NITF (National Imagery Transmission Format) は、米国国防総省 (DoD) およびインテリジェンス コミュニティ (IC) が使用する画像プロダクトの転送を簡素化するために作成されました。 この要件を満たすために、NITF は、さまざまなデータ タイプを画像サポート データ (ISD) とともに 1 つのファイルに格納できるように設計されました。
NITF の基本的な目的は次のとおりです。
- 画像と関連データの共有のための手段を多様なシステムに提供する。
- 多様なニーズと機能に対応するために、システムが 1 つのファイルで包括的な情報を交換できるようにする。
- ニーズと機能に対応するデータ アイテムのみを選択できるようにする。
- 画像と関連データの共有機能の実現に必要なコストとスケジュールを最小限に抑える。
これらの目的を満足させるために、Geospatial-Intelligence (GEOINT) Standards Working Group (GWG) の NITFS Technical Board (NTB) focus group の専門家委員会が、相互運用性と品質の確立に不可欠な標準の開発、選定、採用、プロファイリング、ドキュメント化、適用、実装、テストを促進し、これが NITF 標準の制定につながりました。
NITF と関連標準は、最新のシステムで利用可能な非常に幅広い諸機能と歩調を合わせるように進化してきました。 その結果、データ作成者は NITF 標準から必要なものだけを実装できます。 実装のガイダンスを提供するために、いくつかの実装仕様が作成され、NTB による保守も行われ、データ作成者とデータ利用者の相互運用性をさらにサポートしています。 よく利用される NITF 実装仕様の例としては、NITF Commercial Dataset Requirements Document (NCDRD)、Motion Imagery for NITF (MIE4NITF)、Sensor Independent Complex Data (SICD) 仕様があります。
注意:
DoD や IC が支援する人道活動の一環として提供されるデータは、多くが NITF ファイルです。
データ構造
NITF は、基本的なファイル ヘッダーとさまざまなデータ タイプ セグメントで構成されています。 データ エクステンション セグメント (DES) とタグ付きレコード エクステンション (TRE) を使用して、データとプロパティがさらに記述されます。
NITF の詳細
NITF 2.1 ファイル形式の標準のプライマリ参照ドキュメントは MIL-STD-2500C です。 NITF ファイルとして提供される NGA (アメリカ国家地球空間情報局) または DoD の画像プロダクトを利用するときは、MIL-STD-2500C ドキュメントと該当する実装仕様をよく理解しておくことをお勧めします。
米国のパートナー、特に NATO (北大西洋条約機構) 加盟国に関して、NSIF (NATO Secondary Imagery Format) も NITF 標準に準拠しています。 NSIF と MIL-STD-2500C 標準は似ていますが、画像プロダクトの作成に際して、NATO 諸国は独自の実装標準を備えていることに留意することが重要です。
NITF 標準ドキュメントに関する情報をご入用の方は、NCDRD-NCDDD-Custodian@nga.mil までメールでお問い合わせください。