ArcGIS IPS の基本操作

IPS エクステンションのライセンスが付与された ArcGIS 組織で利用できます。

ArcGIS IPS は、さまざまな屋内位置情報の用途でジオロケーションを提供する屋内測位システムです。 ArcGIS IPS では、屋内マップ上に現在位置を表示することで屋内での自分の位置を特定できます。 また、施設内の人、場所、資産にリアルタイムでナビゲートすることができます。 屋内測位システムを ArcGIS プラットフォームに統合すると、ユーザーは十分な情報に基づく意思決定により運用効率を向上させることができます。

屋内測位を有効にするには、施設を調査して [屋内測位ファイルの生成 (Generate Indoor Positioning File)] ツールを使用するか、[調査なしで屋内測位ファイルを生成 (Generate Indoor Positioning File Without Survey)] ツールを使用する必要があります。 サーベイ記録を計画および実施するには、Android または iOS 向けの ArcGIS IPS Setup モバイル アプリを使用します。

必要なソフトウェア

ArcGIS IPS を使用するには、次のいずれかが必要です。

  • ArcGIS Enterprise 10.9.1 以降 (ポータル接続の場合)
  • Kubernetes 上の ArcGIS Enterprise 11.2
  • ArcGIS Online 組織

ArcGIS IPS のライセンス付与

屋内測位ツールを使用し、ArcGIS IPS Setup アプリでレコーディングを実施するには、組織に ArcGIS IPS 組織の機能のライセンスが付与される必要があります。 また、組織のメンバーに ArcGIS IPS ユーザー タイプ エクステンションのライセンスを割り当てる必要があります。

ユーザーに ArcGIS IPS ユーザー タイプ エクステンションを割り当てるには、次の手順を実行します。

  1. ArcGIS Online 組織Enterprise ポータルArcGIS IPS 組織の機能を追加します。
  2. IPS Setup アプリへのアクセス権が必要なユーザーには ArcGIS IPS ユーザー タイプ エクステンションと、EditorCreator、または GIS Professional ユーザー タイプを割り当てます。
  3. Indoor Positioning ツールへのアクセス権のみが必要なユーザーには、ArcGIS IPS ユーザー タイプ エクステンションと、Creator または GIS Professional ユーザー タイプを割り当てます。

Indoor Positioning ツールへのアクセス

ライセンスが付与されたユーザーは、次の手順を実行し、ArcGIS Pro で使用する Indoor Positioning ツールをライセンス認証する必要があります。

  1. ArcGIS Pro を起動します。
  2. ArcGIS IPS 組織の機能を持つ ArcGIS 組織に接続を追加します。
  3. ArcGIS IPS ユーザー タイプ エクステンションが割り当てられたユーザーとしてサイン インします。
  4. アクティブなポータルに接続します。

ArcGIS IPS Information Model の作成

[屋内測位の有効化 (Enable Indoor Positioning)] ツールを使用して、ArcGIS IPS Core Model を既存のワークスペース内に作成できます。 モデルには、施設のサーベイと、ArcGIS IPS に対応したアプリで使用する測位ファイルの生成に必要なテーブルおよびフィーチャクラスが含まれています。

[IPS Quality データセットの作成 (Create IPS Quality Dataset)] ツールを使用し、品質評価の結果を格納するために必要なフィーチャクラスを含む ArcGIS IPS 品質データセットを作成します。

ArcGIS IPS Core Model と ArcGIS IPS 品質データセットの作成に関する詳細

フロア プラン データの作成

調査プロセス中に自分の位置を正確に特定するには、ArcGIS Indoors Information Model に準拠したフロア プラン データを使用するか、必要なフィーチャクラスとフロア プラン データを作成する必要があります。

