ArcGIS の要求に応じたピラミッドの構築と統計情報の計算

ピラミッドまたは統計情報を含んでいないラスター データセットを ArcGIS アプリケーション ArcGIS Pro に追加すると、ピラミッドを構築するようにプロンプトが表示されます。

ピラミッドの構築

ピラミッドとは、さまざまな縮尺でデータを見たときの低解像度のオーバービューです。 ピラミッドは、フル解像度以下で表示されるラスター データセットの描画速度を向上するので便利です。 大規模なラスター データセットには、常にピラミッドを構築することをお勧めします。

注意:

X および Y ディメンションの両方が 1024 ピクセルよりも小さいラスター データセットでは、ピラミッドが自動的に生成されませんが、ピラミッド レベルを手動で指定して、この動作をオーバーライドすることができます。

ピラミッド構築ダイアログ ボックスのオプション

オプション説明

はい

ラスター データセットのピラミッドを構築するには、[はい] をクリックします。 ピラミッドが構築されるので、このダイアログ ボックスは、このラスター データセットに対しては再表示されません。

いいえ

ラスター データセットのピラミッドを構築しない場合は、[いいえ] をクリックします。 このオプションをクリックすると、ラスターは短時間で表示されません。また、このデータセットがアプリケーションに再度追加されると、このダイアログ ボックスも再表示されます。

キャンセル

誤ったラスター データセットを表示するよう指定した場合、または別の方法でピラミッドを構築する場合は、[キャンセル] をクリックします。 このオプションをクリックすると、ラスター データセットがディスプレイに追加されず、ピラミッドが構築されません。

常にこの選択を使用

このダイアログ ボックスを再表示せず、毎回同じ選択を使用する場合に、このチェックボックスをオンにします。

[オプション] > [画像とラスター] > [ラスター データセット] タブで別のオプションを選択できます。

リサンプリング方法

ピラミッドの構築時にデータをどのようにリサンプルするかを定義します。

  • [最近隣内挿法] - 土地利用などの不連続データや疑似カラー画像などのカラーマップ付きのラスター データセットに使用します。
  • [共一次内挿法] - 衛星画像や航空写真などの連続データに使用します。
  • [三次たたみ込み内挿法] - 衛星画像や航空写真などの連続データに使用します。 これは共一次内挿法とほぼ同じですが、データのリサンプリングにはより大型のマトリックスが使用されるので、外観がより滑らかになります。

圧縮方法

ピラミッドを圧縮する際に使用する方法を定義します。

  • デフォルト - ラスター データセット形式に通常使用される圧縮。
  • [LZ77] - 可逆圧縮が使用されます。 ラスターのセルの値は変更されません。
  • [JPEG] - 非可逆圧縮が使用されます。
  • [JPEG_YCbCr] - 輝度 (Y) および彩度 (Cb と Cr) の色空間コンポーネントを使用する非可逆圧縮方式が使用されます。
  • [なし] - データ圧縮を使用しません。

圧縮品質

JPEG または JPEG_YCbCr 圧縮方式を使用する場合は、圧縮品質を指定します。 有効な値は 1 ~ 100 の範囲で、数値が大きければ画質は向上しますが、圧縮率は低下します。

ピラミッドを構築する場合、これはアプリケーションのデフォルト設定に基づいて、すべてのバンドを含むラスター データセット全体に対して作成されます。 ピラミッド作成およびこのダイアログの表示に関するデフォルト設定を変更するには、「ピラミッドの構築と統計情報の計算のためのデフォルト設定の変更」をご参照ください。 必要に応じ、[ピラミッド構築 (Build Pyramids)] を使用して環境設定を変更します。

モザイク データセット内のラスター データセットごとにピラミッドを構築できます。モザイク データセットの概観図を作成することはできますが、これは [モザイク データセット] ツールセット内の特定のツールを使用した場合に限られます。

統計の計算

コントラスト ストレッチの適用やデータの分類など、ラスター データセットで特定のタスクを実行するには、統計情報が必要です。 統計情報の計算により表示が向上します。

統計情報の計算 ダイアログ ボックスのオプション

オプション説明

はい

ラスター データセットの統計情報を計算するには、[はい] をクリックします。 統計情報が計算されるので、このダイアログ ボックスは、このラスター データセットに対しては再表示されません。

いいえ

ラスター データセットの統計情報を計算しない場合は、[いいえ] をクリックします。 このオプションをクリックすると、ラスターは適切に表示されません。また、このデータセットがアプリケーションに再度追加されると、このダイアログ ボックスも再表示されます。

キャンセル

誤ったラスター データセットを表示するよう指定した場合、または別の方法で統計情報を計算する場合は、[キャンセル] をクリックします。 このオプションをクリックすると、ラスター データセットがディスプレイに追加されず、統計情報が計算されません。

常にこの選択を使用

このダイアログ ボックスを再表示せず、毎回同じ選択を使用する場合に、このチェックボックスをオンにします。

[オプション] > [画像とラスター] > [ラスター データセット] タブで別のオプションを選択できます。

X スキップ ファクター

サンプル間の水平方向のピクセル数を指定します。

統計情報の計算に使用されるラスター部分は、スキップ ファクターによって制御されます。 水平方向または垂直方向のスキップ ファクターは、入力値で示されます。値が 1 のときは各ピクセルを使用し、値が 2 のときはピクセルを 1 つおきに使用します。 スキップ ファクターの範囲は、1 からラスター内の列数または行数までに限定されます。

この値は、ゼロより大きく、ラスター内のカラム数以下でなければなりません。 デフォルトは 1、または最後に使用した x のスキップ ファクターです。

Y スキップ ファクター

サンプル間の垂直方向のピクセル数を指定します。

統計情報の計算に使用されるラスター部分は、スキップ ファクターによって制御されます。 水平方向または垂直方向のスキップ ファクターは、入力値で示されます。値が 1 のときは各ピクセルを使用し、値が 2 のときはピクセルを 1 つおきに使用します。 スキップ ファクターの範囲は、1 からラスター内の列数または行数までに限定されます。

この値は、ゼロより大きく、ラスターのロウ数以下でなければなりません。 デフォルトは 1、または最後に使用した Y スキップ ファクターです。

ピラミッドの構築と統計情報の計算

ラスター データセットにピラミッドも統計情報も存在しない場合は、ピラミッドの構築と統計情報の計算のオプションが一緒に表示されます。 いずれか一方でも両方でも行えます。

ピラミッドの構築と統計情報の計算ダイアログ ボックスのオプション

オプション説明

ビルド

ラスター データセットにピラミッドを構築する場合は、このチェックボックスをオンにします。

計算

ラスター データセットのピラミッドを計算する場合は、このチェックボックスをオンにします。

OK

ラスター データセットのピラミッドを構築し、統計情報を計算するには、[OK] をクリックします。 これは、ピラミッドの構築と統計情報の計算のチェックボックスがオンになっているかどうかに基づいて機能します。

ピラミッドが構築され、統計情報が計算されるので、このダイアログ ボックスは、このラスター データセットに対しては再表示されません。

キャンセル

誤ったラスター データセットを表示するよう指定した場合、または別の方法でピラミッドを構築して統計情報を計算する場合は、[キャンセル] をクリックします。 このオプションをクリックすると、ラスター データセットがディスプレイに追加されず、ピラミッドが構築されず、統計情報が計算されません。

上記のピラミッド構築のための [リサンプリング方法][圧縮方法][圧縮品質] の各オプションおよび統計情報計算のための [X スキップ ファクター] オプションと [Y スキップ ファクター] オプションが下記のオプションとともにこのダイアログ ボックスに表示されます。

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