Microsoft Excel ファイルを操作するためのドライバーをインストール

Microsoft Excel テーブルは、ArcGIS Pro で直接開き、他の表形式のデータ ソースと同じ方法で操作することができます。 たとえば、Excel ファイルをマップに追加したり、フィールド ビューで表示したり、ジオプロセシング ツールへの入力データとして使用したりすることができます。 詳細については、「ArcGIS Pro での Microsoft Excel ファイルの操作」をご参照ください。

ArcGIS ProExcel テーブルを操作する場合は、Microsoft ExcelMicrosoft Office がインストールされている必要はありません。

LibXL ライブラリ 

ArcGIS Pro 3.5 では、ソフトウェアに LibXL ライブラリを組み込むことにより、Excel を開くプロセスが改善されています。 この統合により、ユーザーは、追加のドライバーも複雑な設定手順もなしで、.xls ファイルと .xlsx ファイルの両方を開き、読み取ることができます。

Microsoft Access のドライバーをすでにインストールしていて、ArcGIS Pro から Excel ファイルにアクセスできる場合は、引き続きこれを使用できます。 この構成は、Excel ファイルを操作するためのワークフローとして引き続き推奨されています。 ArcGIS Pro 3.5 から Excel ファイルへのアクセスを試みる場合は、まず、以下のとおり Microsoft Access のドライバーが存在するかを確認します。

  • Microsoft Access のドライバーが見つかった場合は、ArcGIS Pro 3.5 がこれを使用して (32 ビット ドライバーより 64 ビット ドライバーを優先して) Excel ファイルにアクセスしようと試みます。 成功した場合、それ以降の操作は必要ありません。
  • Microsoft Access のドライバーが見つからない場合は、ArcGIS Pro 3.5 が自動的に LibXL ライブラリを使用して、ユーザーが追加のドライバーをインストールせずに Excel ファイルにアクセスできるようにします。
  • Microsoft Access のドライバーが検出されたものの、ArcGIS Pro 3.5Excel ファイルにアクセスできない場合、または同ソフトウェアが以前インストールされたドライバーの不完全な残留データを検出した場合は、エラーメッセージが表示されます。

    ArcGIS Pro 3.5 が Microsoft Excel に接続する方法

    • このシナリオでは、Microsoft Access のドライバー (Excel ファイルに接続するために ArcGIS Pro 専用にインストールしたものも含め) の使用を停止することを決め、使用しているコンピューターにインストールしている他のサードパーティ アプリケーションにもこのドライバーが必要ないことを確認した場合、ドライバーをアンインストールできます。 ArcGIS Pro 3.5 はその後、Excel ファイルにアクセスするために LibXL ライブラリを使用しますが、追加の操作は必要ありません。
    • Microsoft Access のドライバーを引き続き使用する必要がある場合は、コンピューター上の既存のすべてのドライバーをアンインストールして、Microsoft Access のデータベース エンジン 2016 再頒布可能ドライバーまたは Microsoft 365 Access Runtime のドライバーを再インストールします。 その後、再度 ArcGIS Pro 3.5 から Excel ファイルへの接続を試みます。 成功した場合は、これ以上の手順は必要ありません。 Excel ファイルへの接続を試みている間に問題が発生し続ける場合は、Esri テクニカル サポートにご連絡いただき、別の解決策についてお問い合わせください。

LibXL ライブラリは、正確で信頼性の高いデータ報告を行い、Microsoft Access の代わりに利用できます。 ただし、LibXLMicrosoft Access は同じものではない点に注意することが重要です。 以下は、Excel ファイルに接続するために ArcGIS Pro 3.5LibXL を使用するときの Microsoft Access との違いです。

