Spatial Analyst のライセンスで利用可能。
ラスター内の各セル位置には値が割り当てられています。 利用可能な情報のないセルの場所には、NoData が割り当てられます。 NoData と 0 (ゼロ) は同じでありません。0 は有効な数値です。
入力ラスターに、数値の代わりに NoData が含まれる可能性があることは、ツールによる処理方法に影響をもたらします。 NoData の場合、セルの位置に関して値を割り当てるために十分な情報が知らされていないことになります。 式の計算では、NoData を持つセルが次の 2 つの方法で処理されます。
- 指定したセルの場所に対して、常に NoData を返す
- NoData を無視し、指定したセルで利用可能な値を使って計算する
決定を行う前に、特定のツールにおける NoData の処理方法を理解しておくことは重要です。 出力内の NoData の位置にはこれまで値が存在していたのか、あるいはツールのアルゴリズムの結果として NoData の値を受け取ったのかを把握する必要があります。 また、場所に対して値が割り当てられる場合は、出力値が実際の最小値または最大値であるかどうかや、既存の有効値から得た最小値または最大値であるかどうかを把握しておかなければならないこともあります。
特定のツールに応じて、上記の方法は他の方法よりも大きな意味を持つことになります。 たとえば、2 つのラスター データセットを加算する場合、一方のデータセットのセルに NoData が格納されていると、出力ラスター データセット内の該当する位置に値を割り当てるための基準が存在しないことになります。
それとは対照的に、NoData 値が含まれている近傍内で最小値を探す場合は、NoData 値を持つセルが最小値ではないと仮定する (リスクもありますが) こともできます。 このように、フォーカル演算は、近傍内の残りの有効値から最小値を算出するために使用することもできます。
Spatial Analyst は、NoData の概念を完全にサポートしています。 操作内でいずれかの入力ラスター データセットに NoData が存在すると、出力値が影響を受けます。 NoData の振舞いは、各ツールのリファレンス ドキュメントにツールごとに説明してあります。