ユーティリティー ネットワークの作成

ユーティリティー ネットワークは複数の方法で作成と構成することができます。 Utility Network Foundations を使用して、定義済みの業界テンプレートに基づいてユーティリティー ネットワークを作成することで、組織の資産管理要件、ビジネス ニーズ、モデリング ニーズを満たすことができます。 移行ツールセットまたは Utility Network 移行ウィザードを使用してジオメトリック ネットワークやその他のフィーチャクラスの既存のデータをシンプルなユーティリティー ネットワークに移行することで、定義済みの業界モデルを使用することなく編集とトレースの基本的なワークフローに対応できます。 あるいは、ArcGIS Pro でコア ツールのセットを使用して、手動でユーティリティー ネットワークを構成できます。

ユーティリティー ネットワークの作成には Utility Network Foundation、移行ツールセット、Utility Network 移行ウィザードが推奨されますが、このトピックでは、ユーティリティー ネットワークを手動で作成する場合の要件、コンポーネント、ツールについて説明します。

手動で作成した場合、ユーティリティー ネットワーク データセットが構造物ネットワーク フィーチャクラスとともに作成されます。 後から 1 つ以上のドメイン ネットワークを構成プロセスの一部として追加します。 ドメイン ネットワークは、複数追加することができますが、その一方で 1 つの構造物ネットワークは、ドメイン ネットワーク間で共有されます。 ユーティリティー ネットワークの作成ツールとドメイン ネットワークの追加ツールを組み合わせて使用すると、 業界固有のニーズに合わせて構成される適切なネットワーク クラスが生成されます。

ユーティリティー ネットワークの手動による構成の詳細

ユーティリティー ネットワークの作成ツール

ユーティリティー ネットワークの作成ツールは、指定したジオデータベース フィーチャ データセットに、ユーティリティー ネットワークを作成することを目的として使用します。 ユーティリティー ネットワークの作成中に、構造物ネットワークも作成されます。 構造物ネットワーク クラスは、他のフィーチャのサポートを提供する構造物フィーチャ、または他のフィーチャが格納されている構造物フィーチャのモデル化に使用されるため、すべてのドメイン ネットワークで共有されます。

要件と前提条件

ユーティリティー ネットワークを作成するための要件と前提条件を次に示します。

  • 入力フィーチャ データセットとして使用する既存のフィーチャ データセット。
  • 供給エリア フィーチャクラスとしての役割を果たすフィーチャを含む、既存の M 対応および Z 対応のポリゴン フィーチャクラス。
    • 供給エリア フィーチャクラスは、入力フィーチャ データセット内に存在する必要があります。 供給エリア フィーチャクラスのフィーチャの範囲は、ユーティリティー ネットワークのネットワーク範囲を定義するために使用されます。
  • エンタープライズ デプロイメントの場合、ArcGIS Pro および ArcGIS Enterprise のバージョンによって、作成されるユーティリティー ネットワークのバージョンが決まります。 詳細については、ユーティリティー ネットワークの互換性をご参照ください。 また、以下の要件も必要です。
    • バージョン 6 以前のユーティリティ ネットワークを作成するには、ジオデータベースのバージョンが、10.8.1.2.6 以降である必要があります。

    • ユーティリティ ネットワーク バージョン 7 以降を作成するには、ジオデータベースのバージョンが、11.2.0.3.2 以降である必要があります。

    • 入力フィーチャ データセットは、データベース認証されたユーザーによって確立されたデータベース コネクションから取得する必要があります。 このユーザーは、コンテンツを作成するためのデータベース権限を持つ必要があり、このユーザーを OS 認証ユーザー、データベース管理者、またはジオデータベース管理者アカウントにすることはできません。 接続されたユーザーは、データベース ユーティリティー ネットワークの所有者になります。
    • コンテンツを公開する権限を持つアカウントでサイン インして、アクティブな ArcGIS Enterprise ポータルを設定する必要があります。これらの権限では、サーバーベースのレイヤーを公開するだけでなく、コンテンツを作成、更新、削除することもできます。 デフォルトの公開者ロールには、これらの権限が組み込まれています。 アクティブな ArcGIS Enterprise ポータル アカウントは、ポータル ユーティリティー ネットワークの所有者としてネットワーク プロパティーに記録されます。
    • ArcGIS Server は、Portal for ArcGIS とフェデレートされている必要があります。 ArcGIS Enterprise 基本配置の構成をお勧めしますが、必須ではありません。
    • ライセンス:
      アクティブなポータル アカウントは、エンタープライズ ジオデータベースでユーティリティ ネットワークを作成、公開、操作するための ArcGIS Advanced Editing ユーザー タイプ エクステンションのライセンスが付与される必要があります。

