多次元ラスター データの操作

多次元ラスター データは、ArcGIS Pro で視覚化、探索、解析することができます。

多次元ラスター レイヤーの構成と読み込み

多次元モザイク データセット、.crf ファイル、Zarr ファイル内の変数、イメージ サービスを ArcGIS Pro にレイヤーとして直接追加し、多次元解析ワークフローで視覚化し、処理することができます。 [多次元ラスター レイヤーの追加] ダイアログ ボックスを使用して、NetCDF、GRIB、HDF、Zarr ファイルやイメージ サービスから 1 つまたは複数の変数を追加することができます。 新しいラスター レイヤーには、変数からの多次元情報が含まれ、この情報を視覚化、解析、共有できます。

[多次元ラスター レイヤーの追加] ダイアログ ボックスには、マップ ビューで多次元ラスター データを構成する方法を制御する複数の処理テンプレートが用意されています。

出力構成説明

多次元ラスター

選択した変数は、変数ごとに 1 つずつ、個別の多次元ラスター レイヤーとしてマップ ビューに追加されます。 これがデフォルトです。

多次元多変量ラスター

選択したすべての変数が、単一の多次元ラスター レイヤーとしてマップ ビューに追加されます。

ベクトル場 (U-V)

U および V 変数は、[ベクトル U] 値 (帯状速度または緯線に沿った速度) および [ベクトル V] 値 (子午線速度または経線に沿った速度) を示す、矢印付きの U-V ラスター レイヤーとして表示されます。 値ごとに変数を指定する必要があります。

ベクトル場 (強度-方向)

強度および方向は、強度-方向ラスター レイヤーとして表示されます。ここで、矢印のサイズは [ベクトル - 強度] 値を反映し、矢印の角度は [ベクトル - 方向] 値を表しています。 [角度参照系] 値に加えて、各値の変数を指定する必要があります。

マルチバンド ラスター

選択したすべての変数は 1 つのマルチバンド ラスター レイヤーで構成され、各バンドが 1 つの変数を表します。

注意:

NetCDF Climate and Forecast (CF) メタデータ標準に準拠した .nc ファイルのみがサポートされます。

データが不規則なグリッドに格納されていて、[多次元ラスター]または[多次元多変量ラスター]構成オプションを使用している場合、[多次元ラスター レイヤーの追加] ダイアログ ボックスの [不規則なデータの内挿] 設定を使用して、データを規則正しいグリッドに内挿できます。

大量の多次元データセットを管理する必要がある場合、変数をモザイク データセットに追加することをお勧めします。 詳細については、「モザイク データセット内の多次元データ」をご参照ください。

多次元ラスター データをマップ ビューに追加する手順の概要を以下に示します。 これらの手順で使用する netCDF、GRIB または HDF 形式の科学データセットがあることを想定しています。

  1. [マップ] タブの [レイヤー] グループで、[データの追加] ドロップダウン メニューをクリックし、[多次元ラスター レイヤー] を選択します。

    これにより、[多次元ラスター レイヤーの追加] ダイアログ ボックスが表示されます。

  2. このダイアログ ボックスで、[変数のインポート] ドロップダウン メニュー データ ソースの変更 をクリックして、ファイル、多次元ラスター、多次元モザイク データセット、またはイメージ サービスから変数をインポートします。 [ファイルから変数をインポート] オプションを選択します。

    [netCDF、GRIB、または HDF ファイルから変数をインポート] ダイアログ ボックスが表示されます。

  3. GRIB、netCDF、または HDF ファイルを参照します。 または、他のインポート オプションのいずれかを選択して、多次元ラスター、モザイク データセット、またはイメージ サービスを参照します。
  4. [開く] をクリックして、選択したファイルまたはデータセットから変数をインポートします。
  5. [多次元ラスター レイヤーの追加] ダイアログ ボックスの [変数の選択] テーブルで、1 つまたは複数の変数を選択します。

    [多次元ラスター レイヤーの追加] ダイアログ ボックス

  6. [出力構成] オプションを選択し、必要に応じて内挿方法を選択して、[OK] をクリックします。

Cloud Raster Format ファイルの作成

Esri の CRF (クラウド ラスター形式) は、多次元ラスター データをサポートし、特に時系列プロファイルなどの次元解析を実行する場合に、大規模多次元データセットの主たるデータ管理構造になります。 .crf ファイルを生成するには、2 つの方法があります。

多次元データが netCDF、HDF、または GRIB 形式で保存されている場合は、[多次元ラスター レイヤーの追加] ダイアログ ボックスを使用して、そのファイルを多次元ラスター レイヤーとして追加します。 レイヤーを .crf ファイルに変換するには、[ラスターのコピー (Copy Raster)] ツールを使用して、出力形式を CRF に設定し、[データを多次元として処理] のチェックボックスをオンにします。 必要に応じて、多次元転置を構築できます。

時間をかけて収集された一連の画像またはラスター (および深度または高さ) が存在する場合は、最初にモザイク データセットを作成し、[モザイク データセットにラスターを追加 (Add Rasters To Mosaic Dataset)] ツールを使用して、画像またはラスターの時系列をモザイク データセットに追加する必要があります。 次に、[多次元情報の構築 (Build Multidimensional Info)] ツールを使用して、モザイク データセットの変数と次元情報を生成します。 最後に、[ラスターのコピー (Copy Raster)] ツールを使用して、出力形式を CRF に設定し、[データを多次元として処理] のチェックボックスをオンし、必要に応じて転置を構築します。

詳細については、「多次元ラスター データの管理」をご参照ください。

新しい変数の解析と計算

多次元解析ツールセットには、傾向分析や変化の検出など、多次元ラスター データを解析するためのツールが用意されています。 多次元ツールセットには、変数またはディメンションのマージや集約など、多次元ラスター データを管理するためのツールが用意されています。

多次元ラスター レイヤーは、ラスター関数を使用してリアルタイムに処理および解析できます。 たとえば、ゾーン統計関数を使用すると、別のデータセットのゾーン内にある値に基づいて、多次元ラスター レイヤーの統計情報を計算できます。 それぞれのラスター関数の概要については、「ラスター関数のリスト」をご参照ください。 さらに、複数のラスター関数を連結して、カスタムのラスター関数テンプレートを作成し、複雑な科学方程式を計算することができます。 ArcGIS Pro は、Portal for ArcGIS でのラスター解析を使用して、画像データや科学データを分散処理する機能を提供します。 分散処理機能を使用するには、ラスター解析を実行するようにポータルを構成する必要があります。

多次元ラスター レイヤーの Web サービスとしての公開

ArcGIS Pro から多次元ラスター レイヤーを公開できます。 公開する前に、使用するデータ ソース管理構造、公開するサービスの数、サービスに対して実行する操作の種類を検討します。 多次元ラスター データをイメージ サービスとして共有する方法については、「多次元ラスター データの共有」をご参照ください。

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