  • LibXL ライブラリは、double、text、および date のデータ タイプをサポートしています。 以前、Microsoft は、これらのデータ タイプがどのように解釈されるかだけを定めていました。 LibXL では、この解釈が、各フィールドの書式と値に応じてなされるようになりました。 取り得るカスタム書式が広範囲にわたるため、あまり一般的ではない一部の書式については解釈に違いが出ることもあります。
  • Excel ワークシートが空の場合、報告される行数は、以前は 1 でしたが 0 となります。
  • 全体が空のセルの列は、フィールドには数えられません。
  • 空の表は、少なくとも 1 つの行を報告せず、全体が空の行で構成される場合は、破棄されます。

Microsoft ドライバー

Microsoft Access データベース エンジンのドライバーのインストールと使用は、引き続き完全サポート対象のオプションであり、32 ビットのサイドバイサイド インストールを可能とする唯一のソリューションです。 つまり、32 ビット Microsoft Access データベース エンジンを使用する同じコンピューターで ArcMapArcGIS Pro を実行でき、ArcGIS Pro は、この 32 ビット ドラーバー バージョンで動作します。

ArcGIS ProExcel ファイルにアクセスして操作する場合のただ 1 つの要件は、適切なドライバーをダウンロードし、ArcGIS Pro がインストールされているコンピューターに正しくインストールすることです。

ArcGIS Pro がインストールされているクライアント コンピューターに Microsoft Office 製品がインストールされているかどうかを含め、コンピューターの構成により、どのドライバーをインストールすることでユーザーが ArcGIS Pro から Excel ファイルにアクセスできるようになるかが決まります。 構成によっては、ArcGIS Pro から Excel ファイルにアクセスするためには、追加のドライバーを正しくインストールするサイレント インストールも実行する必要があります。 適切なドライバーが正しくインストールされていない場合に ArcGIS ProExcel ファイルにアクセスしようとすると、[必要な Microsoft ドライバーがインストールされていません。] というエラーが表示されます。

インストールする適切なドライバーを特定するには、ArcGIS Pro がインストールされているクライアント コンピューターの構成に関する次の質問を確認し、これらの質問に答えます。 これらの質問に答えることで、ArcGIS Pro 3.4Excel ファイルにアクセスして使用するために、1 つ以上のドライバーをインストールする必要があるかどうかと、これらのドライバーのサイレント インストールが必要かどうかを容易に判断できるようになります。

注意:

ArcGIS Pro 3.4 をインストールする前に Microsoft .NET Desktop Runtime 8.0.2 Windows x64 をインストールしておく必要があります。

  • 質問 1 - ArcGIS Pro がインストールされているものと同じクライアント コンピューターに Microsoft Office 製品が現在インストールされていますか?
  • 質問 2 - クライアント コンピューターに Microsoft Office 製品をインストールする際にクイック実行 (CTR) 技術または Microsoft インストーラー (MSI) のどちらを使用しましたか?
    ヒント:

    インストーラー タイプが MSI かクイック実行かを判断するには、以下の手順をご参照ください。

    以下の手順は WordExcel などの Microsoft Office アプリケーションに関するものです。

    手順: Word を使用して、[ファイル] を選択してから、[アカウント] を選択します。 [製品情報] セクション内の [Word のバージョン情報] で、ビルド番号の後ろに「クイック実行」と表示されている場合と何も表示されていない場合があります。 ビルド番号の後ろに何も表示されていない場合は MSI インストールです。「クイック実行」と表示されている場合はクイック実行インストーラー タイプが使用されています。

    Word のバージョン情報に Microsoft Office 製品のインストーラー タイプが示されています

  • 質問 3 - クライアント コンピューターにインストールされている Microsoft Office 製品は 32 ビット版または 64 ビット版のどちらですか?
    ヒント:

    インストールのビット レベルを確認するには、以下の手順をご参照ください。

    以下の手順は WordExcel などの Microsoft Office アプリケーションに関するものです。

    手順: [Word のバージョン情報] ボタン Word のバージョン情報をクリックします。

    [Office 365 の Word のバージョン情報] ウィンドウが開きます。 先頭行にバージョン番号とビルド番号が表示され、末尾に 32 ビット版か 64 ビット版かが示されています。
    Microsoft Word のバージョン情報のウィンドウに、インストールされている Microsoft 製品のビット版が示されています

