評価ワークフローと適合性モデリングの制約

Spatial Analyst のライセンスで利用可能。

適合性マップを作成するには、条件を定義するデータをまず準備し、そのデータを共通の評価値に変換して、加重および結合する必要があります。 適合性マップから、用地または保護区域として最適な場所を特定できます。 このような加重加法性プロセスは十分に確立されていますが、それに固有の制約があります。 [評価] 環境には、これらの制約を調査する方法が用意されているので、これらの制約に対処することができます。 このため、モデリング上の意思決定に適用した場合に、結果の信頼性が高まります。

[評価] 環境は、相互作用する一連のウィンドウ、マップ、プロットで構成されます。

[評価] タブ (下記の画像の [適合性モデラー] ウィンドウ) で適合性マップを選択した場合は、[評価ウィンドウ] (下記の画像の下部中央にある) に 4 つのタブが存在し、場所検索マップを選択した場合は、2 つのパネルが存在します。 [評価ウィンドウ] は、2 つのパネルに分かれています。 [概要] タブの左側のパネル (下記の画像では [モデルの入力と出力の調査] で表されている) は、[適合性の評価] マップを制御し、[概要] タブの右側のパネル (下記の画像では [条件の影響を調査] で表されている) は、[条件の評価] マップを制御します。 左側のパネルを使用して、適合性の値を生成する加重変換条件値の構成を調査します。 右側のパネルを使用して、特定の条件がモデルにどれだけ寄与しているかを調査します。 一連の統計を通して、適合性モデリング プロセスに固有の制約を調査することができます。

評価環境
評価環境の例として、2 つのウィンドウ、固有のコンテンツを含む 2 つのマップ、相互に作用する一連のプロットが示されています。

[評価] 環境の使用の仕組みについては、「Suitability Modeler の評価タブ」および「Suitability Modeler の評価ウィンドウ」トピックをご参照ください。

制約への対処

Suitability Modeler[評価] 環境では、一連のタブとパネルを使用して、適合性モデリングの制約を特定し、これらの制約に対処することができます。 それぞれのタブとパネルを次のセクションで説明します。 これらのタブとパネルの目的、これらのタブとパネルを使用するタイミング、これらのタブとパネルで対処できる制約、適用する固有の統計などを詳しく記載しています。

個々のセル、パーセル、観測データ、または [場所検索] から生成された地域のうちのどれを調査する場合でも、条件がどのように相互作用するかを把握することが重要となります。 この処理を簡単にするために、それぞれのタブとパネルに一連の統計が含まれています。

概要タブ

[概要] タブを使用すると、モデルを評価できます。 このタブでは、入力、変換、加重が主観的に決定される可能性のある制約に対処します。 基準条件値と加重変換条件値の空間分布や、最終的な適合性マップと場所検索マップを調査して、指定した入力が対象の優先度を表しているかどうかを確認します。

概要の制約

[概要] タブの右側のパネルまたは [条件の影響を調査] パネルには、統計しか存在しません。 次のリストには、[概要] タブで対処する制約を調査する場合に実行できるさまざまな操作が示されています。

  • 左側のパネルまたは [モデルの入力と出力の調査] パネルで、それぞれの基準条件値と加重変換条件値の空間分布を調査します。
  • それぞれの変換が互いに打ち消し合っているかどうか (ある条件では適合性の高い場所に、別の条件で低い適合性が割り当てられている場合など) を確認するか、すべての変換で特定の場所が他の場所より優先されているかどうかを確認します。
  • [条件の影響を調査] パネルで、条件を一時的に削除し、空間分布への影響を調査します。 [適合性の値][残存率]、および [寄与率] 統計を使用して、さまざまな観点から結果を調査します。
  • 条件を削除した結果を元の適合性の値と比較します。

条件タブ

[条件] タブを使用すると、変換条件値がどのように相互作用して、適合性の値が生成されるかを調査できます。

標準統計情報

適合性が高いほど良いという一般的な前提が必ずしも当てはまるとは限りません。 入力された元の基準条件値と変換条件値を結合すると、これらの値が失われます。 2 つの場所で適合性の値が同じである可能性があり、この場合には、加重加法性手法でこれらの場所の優先度が同じになります。 どちらの場所を選択しても、同じ満足度になる可能性があります。 ただし、適合性の値を生成する加重変換条件値の構成を把握すると、選択した場所に大きな影響を与えることがあります。

