計測値と正確度

計測とは、量の正確なサイズを推定するものとして観測された数値のことです。 すべての計測値は真のサイズの推定値なので、すべての計測値には一定の不確実性があります。

計測値の不確実性をわかりやすく説明するために、複数の人がメジャーを使って水槽の水の容積を計算する例を考えてみましょう。 まず、水槽の長さと幅、そして水の深さを計測する必要があります。 できる限り正確に計測することと、巻尺の計測単位の端数を推定することが求められています。 各人が引き出す水の量はそれぞれの推定に基づいてわずかに異なりますが、ほとんどの計算容積は正確な値に近いものになります。 しかし、いずれかの計測値に誤りがあると、結果が不正になります。

計測値の不確実性は、次の理由によって存在します。

  • 観測者が推定を行っている。
  • 測定装置に欠陥がある
  • 環境によって計測値が左右される。
  • 機器、観測者、環境の状態を常に予測できるわけではない。

計測誤差と計測ミス

計測値の不確実性は計測誤差と呼ばれ、すべての計測値にはある程度の誤差があります。 計測ミスは計測誤差とは異なり、不正確な計測が行われた場合に発生します。 計測ミスは値の計算や推定から除外する必要があります。

パーセル境界を調査する場合には、計測誤差と計測ミスの両方が発生しやすくなります。 パーセル境界の計測を正しい値に近づけるには、次のことを実行する必要があります。

  • 計測ミスを特定して削除する。
  • 最小二乗調整などの計測方法や統計方法を適用して計測誤差を処理し、できる限り正しい値に近づける。

計測の冗長性

計測のランダム誤差は、同じ量の計測を何度も繰り返すこと (2 点間の距離を何度も計測するなど) で検出して減らすことができます。 しかし、巻尺による較正誤差などの定誤差を検出するには、この方法では不十分です。

ランダム誤差と定誤差の両方を検出して最小化するための一般的な方法としては、各ポイントが多数の異なるポイントから計測されるような計測のネットワークを確立することがあります。 異なるポイントの計測値から計算された座標値を比較して、誤差を検出します。 1 つのポイントについて、他の計測から計算された他の座標と大きく異なっている座標セットには誤差があると判断され、外れ値と呼ばれます。

ネットワーク内の計測の冗長性が大きくなるほど、誤差を検出して制御する機会が向上します。

外れ値の計測

ポイント Sp2 からの計測値は、ポイント Sp5 の座標値を計算します。これは、他の計測値と大幅に異なっています。

計測の精度

ラインのディメンションとポイントの座標は、精度と関連付けられた測量計測値から得られます。 したがって、ラインのディメンションと座標も精度と関連付けられます。 通常、調査計測値を取得した日付が新しいほど、その精度が高くなります。

標準偏差

標準偏差とは、同じ目標点を繰り返し計測したときに各値がどれくらい外れているかを示す尺度のことです。 たとえば、測量士は、同じ計器で同じターゲット点を繰り返し測定する場合、各値のばらつき (範囲) をできる限り狭める (標準偏差を可能な限り小さくする) 必要があります。 標準偏差は、計測の精度を示してくれます。

ディメンションの標準偏差

パーセル ファブリックでは、標準偏差はパーセル ラインのディメンションの Direction Accuracy フィールドと Distance Accuracy フィールドで指定します。 一般的に、ディメンションの取得元のレコードが新しいほど、ディメンションの標準偏差は小さく (精度が高く) なります。 最小二乗解析を実行するときに標準偏差が指定されていない場合、方向には 30 秒、距離には 0.15 メートル (0.49 フィート) のデフォルト値が使用されます。

Direction Accuracy フィールドと Distance Accuracy フィールドの標準偏差値は、最小二乗調整のパーセル ラインの加重として機能します。 標準偏差値が小さいほど、精度は高くなり、最小二乗調整における加重も大きくなります。 加重の大きいディメンションほど、最小二乗調整の結果に対する影響も大きくなります。

標準偏差は、一貫性のチェックと加重最小二乗調整の両方を実行するときに、パーセル ラインの加重として機能します。

ポイントの標準偏差

最小二乗調整でポイントを加重コントロール ポイントとして使用する場合、ポイントに対して標準偏差を指定します。 標準偏差は、パーセル ファブリックのポイント フィーチャクラスの XY Accuracy フィールドで指定します。 ポイントに対して標準偏差を指定するのは、そのポイントが最小二乗調整で加重コントロール ポイントとして使用される場合のみです。

標準偏差値が小さいほどポイントの精度が高くなり、調整の加重も大きくなります。 加重の大きいポイントは調整を強く制約するようになり、調整の結果に対する影響も大きくなり、座標に対して受け取る修正も小さくなります。

最小二乗調整のポイントの詳細

アプリオリ精度

Direction AccuracyDistance AccuracyXY Accuracy の各フィールドの標準偏差値はアプリオリ評価であり、パーセル測定ネットワークを解析する際に最小二乗調整エンジンによって使用されます。

統計学における「アプリオリ」という用語は、正確であると認知された外部知識に基づいてひとまとまりの情報を推測することを意味します。 たとえば、測量では、日付の新しいレコードのディメンションの方が、日付の古いレコードのディメンションよりも正確であると推測されます。 これは、旧式の測量装置よりも高度な技術を備えた測量装置の方が精度が高いという知識が受け入れられているためです。

ディメンションに対して標準偏差を指定しない場合は、30 秒の方向、0.15 メートル (0.59 フィート) の距離がデフォルトで使用されます。 ポイントに対して標準偏差を指定しない場合、調整では自由な浮点であると想定されます。


このトピックの内容
  1. 計測の冗長性
  2. 計測の精度