Sentinel-1 SLC ワークフロー

Image Analyst ライセンスで利用できます。

Sentinel-1 (S1) Single Look Complex (SLC) 合成開口レーダー (SAR) 画像は、ビジュアライゼーションや解析に使用する前に処理する必要があります。 処理が必要な問題は、軌道データの更新、バーストのマージ、熱ノイズの除去、意味のある後方散乱値を取得するためのキャリブレーション、スペックルの低減、放射歪みと幾何学的歪みの除去、値の範囲が大きい画像のレンダリングなどです。

Image Analyst ツールボックスの合成開口レーダー ツールセットには、キャリブレーションとテレイン補正の済んだ解析可能な画像データを生成するのに使用できるツールが用意されています。 次の表で説明するツールは、以下の図に示すように、解析可能な S1 SLC データを生成するために使用されます。

ツール説明

軌道ファイルのダウンロード (Download Orbit File)

Sentinel-1 SAR (合成開口レーダー) データ用に更新された軌道ファイルをダウンロードします。

軌道修正の適用 (Apply Orbit Correction)

より正確な OSV (軌道ステート ベクター) ファイルを使用して、Sentinel-1 SAR (合成開口レーダー) データの軌道情報を更新します。

SAR 単位の変換 (Convert SAR Units)

振幅と強度、リニアとデシベル (dB)、および複素数と強度間で入力 SAR (合成開口レーダー) データのスケーリングを変換します。

熱ノイズの除去 (Remove Thermal Noise)

入力 SAR (合成開口レーダー) データ内の熱ノイズにより生じる後方散乱干渉を補正して、よりシームレスな画像を生成します。

放射量キャリブレーションの適用 (Apply Radiometric Calibration)

参照平面を使用して反射率を正規化することで、入力 SAR (合成開口レーダー) の反射率を正規化された後方散乱の物理単位に変換します。

デバースト (Deburst)

入力 Sentinel-1 SLC (Single Look Complex) SAR (合成開口レーダー) データの複数のバーストをマージして、単一のシームレスなサブスワス ラスターを出力します。

マルチルック (Multilook)

入力された合成開口レーダー (SAR) データをレンジ方向のルックと方位角方向のルックにより平均化し、正方形のピクセルに近似させ、スペックルを軽減し、SAR ツールの処理時間を短縮します。

放射量分析によるテレインのフラット化を適用 (Apply Radiometric Terrain Flattening)

トポロジによる放射歪みの入力 SAR (合成開口レーダー) データを補正します。

スペックル除去 (Despeckle)

スペックルの入力 SAR (合成開口レーダー) データを補正します。スペックルは、粒状またはごま塩状の効果に似たコヒーレント照明の結果です。

幾何テレイン補正の適用 (Apply Geometric Terrain Correction)

range-Doppler バックジオコーディング アルゴリズムを使用して入力 SAR (合成開口レーダー) データをオルソ補正します。

Sentinel-1 SLC ワークフロー
このジオプロセシング モデルは、Sentinel-1 SLC の Stripmap (SM) モード データではなく、IW および EW モード データのワークフローを示しています。

処理の注意事項

サポートされている S1 SLC モードは、Interferometric Wide Swath (IW)、Extra Wide Swath (EW)、Stripmap (SM) です。 [デバースト (Deburst)] ツールが必要なのは、Terrain Observation by Progressive Scan (TOPS) イメージング手法を使用して取得される IW および EW モードのみです。 S1 SLC Stripmap (SM) の場合は、ワークフローから [デバースト (Deburst)] ツールを除外します。

軌道ファイルをダウンロードして適用する際は、使用する軌道ステート ベクター (OSV) のタイプを考慮してください。 Sentinel-1 プロダクトでは、次のタイプの OSV が使用できます。

  • 予測 - Sentinel-1 レベル 1 GRD (Ground Range Detected) および SLC 補助プロダクトで提供されます
  • 更新 - 画像取得から 3 時間以内に European Space Agency (ESA) を通じて利用できます
  • 精密 - 画像取得から 3 週間以内に ESA を通じて利用できます
利用可能になり次第、OSV を更新または精密に更新することをお勧めします。

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このトピックの内容
  1. 処理の注意事項