ArcGIS Pro でステレオ マッピングのサポートに使用される 3D 入力デバイスに、Stealth プロトコル マウスが含まれています。 これらのデバイスは、指先で複数の編集コマンドにアクセスできるため、両手のマウス操作によるデジタイズの疲労が軽減され、フィーチャの収集時間が短縮されることで、ステレオ表示マッピングのワークフローをサポートします。 各デバイスには、正確な標高を定義するためのスクロール ホイールと、複数のプログラマブル ボタンが搭載されています。 Stealth マウスのインストール、セットアップ、使用方法の詳細について、以下に説明します。
Stealth マウスは、地形マッピング アプリケーションで使用できるように特別に設計された 3D 入力デバイスです。 4 つのモデル (S1、S2、S3、S4) があり、Z プロトコルを使用して実装できます。 Stealth マウスで使用されているプロトコルは、デバイスの下側のステッカーを確認して判別できます。
Stealth マウスには、10 個のボタン、高さの定義をサポートする高精度のサムホイール、および 2 個のジョイスティック (S4 モデルのみ) が搭載されています。 10 個のボタンに最大 32 個のコマンドを記憶するようプログラミングでき、使用頻度の高い編集コマンドをマウス キーに割り当てることで、ArcGIS Pro メイン メニューから目的のコマンドにアクセスする必要性が減り、編集ワークフローが簡素化されます。
ArcGIS Pro が初期化されると、Stealth マウスはシステム マウスおよびステレオ表示入力デバイスの両方の目的で使用できます。 通常のシステム マウスとは異なり、ArcGIS Pro のアクティブなインスタンスが存在しない限り、Stealth マウスは動作しません。
Stealth-Z マウスのセットアップ
Stealth-Z マウスをセットアップするには、次の手順を実行します。 まず、FTDI ドライバーをインストールし、ArcGIS Pro で使用できるように Stealth-Z マウスを構成します。
FTDI マウス ドライバーのインストール
Stealth マウス ドライバーを使用する前に、1 回だけインストールする必要があります。 インストール処理時は、Stealth マウスをシステムから切断しておく必要があります。 以下を参考に、必要なドライバーをダウンロードおよびインストールします。
注意:
古い Stealth マウス モデル (2015 以前) を使用する場合、デバイスが ArcGIS Pro で認識されないことがあります。 Stealth マウス メーカーに問い合わせて、作業手順を確認することをお勧めします。
- ドライバー パッケージをディスク上の既知の場所にダウンロードします。
- ダウンロードしたパッケージを展開します。
- 抽出したセットアップ ファイルを右クリックして、[管理者として実行] を選択します。
インストール処理を続行するよう求められたら、[はい] をクリックします。
[FTDI CDM Drivers] (FTDI CDM ドライバー) ウィンドウが表示されます。
- [FTDI CDM Drivers] (FTDI CDM ドライバー) ウィンドウで [Extract] (抽出) をクリックし、デバイス ドライバーのインストール ウィザードを読み込みます。
デバイス ドライバーのインストール ウィザードが表示されます。
- [Welcome to the Device Driver Installation Wizard] (デバイス ドライバーのインストール ウィザードにようこそ) ページで [Next] (次へ) をクリックします。
[License Agreement] (使用許諾契約書) ダイアログ ボックスが表示されます。
- [I accept the agreement] (契約書に同意する) ボタンをオンにし、[Next] (次へ) をクリックしてインストールを開始します。
ドライバーがインストールされます。 これには数分かかります。
- インストール処理が完了したら、[Finish] (完了) をクリックします。
これで、FTDI デバイス ドライバーがインストールされました。
Stealth マウスの構成
FTDI デバイス ドライバーをインストールしたので、ArcGIS Pro で使用できるように Stealth マウスを構成する準備が整いました。 Stealth マウスを適切に構成するには、次の手順を実行します。
- Stealth マウスを USB ポートが搭載されたコンピューターに接続します。
- ArcGIS Pro プロジェクトを開くか、新たに作成します。
- ArcGIS Pro が開いたら、メイン メニューで [プロジェクト] > [オプション] の順に選択します。
[オプション] ウィンドウが表示され、ArcGIS Pro で Stealth マウスの使用方法を構成する優先オプションを設定できます。
- [アプリケーション] セクションで、[3D 入力デバイス] をクリックします。
[ステレオ マップ マウスのオプションの設定] ウィンドウが表示されます。
[マウス タイプ] の横に [Stealth マウスが検出されました] という通知が表示され、接続された Stealth マウスを ArcGIS Pro が認識したことを示しています。 この通知が表示されない場合は、デバイスが切断されていることを示しています。
