの入力 SAR (合成開口レーダー) データを補正します。スペックルは、粒状またはごま塩状の効果に似たコヒーレント照明の結果です。
幾何テレイン補正の適用	range-Doppler バックジオコーディング アルゴリズムを使用して、入力 SAR (合成開口レーダー) データをオルソ補正します。
SAR 単位の変換	振幅と強度、リニアとデシベル (dB)、および複素数と強度間で入力 SAR (合成開口レーダー) データのスケーリングを変換します。

RCM GRD の処理の注意事項

RCM GRD プロダクトが、GeoTIFF 形式と NITF 形式の両方でサポートされています。 処理ワークフローは両方の形式で同じです。

ノイズ レベル ファイル が RCM GRD 補助プロダクトで提供され、熱ノイズの除去を実行することができます。 キャリブレーション済みデータに対して推定計器ノイズが提供されるため、[熱ノイズの除去 (Remove Thermal Noise)] ツールの前に [放射量キャリブレーションの適用 (Apply Radiometric Calibration)] ツールを実行します。

いくつかの ScanSAR GRD プロダクトでは、熱ノイズの除去がすでに実行されています。 該当する製品の場合、メタデータまたは product.xml ファイルの noiseSubtractionPerformed パラメーターが True に設定され、熱ノイズの除去を実行済みであることを示しています。 これらのプロダクトの解析可能データを作成するときは、ワークフローから [熱ノイズの除去 (Remove Thermal Noise)] ツールを除外します。