ラスト マイル デリバリーを選択する理由

Network Analyst のルート解析では、多くのストップを訪問する単一車両にとっての最適ルートを検索し、ラスト マイル デリバリー サービスおよび配車ルート (VRP) サービスでは、さまざまな訪問先にサービスを提供する車両にとっての最適ルートを検索します。 配車ルート (VRP) サービスは、柔軟性が高く、さまざまな制約をモデル化できますが、この柔軟性によってアルゴリズムも制限されます。 ラスト マイル デリバリー サービスは、制約のサブセットをサポートしますが、サポートする制約に対して、品質とパフォーマンスに優れたアルゴリズムを提供できます。

ラスト マイル デリバリーの機能

ラスト マイル デリバリー解析は、最終顧客に荷物を配達する複数の車両を対象に設計された使用例に特化した、配車ルート (VRP) アルゴリズムです。 たとえば、1 か所の配送センターまたは店舗から最終顧客に配達を行う場合に使用され、ほとんどのストリートで数件の顧客の場所に配達するような高い密集度になる場合もありますが、すべてのストリートのすべての家屋に立ち寄る目的では使用されません。

配達会社は、各ルート (配達車両と運転手) から配達される訪問先 (荷物の配達先) と、訪問先に立ち寄る順序を決定する必要があります。 主な目的は、地理的に密集したルートを生成することで、訪問先に最適な配達を行い、運転手が各顧客に簡単に配達でき、複数車両の全体的な運用コストを最小限に抑えることにあります。 解析の実行では、次の機能がサポートされます。

  • 訪問先 - 解析では、単一のタイム ウィンドウと引き取り数量または配送数量の (両方ではなく) いずれかを使用して、より多くの訪問先数をサポートします。
  • 拠点 - すべてのルートの開始拠点と終了拠点は、それぞれ同じである必要があります。 開始拠点と終了拠点は、異なっていてもかまいません。 開始拠点、終了拠点、またはその両方を仮想拠点にすることもできます。つまり、ルートは、一元化された場所ではなく、訪問先で開始または終了できます。
  • ルート - 開始拠点、終了拠点、到着出発遅延を除くすべてのフィールドで、異種ルートをサポートします。 コスト、容量、時間または距離に基づく制約などをモデル化できます。 これは、訪問先数が 300 か所未満のルートにお勧めします。
  • ゾーン - ルートが、訪問先にサービスを提供するべきエリアを指定します。 これらのゾーンには、ハード ゾーンとソフト ゾーンがあります。 1 つのゾーンを複数のルートで使用できます。
  • 特別指定 - 訪問先が要求する要件と、ルートがサポートする要件を指定します。 これらは、訪問先特別指定とルート特別指定の両方を使用して指定されます。 訪問先とルートは、複数の特別指定をサポートできます。
  • バリア - ポイント、ライン、およびポリゴンをサポートします。

ラスト マイル デリバリーのサポート対象外

ラスト マイル デリバリーは、次の機能をサポートしていません。

  • 休憩
  • シード ポイント
  • ルート リニューアル
  • 訪問先ペア
  • 拠点のタイム ウィンドウ
  • 訪問先の 2 番目のタイム ウィンドウ
  • 解析における引き取り数量と配送数量
  • 訪問先の収入
  • ルートごとに異なる開始拠点
  • ルートごとに異なる終了拠点
  • ルートごとに異なる到着/出発遅延

配車ルートからラスト マイル デリバリーへの変換

配車ルート (VRP) 解析とラスト マイル デリバリー解析のスキーマと機能は、非常に似ています。 したがって、ラスト マイル デリバリー解析に古い配車ルート解析の入力を使用することは、比較的簡単です。 以下は、変換する必要があるスキーマの領域です。

ルート特別指定と訪問先特別指定のスキーマは、配車ルート (VRP) のスキーマと同じです。 以下は、配車ルート解析ラスト マイル デリバリー解析のスキーマの違いをまとめた表です。

訪問先

配車ルート スキーマラスト マイル デリバリー スキーマ

TimeWindowStart2、TimeWindowEnd2、MaxViolationTime2

2 番目のタイム ウィンドウはサポートされていません。

Revenue

サポート対象外

AssignmentRule: Exclude (0)

訪問先 - AssignmentRule: Null

ルート - AssignmentRule: Exclude (2)

注意:

ルートの AssignmentRule もすでに VRP スキーマで除外されているはずです。

AssignmentRule: PreserveRouteAndRelativeSequence (1)

AssignmentRule: PreserveRouteAndRelativeSequence (1)

AssignmentRule: PreserveRoute (2)

AssignmentRule: PreserveRoute (2)

AssignmentRule: Override (3)

AssignmentRule: Null

AssignmentRule: AnchorFirst (4)

AnchorRule: First (1) および AssignmentRule: Null

AssignmentRule: AnchorLast (5)

AnchorRule: Last (2) および AssignmentRule: Null

拠点

配車ルート スキーマラスト マイル デリバリー スキーマ

TimeWindowStart、TimeWindowEnd、TimeWindowStart2、TimeWindowEnd2

拠点では、タイム ウィンドウは、サポートされていません。

ルート

配車ルート スキーマラスト マイル デリバリー スキーマ

EarliestStartTime

EarliestStartDate および EarliestStartTime

注意:

これらは、日付のみフィールドと時間のみフィールドなので、EarliestStartTime に使用される日付と時刻をこれら 2 つのフィールドに分割する必要があります。

LatestStartTime

StartTimeFlexibility = (VRP の LatestStartTime – VRP の EarliestStartTime)

AssignmentRule: Include (1)

AssignmentRule: Null

AssignmentRule: Exclude (2)

AssignmentRule: Exclude (2)

ゾーン

配車ルート スキーマラスト マイル デリバリー スキーマ

ルート ゾーン: RouteName

ゾーン: 名前およびルート: ZoneName

ルート ゾーン: IsHardZone

ルート: IsHardZone

ラスト マイル デリバリーでは、ルート ゾーンは、ゾーン クラスで指定され、名前が付けられます。 それらの名前は、ZoneName フィールドと IsHardZone フィールドとともにルートで使用されます。 これにより、1 つのゾーンを複数のルートで使用できます。

バリア

配車ルート スキーマラスト マイル デリバリー スキーマ

ポイント バリア: Attr_*

ポイント バリア: Additional_Time または Additional_Distance

ライン バリア: Attr_*

ライン バリア: ScaledTimeFactor または ScaledDistanceFactor

ポリゴン バリア: Attr_*

ポリゴン バリア: ScaledTimeFactor または ScaledDistanceFactor

パラメーター

配車ルートラスト マイル デリバリー

デフォルトの日付

ルート最早開始日

タイム ウィンドウ ファクター

N/A

空間的クラスター ルート

N/A

超過移動ファクター

N/A

N/A

最大ルートの合計時間

N/A

順序の間隔

N/A

ルート最早開始時刻

次の表に、配車ルート タブとラスト マイル デリバリー タブで使用できるパラメーターの違いをそれぞれ示します。