サポートされているジオデータベース

ユーティリティー ネットワークは、エンタープライズ ジオデータベース、ファイル ジオデータベース、またはモバイル ジオデータベースに作成できます。 エンタープライズ ジオデータベースにユーティリティー ネットワークを作成するには、データベース プラットフォームがデータベース プラットフォームの最小リリースを満たしている必要があります。 詳細については、ArcGIS Pro および ArcGIS Enterprise でサポートされる各データベースのデータベース要件をご参照ください。

ユーティリティー ネットワークのジオデータベース内への作成

ユーティリティー ネットワークをジオデータベース内に作成するには、次の手順を実行します。

  1. [解析] タブの [ジオプロセシング] グループで、[ツール] ツール をクリックして、[ジオプロセシング] ウィンドウを開きます。
  2. [ジオプロセシング] ウィンドウで、[ユーティリティー ネットワークの作成] を検索して選択します。
  3. [入力フィーチャ データセット] で、ジオデータベース内の既存のフィーチャ データセット フィーチャ データセット を参照して、選択します。

    デフォルトでは、ジオデータベースは、[カタログ] ウィンドウの [データベース] データベース の下に作成されます。

  4. [ユーティリティー ネットワーク名] パラメーターで名前を指定します。
  5. [供給エリア フィーチャクラス] パラメーターに、ポリゴン フィーチャクラス ポリゴン フィーチャクラス を指定します。

    このフィーチャクラスは、手順 3 で指定した入力フィーチャ データセット内に存在しなければなりません。

    このフィーチャクラスは、ドメイン ネットワークの対象となる地理的範囲を表します。 このフィーチャクラスを使用すると、フィーチャがネットワーク エリアの外に作成されないように、編集を制限できます。 ユーティリティー ネットワークの範囲 (編集領域) は、組み合わされたポリゴンの範囲です。

  6. [ユーティリティー ネットワーク バージョン] パラメーターで、作成されるユーティリティー ネットワークのバージョンを指定します。
    • 互換性あり - ArcGIS Pro および ArcGIS Enterprise の最新リリースと互換性のある最新バージョンのユーティリティー ネットワークが作成されます。 シングルユーザー デプロイメントで作業している場合、ArcGIS Pro の最新リリースと互換性のある最新バージョンのユーティリティー ネットワークが作成されます。 エンタープライズ デプロイメントで作業している場合、ArcGIS Enterprise の最新リリースと互換性のある最新バージョンのユーティリティー ネットワークが作成されます。 さまざまなバージョンの ArcGIS Enterprise がインストールされた複数コンピューター デプロイメントの場合、ポータルのフェデレーション サーバーがすべてチェックされ、使用可能な最新リリースと互換性のあるユーティリティー ネットワークのバージョンが作成されます。
    • 最新 - ArcGIS Pro の最新リリースと互換性のある最新バージョンのユーティリティー ネットワークが作成されます。
    • 7 - バージョン 7 のユーティリティー ネットワークが作成されます。
    • 6 - バージョン 6 のユーティリティー ネットワークが作成されます。
    • 5 - バージョン 5 のユーティリティー ネットワークが作成されます。
  7. [実行] をクリックします。

フィーチャ データセットにユーティリティー ネットワーク データセットと構造物ネットワーク クラスが作成されます。

ユーティリティーに固有のフィーチャを格納して管理するため、1 つ以上のドメイン ネットワークをユーティリティー ネットワークに追加できます。 詳細については、「ドメイン ネットワークの追加」をご参照ください。