3 つの条件を使用した太陽光発電所の設置の適合性モデルの例を考察してください。 全体的な適合性の値が 22 の場所が 2 つ存在する可能性があります。 これらの値は、次の方法で 3 つの条件に基づいて生成された加重変換値から取得されたものと思われます。

位置電線からの距離傾斜角日射量ゲイン

1

10

10

2

2

7

7

8

2 つの場所のどちらにも同じ全体的な適合性が割り当てられているため、優先度が同じであると思われます。 ただし、適合性の値を生成する個々の加重変換条件値の構成は大きく異なります。 場所 1 を選択すると、このプロジェクトでそれほど多くの電力を生成できない可能性があります。

ここでは、場所 1 の構成が次の表に示された個々の適合性の値に変更された場合に受ける影響を考察してください。

位置電線からの距離傾斜角日射量

1

2

10

10

2

7

7

8

これで、電線からの距離条件の加重変換値が 2 になり、日射量値が 10 になります。 結果として、場所 1 がさらに優先的な場所になる可能性があります。

構成を決定

前のシナリオを作成して加重変換条件値の構成を把握するには、次の質問に答える必要があります。

  • 入力された加重変換条件値の範囲はどれくらいですか?

    場所 1 は大きい範囲で、場所 2 は小さい範囲です。 ただし、小さい範囲が必ずしも適切な範囲であるとは限りません。 範囲が小さい場合は、条件値が低い可能性があります。

  • 最高値と最低値はどれくらいですか?

    場所 1 の最高値は 10、最低値は 2 です。

  • どの条件が最高値と最低値に寄与していますか?

これらの質問には、[評価] 環境で一連の標準統計を通して回答できます。

標準統計の定義

上記の状況に対処するために最終的な適合性の値を生成する加重変換条件値の組み合わせの抽出に使用される 5 つの統計があります。 セル内の組み合わせを調査する場合は、これらの標準統計を [条件] タブで使用します。 ポリゴン (パーセルなど) 内、[検証] タブの観測データ内、[場所検索] パネルで結果として生成された地域内で加重変換条件値の構成を特定する場合は、これらの統計を [エリア内での集計] タブで使用します。 これら 5 つの統計は、各タブまたは一連のパネルで標準統計になります。

[範囲] 統計を使用すると、各場所の値の範囲を把握できます。 適合性の高い条件が適合性の低い条件を補正している状況に注目してください。 範囲が大きい場合は、適合性の値に大きなばらつきがあります。 これは望ましい結果ではない可能性があります。

[最高値] 統計と [最低値] 統計は、範囲内の最大値と最小値を示します。 範囲が大きいエリア内の値が低い場合は、問題が発生している可能性があります。 これは通常、適合性の低い条件が少なくとも 1 つ存在することを意味します。

[最高条件] 統計と [最低条件] 統計を使用して、最高値と最低値を生成している条件を特定します。 それぞれの空間分布を調査します。 モデルにとって最も重要な条件が最低値に寄与しているエリアが最も懸念すべきエリアである可能性があります。 これら 2 つの統計は、解析を促している条件とその場所を示します。

固有の統計

[条件] タブとは別に、固有の統計もいくつか存在します。 これらの統計は、右側のパネルまたは [条件値の調査] パネルに表示されます。

[寄与率] 統計は、条件が最終的な適合性の値にどれだけ寄与しているかを示します。 [平均から] 統計は、条件が平均値をどれだけ上回っているか、または条件が平均値をどれだけ下回っているかを示します。 場所の寄与率が高く、条件が平均値を上回っており、適合性が高い場合、この条件は場所と対象にとって非常に重要となります。

[最も高い適合性のうちで最低] 統計は、指定の条件で、適合性の高い場所の中で小さい加重変換値が存在する場所を示します。 解析で最も重要な条件が適合性の高いエリアに大きく寄与していない場合は、問題が発生している可能性があります。 [最も高い適合性のうちで最高] 統計は、指定の条件で、適合性の高い場所の中で大きい加重変換値が存在する場所を示します。 これらの場所の優先度が高くなる可能性があります。

[最も低い適合性のうちで最高] 統計は、指定の条件で、適合性の低い場所の中で最も大きい加重変換値が存在する場所を示します。 特定の条件が対象にとって重要である場合、これらの場所は選択されない可能性が高くなります。 [最も低い適合性の中で最低] 統計は、指定の条件で、適合性の最も低い場所の中で最も小さい加重変換値が存在する場所を示します。 これらの場所は考慮されません。また、条件の構成によっては、考慮できません。