一度接続された Stealth マウスは、ArcGIS Pro を再起動しなくても、切断して再接続することができます。
- [マウス タイプ] ドロップダウン リストから、使用している Stealth マウス モデルを選択します。
選択したマウス モデルのグラフィックスがページに表示されます。 全画像を表示するには、ページを拡大する必要がある場合があります。
ボタン機能ユーザー インターフェイスには、デフォルトのボタン割り当てが表示され、お好みのマウス ボタンにコマンドを割り当てることができます。
注意:
使用できない割り当て機能が含まれ、ロック アイコンが表示されているボタンはカスタマイズできません。 Stealth マウス ボタン 1 (左シフト)、4 (左ボタン)、5 (右ボタン)、8 (右シフト) などが該当します。
マウス ボタンの割り当て
さまざまな編集機能やステレオ マッピング機能を Stealth マウス ボタンに割り当てることで、ステレオ マッピングの効率性を高めることができます。 Stealth マウスには、10 個のボタン、サムホイール、および 2 個のジョイスティック (Stealth S4 モデルのみ) が搭載されています。 ジョイスティックを除き、これらのボタンは最大 32 個のプログラマブル機能に対応しています。 ジョイスティックに機能をマッピングすることはできません。 マウス ボタンに割り当てることができるコマンドのリストについては、次の手順で説明します。
- Button 列で、機能を割り当てる特定のボタンまたはボタンの組み合わせ番号をクリックします。
選択したマウス ボタンに関連付けられた機能が、リスト内でハイライト表示されます。 選択したマウス ボタンは、Stealth マウス グラフィックス上に青色でハイライト表示されます。
- 機能をクリックします。
サポートされている機能のドロップダウン リストが表示されます。
- 関連付けられたボタンに割り当てる機能をドロップダウン リストから選択します。
- Stealth マウス ボタンに他の機能を割り当てるには、上記の手順を繰り返します。
- ボタンへの機能の割り当てが完了したら、ウィンドウの下部にある [OK] をクリックして、すべての変更内容を適用します。
[リセット] ボタンをクリックすると、デフォルトのボタン割り当てに戻ります。
次の表は、Stealth マウス ボタンに割り当てることができるコマンドのリストを示しています。
Stealth マウスでプログラミングできない機能キーについて、以下の表で簡単に説明します。
ボタン | 関数 | 説明 |
---|---|---|
1 | 左シフト | 機能キーと同様、Shift キーを他のキーと組み合わせて、マウス ボタンのマッピング機能を拡張します。 |
8 | 右シフト | 機能キーと同様、Shift キーを他のキーと組み合わせて、マウス ボタンのマッピング機能を拡張します。 |
4 | 左クリック | システム マウスの左クリック機能に倣います。 |
5 | 右クリック | システム マウスの右クリック機能に倣います。 |
1 + 8 | クラッチ | クラッチを使用すると、画面上の X、Y、Z 位置を変化させずに、マウスを移動させることができます。 |
マウス ボタンにカスタム コマンドを割り当てる
マウス ボタンのマッピングに使用可能なデフォルトのコマンド リストに加えて、編集ワークフローをサポートするため拡張リストにアクセスできます。 このリストにアクセスすると、ボタン機能のデフォルトのリストに新しいコマンドがアペンドされ、ボタンの割り当てに使用できるようになります。
カスタム コマンドをデフォルトのリストに割り当てるため使用されるワークフローを、次の手順に示します。
- ArcGIS Pro を開き、[プロジェクト] > [オプション] の順にクリックします。
メインの [オプション] ウィンドウが表示されます。
- [アプリケーション] セクションで、[3D 入力デバイス] をクリックします。
[ステレオ マップ マウスのオプションの設定] ウィンドウが表示されます。
- [マウス タイプ] ドロップダウン リストで適切な 3D 入力デバイスが選択されていることを確認します。
- カスタム コマンドに割り当てるマウス ボタン番号の横にある機能をクリックすると、ドロップダウン リストが表示されます。
行を 2 回クリックすることが必要な場合もあります。
- ドロップダウン リストの下端にある [その他のコマンド] を選択します。
[コマンド] ダイアログ ボックスが表示されます。
- [コマンド] ダイアログで、[コマンドの選択元] の下にあるドロップダウン リストをクリックすると、マウス ボタンにマッピングする新しいコマンドを検索するため使用できるオプションのリストが表示されます。 このリストには、[すべてのコマンド] (デフォルト)、[タブのリスト]、[一般的なジオプロセシング ツール]、[すべてのジオプロセシング ツール] が含まれます。
- [すべてのコマンド] を選択した状態で、目的のコマンドを検索するため役立つキーワードを検索ボックスに入力します。
たとえば、[編集] と入力すると、検索結果に多くの関連コマンドのリストが表示され、選ぶことができます。