ドライバー インストールの決定木

答えに応じて、次の決定木をガイドとして使用して、1 つ以上の Microsoft ドライバーをインストールする必要があるかと、指定された追加のドライバーのサイレント インストールが必要かどうかを判断します。

ArcGIS Pro から Excel ファイルにアクセスするための Microsoft ドライバー インストールの決定木ガイド
クライアント コンピューターや Microsoft Office の構成によっては、ArcGIS Pro から Excel ファイルにアクセスするために追加のドライバーをインストールする必要がないことがあります。 構成によっては、ArcGIS Pro から Excel ファイルにアクセスするために、追加の特定のドライバーのサイレント インストールが必要となります。 高解像度の決定木ガイドを表示
ヒント:

これらの質問に答え、ArcGIS ProExcel ファイルにアクセスして使用する手順を実行するための詳細やガイダンスがさらに必要な場合は、「ArcGIS ProExcel ファイルに接続する方法のガイド」ブログ記事をご参照ください。

Microsoft ドライバーのダウンロード

必要に応じて、主に次の 2 つのドライバーをインストールできます。

サイレント モード インストールの実行

Microsoft のポリシーでは、インストールされている Microsoft Office 製品と同じビット版のドライバーしかインストールすることができません。 ダウンロードした AccessDatabaseEngine_X64.exe ファイルを、Microsoft の 32 ビット アプリケーションがすでにインストールされているコンピューターにインストールしようとすると、32 ビット版の Microsoft Office 製品が現在インストールされているため、64 ビット版のデータベース エンジンをインストールできないという内容のエラー メッセージが表示されます。 Microsoft 64 ビット アプリケーションがインストールされているコンピューターに AccessDatabaseEngine.exe ファイルをインストールしようとした場合にも、同様のエラー メッセージが表示されます。

これを回避するには、次の手順に従って、ダウンロードしたファイルのサイレント モード インストールを実行します。

注意:

サイレント インストールを実行する前に、ArcGIS Pro アプリケーションが終了していることを確認します。

  1. ダウンロードしたファイルをコンピューターの C: ドライブに保存します。
  2. タスクバーの Windows 検索ボックスを使用して、「コマンド プロンプト」と入力します。
  3. [コマンド プロンプト] アプリケーションを右クリックして、[管理者として実行] をクリックします。

    コマンド プロンプトでデフォルト ディレクトリが開きます。

  4. cd C:\」と入力し、ダウンロードしたファイルを保存したドライブにディレクトリを変更します。
  5. .exe ファイルをサイレント インストールとして実行する例については、以下をご参照ください。
    • Microsoft Access データベース エンジン 2016 再頒布可能ドライバーのサイレント インストールを実行するには、コマンド プロンプトで、Microsoft ダウンロード センターからダウンロードしたファイルに応じて、「AccessDatabaseEngine_X64.exe /quiet」または「AccessDatabaseEngine.exe /quiet」と入力します。

    • Microsoft 365 Access Runtime ドライバーのサイレント インストールを実行するには、コマンド プロンプトで、「OfficeSetup.exe /quiet」と入力します。 Microsoft Web サイトで Microsoft 365 Access Runtime をダウンロードしてインストールするをご参照ください。
  6. インストール後は、コンピューターを再起動することをおすすめします。

    注意:
    ドライバーがインストールされているかどうかを確認するには、Windows タスクバーの検索ボックスに「設定」と入力します。 [アプリと機能] ウィンドウで、インストールしたドライバーに応じて、「Microsoft Access Runtime 365」または「Microsoft Access Database Engine 2016」を探します。 見つからない場合や上記のインストール情報に何らかの問題がある場合は、ArcGIS ProExcel ファイルに接続するためのガイドでさらに詳しいインストール手順を確認するか、Esri テクニカル サポートにお問い合わせください。