エリア内での集計タブ

[エリア内での集計] タブは、意思決定単位がラスター セル以外のものである場合に使用します。 たとえば、意思決定単位がパーセルに基づいている場合は、取得された適合性で最も価値のあるパーセルを特定できます。

次のセクションでは、このタブで制約に対処する場合に実行できる操作を示しています。

標準統計

上記の [条件] タブのセクションに記載されているように、適合性の値を生成する加重変換条件値の構成を調査するための標準統計がいくつか存在します。 [条件] タブでセルの場所の加重変換条件値の構成を調査する代わりに、[エリア内での集計] タブで標準統計を使用して、各意思決定単位内 (各パーセル内など) で加重変換値の構成を抽出します。

標準統計は、左側のパネルまたは [ゾーン内の適合性を調査] パネルでパーセルの解析に使用することができます。 これらの統計として、[範囲][標準偏差][最高値][最低値][影響力が最も大きい条件][影響力が最も小さい条件] があります。

標準統計の使用

日射量値が対象条件となる太陽光発電所モデルを考察してください。 パーセル内のすべてのエリアで良好な日射量値が得られるかどうかを確認するには、[範囲] または [標準偏差] 統計を使用します。 適合性の高いエリアで範囲が小さい場合は、パーセルの大部分で良好な日射値が得られるはずです。

固有の統計

[エリア内での集計] タブとは別に、固有の統計もいくつか存在します。

主要な制約は、エリアによって異なる可能性があります。 パーセルごとに、どれだけの適合性が得られるかを確認することができます。 これには、左側のパネルまたは [ゾーン内の適合性を調査] パネルで [合計] 統計を計算します。 ただし、通常は、パーセルが大きくなるにつれて、適合性が高くなります。 [ゾーン エリア] オプションを使用すると、各パーセルの面積を表示できます。

パーセルを相互に比較するには、適合性の合計を面積で正規化します。 [面積によって正規化された合計 (平均値)] 統計を使用すると、パーセルごとに適合性の平均を計算できます。 平均が高いパーセルは、平均して、高い適合性の値を含むパーセルを示します。

面積だけでなく、価値も主要な制約になることがあります。 たとえば、予算がある状況で、どのパーセルに最もコストがかかるかを確認したい場合は、[ゾーン値] オプションを使用します。

パーセルの価値と面積を含む全体的な適合性を調整するには、[適合性単位あたりの価値] 統計を使用します。 最適なパーセルを特定するための制約に、必要な最小面積、最大予算額、特定品質など、いくつかの要因が含まれている場合は、[ゾーン内の適合性を調査] パネルで [面積、価値、平均閾値] 統計を使用します。 この統計は、指定された 3 つの閾値を満たしている候補のパーセルを特定します。

太陽光発電所の建設にかかるコストが懸念事項の場合は、検討中のパーセル内に、変換や加重によって隠されている急な傾斜が存在するかどうかを把握することができます。 これには、右側のパネルまたは [ゾーン内の条件を調査] パネルを使用します。 傾斜の基準条件を選択して、[最高値] 統計を適用します。 上記の [面積、価値、平均閾値] 統計を使用して、急な傾斜が存在するパーセルと候補のパーセルを比較します。

対象にとって最も重要であると考えられる特定の条件を調査することができます。 たとえば、各パーセル内の加重変換値の範囲はどれくらいですか? 最高値と最低値はどれくらいですか? 条件がパーセルに寄与している加重変換値の合計はどれくらいですか? 右側のパネルを使用して条件を調査すると、その条件が対象にとって最も重要となる場所を特定できます。

検証タブ

[検証] タブは、モデルの適合度を判断するのに使用できる対象のフィールド観測データが存在する場合に使用します。

次のセクションでは、このタブで制約に対処する場合に実行できる操作を示しています。

標準統計

上記の [条件] タブのセクションに記載されているように、適合性の値を生成する加重変換条件値の構成を調査するための標準統計がいくつか存在します。 [条件] タブでセルの場所の加重変換条件値の構成を調査する代わりに、[検証] タブで標準統計を使用して、各観測データ内で加重変換値の構成を抽出します。 各ポイントまたはポリゴンの観測データに最も高い適合性を寄与している条件を把握することができます。

標準統計は、左側のパネルまたは [観測内の適合性を調査] パネルで観測データの解析に使用することができます。 これらは、[範囲][標準偏差][最高値][最低値][影響力が最も大きい条件][影響力が最も小さい条件] です。