- 検索結果で希望のコマンドを選択し、[OK] をクリックします。
新しいコマンドが選択したマウス ボタンに割り当てられ、コマンドのデフォルト リストにアペンドされます。
- [ステレオ マップ マウスのオプションの設定] ページの下端にある [OK] をクリックして、すべての変更を承諾します。
ボタンの設定のエクスポート
ボタンのマッピングは、[ステレオ マップ マウスのオプションの設定] ページの [エクスポート] オプションを使用して、ディスクにエクスポートできます。 ボタンのマッピングをエクスポートする手順を、以下に概説します。
- ArcGIS Pro を開き、[プロジェクト] > [オプション] の順にクリックします。
メインの [オプション] ウィンドウが表示されます。
- [アプリケーション] セクションで、[3D 入力デバイス] をクリックします。
[ステレオ マップ マウスのオプションの設定] ウィンドウが表示されます。
- [マウス タイプ] ドロップダウン リストで適切な 3D 入力デバイスが選択されていることを確認します。
- [エクスポート] ボタンをクリックします。
[エクスポート] ウィンドウが開きます。
- エクスポートされるファイルを保存するフォルダーに移動し、ファイル名を入力して [保存] をクリックします。
エクスポートされるファイルは、定義された場所に .json 拡張子で保存されます。
ボタンの設定のインポート
ボタンの設定は、[ステレオ マップ マウスのオプションの設定] ページの [インポート] オプションを使用してインポートできます。 ボタンの設定をインポートする手順を、以下に概説します。
- ArcGIS Pro を開き、[プロジェクト] > [オプション] の順にクリックします。
メインの [オプション] ウィンドウが表示されます。
- [アプリケーション] セクションで、[3D 入力デバイス] をクリックします。
[ステレオ マップ マウスのオプションの設定] ウィンドウが表示されます。
- [マウス タイプ] ドロップダウン リストで適切な 3D 入力デバイスが選択されていることを確認します。
- [インポート] ボタンをクリックします。
[インポート] ウィンドウが開きます。
- インポートする構成ファイルがあるフォルダーに移動して選択し、[OK] をクリックします。
インポートされたボタン マッピングは、以前にリストされていたマッピングを置き換えます。
マウス ホイールのスクロールを反転
Stealth マウスのスクロール方向を反転させるには、次の手順を実行します。
- ArcGIS Pro を開き、[プロジェクト] > [オプション] の順にクリックします。
メインの [オプション] ウィンドウが表示されます。
- [アプリケーション] セクションで [ナビゲーション] をクリックします。
[マップとシーンのナビゲーション オプションを設定] ウィンドウが表示されます。
- [マウス ホイールを前方へ回転] で、[縮小] ボタンをクリックし、ウィンドウの下部にある [OK] をクリックして変更内容を適用します。
[マップとシーンのナビゲーション オプションを設定] ウィンドウが閉じます。
- [ArcGIS Pro について] ウィンドウの戻る矢印をクリックすると、ArcGIS Pro ホーム ページに戻ります。
ボタンの設定のリセット
カスタムのボタン設定は、[リセット] ボタンをクリックしてデフォルト状態に復元できます。
マウスの Z 変化率の感度の調整
Stealth マウスのサムホイールを使用すると、ステレオ ウィンドウで正確な高さ調整を行うことができます。 高さの増分値の変化は、[ステレオ マップ マウスのオプションの設定] ウィンドウの上部にある [ステレオ カーソル] セクションにある [Z 値の変更] オプションによって制御されます。
このオプションは、ArcGIS Pro メイン メニューの [ステレオ マップ] タブ上にも存在し、[カーソル] グループの [Z 感度] オプションとともに表示されます。 使いやすいように、ステレオ マップ表示で操作する際は、[Z 感度] オプションを使用することをお勧めします。
デフォルト設定では、システムで定義された増分値の単位で高さの値が変化します。 増分値の変化を小さくするか特定の値に設定するには、次の手順を実行します。
- [ステレオ マップ] ウィンドウを開きます。 メイン メニューで [挿入] をクリックし、[新しいマップ] ドロップダウン メニューで [新しいステレオ マップ] をクリックします。
ArcGIS Pro メイン メニューで、[ステレオ マップ] タブが有効になります。
- [ステレオ マップ] タブをクリックし、[カーソル] グループの [Z 感度] をクリックします。
[Z 感度] ダイアログ ボックスが表示されます。
- [デフォルト] の下のボタンをオンにすると、カスタムの高さ増分値の設定が有効になります。
- Z 値を 30 cm 単位で調整するには、単位設定の横のボックスに「0.3」と入力します。
- [適用] をクリックして変更内容を適用し、[Z 感度] ダイアログ ボックスを閉じます。
Stealth マウスのサムホイールを回転させると、座標トレイ ([ステレオ] ウィンドウの下部) の Z 値が 30 cm 単位で変化します。