フロア プランの作成の詳細

遷移の作成

ArcGIS IPS の遷移は ArcGIS Indoors の遷移と性質が異なり、IPS では施設の入口と出口の定義に使用されます。 この情報は、Global Navigation Satellite System (GLONASS) から ArcGIS IPS への円滑な遷移を実現するために、測位フェーズ中に ArcGIS IPS で使用されます。 遷移を有効にするには、Indoors モデルを使用するか、フィーチャクラスを作成してフロア プラン データに遷移を追加する必要があります。 遷移を作成するための主な手順を次に示します。

  1. Indoors ジオプロセシング ツールで作成された Transitions フィーチャクラスを構成するか、遷移のフィーチャクラスを作成します。
  2. フロア プラン データに遷移を追加します。

経路の作成

経路は事前に定義されたルート検索ネットワークを表し、ユーザーの位置インジケーターを Pathways ライン フィーチャにスナップするために ArcGIS IPS で使用されます。 経路スナップを有効にするには、Indoors モデルに準拠した経路フィーチャを使用するか、Pathways フィーチャクラスを作成し、Pathways フィーチャをフロア プラン データに追加します。 経路を作成するための主な手順を次に示します。

  1. Indoors ジオプロセシング ツールで作成された Pathways フィーチャクラスを構成するか、Pathways のフィーチャクラスを作成します。
  2. フロア プラン データに経路を追加します。

サーベイ パスの作成

サーベイ パスは、IPS Setup アプリを使用してサーベイを記録することが計画されている定義済みのパスを表す線形フィーチャです。 事前に計画されたサーベイ パスは、記録のアタッチメントがない状態で IPS レコーディング フィーチャとして格納されます。

サーベイ パスは、現場に移動する前に ArcGIS ProIPS Setup アプリ、ArcGIS Field Maps アプリ、または ArcGIS Online 組織の Map Viewer で作成し、生産性と効率性を高めることができます。

壁フィーチャの作成

壁フィーチャとは、屋内測位が配置されている施設内における壁の物理的な範囲を表す、フロア対応のポリゴン フィーチャクラスまたはフィーチャ レイヤーです。

壁フィーチャは、レベルやユニット、フロア プランのスケッチ、または施設の BIM データから生成できます。 壁フィーチャが生成されると、これを入力として使用し、[調査なしで屋内測位ファイルを生成 (Generate Indoor Positioning File Without Survey)] ツールで、サーベイを実施せずに測位ファイルを生成することができます。

ビーコン フィーチャの作成

Beacons フィーチャクラスは ArcGIS IPS Core Model の一部であり、次の用途で使用されます。

  • 配置された Bluetooth ビーコンの位置を特定する。
  • サーベイを実施せずに測位ファイルを生成する。
  • ビーコンのステータスと構成を調査し、監視する。
  • 将来の配置に備え、施設内のビーコンの最適な分布を計画する。
  • 配置の詳細解析の入力として使用する。

これらの操作を行うには、まずArcGIS ProField Maps アプリ、ArcGIS Online 組織の Map Viewer でビーコン フィーチャを作成します。

ArcGIS IPS Setup アプリ

ArcGIS IPS Information Model を作成したら、IPS Setup アプリで使用できるように Web マップを準備して共有することができます。 アプリを使用すると、IPS サーベイを計画して実行し、屋内測位の有効化に必要な環境データを収集できます。 サーベイ データは、Recording フィーチャとして保存し、IPS Setup から、ArcGIS 組織で共有されている Web マップにアップロードすることができます。 その後、サーベイ データを使用し、[屋内測位ファイルの生成 (Generate Infoor Positioning File)] ツールで屋内測位ファイルを生成できます。 また、[調査なしで屋内測位ファイルを生成 (Generate Indoor Positioning File Without Survey)] ツールを使用し、IPS Setup アプリなしで屋内測位ファイルを生成することもできます。 これらのどちらかの方法で生成された測位ファイルは、IPS Setupテスト モードで精度をテストできます。 IPS Setup アプリは、ArcGIS IPS 配置のパフォーマンスを評価するための品質の記録を収集するためにも使用できます。