固有の統計

[検証] タブとは別に、固有の統計もいくつか存在します。

ポイントの観測データ (クマの適合性モデルなど) で、クマが生息している既知の場所が適合性の最も高いエリアにあるかどうかを確認するとします。 これを確認するには、[観測内の適合性を調査] パネルで [適合性の値] 統計を使用します。 マップ内の観測ポイントの色は、その場所の適合性の値に対応しています。 緑色のポイントは、適合性が高いと予測された場所に相当する観測ポイントを示します。 これは、モデルが正しく予測していることを意味します。 赤色のポイントは、適合性が低いと予測された場所に観測ポイントがあることを示します。 これは、モデルに誤りがある可能性のある場所を意味します。 ただし、クマがこれらのエリアを通過しなければならない理由が存在する可能性があります。 クマはおそらくこれまでの生息地を離れて、新しい生息地に向かって移動しています。

ポイントの観測で、一連のランダム ポイントが取得された場合に、観測されたポイントとランダム ポイントの平均を比較する方法を知りたいと思うことがあります。 [ランダム ポイント] 統計では、ランダム ポイントの平均よりも観測ポイントの平均の方が高くなるはずです。 このようにならない場合は、モデルが正しく予測していない可能性があります。

クマのモデルにクマの観測データがあり、その観測データが異なる 3 匹のクマから取得されている場合は、それぞれのクマで適合性の平均が違いがあるかどうかを確認することができます。 [観測内の適合性を調査] パネルで [観測を定義するフィールド] をクマのカテゴリに設定します。 [カテゴリ比較] 統計では、平均が高い特定のクマがモデルにとって適切な選択であるかどうかを判断することができます。

[影響力が最も大きい条件] を使用すると、観測データごとに最も重要な条件を確認できます。 これは、クマが何に反応しているかを理解する上での手掛かりになることがあります。

[観測内の適合性を調査] パネルで [範囲] または [標準偏差] を使用して、加重変換条件値の異なる場所をクマが選択するかどうかを確認できます。 これは、モデルの予測が外れている可能性があることを示します。 クマは適合性の高いエリアに留まることが予想されます。 ただし、これ以外に影響を与えている状況が存在することも考えられます。 たとえば、クマは適合性の高いエリアに到達するために、適合性の低いエリアに進入しなければならない場合があります。

右側のパネルまたは [観測内の条件を調査] パネルで特定の条件に基づいて観測データを解析できます。 最も影響力のある条件を選択し、クマが土地を移動する際に、その条件がクマにどのような影響を与えるかを解析することができます。

場所検索パネル

[場所検索] タブを使用すると、適合性モデルから取得された最終的な地域の適合度を確認できます。

次のセクションでは、このタブで制約に対処する場合に実行できる操作を示しています。

標準統計

上記の [条件] タブのセクションに記載されているように、適合性の値を生成する加重変換条件値の構成を調査するための標準統計がいくつか存在します。 [条件] タブでセルの場所の加重変換条件値の構成を調査する代わりに、[場所検索] パネルで標準統計を使用して、特定された各地域内で加重変換値の構成を抽出します。

標準統計は、左側のパネルまたは [地域内の適合性を調査] パネルで地域の解析に使用することができます。 これらは、[範囲][標準偏差][最高値][最低値][影響力が最も大きい条件][影響力が最も小さい条件] です。

固有の統計

[場所検索] パネルとは別に、固有の統計もいくつか存在します。

[評価] タブでプロットを使用して、地域ごとに適合性の値の分布を調査することができます。 各ラインの間隔が狭いほど、その地域でばらつきは少なくなります。 これは、その地域の優先度が同じであり、その地域に大きい値が含まれていることを示します。 これは通常、最も優先度の高いシナリオです。

地域ごとに、[評価] タブの [地域別の統計] テーブルで特定された [個数] 統計を使用して、その地域内のセルの数を確認することができます。 また、各地域内で適合性の値、つまり [合計][平均][中央値][最高]、および [最低] の統計を確認することもできます。

さらに、結果として生成された地域で、[CoreArea][CoreSum]、および [Edge] の統計情報も確認できます。 これらの値は、[評価] タブの [地域別の統計] テーブルにも記録されています。 対象のニーズに応じて、最も優先度が高くなる地域を解析できます。 たとえば、クマなどの野生動物が対象の場合は、安全確保のために、[CoreArea] または [CoreSum] が最も大きい地域が優先されることがあります。

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