サブネットワーク解析

すべてのユーティリティでは、資源の収集または生成を管理し、中間システムであるパイプや電線を経由して資源を搬送して、消費地点にその資源を供給します。以下に例を示します。

  • 水道ユーティリティは、集水して水を処理してから、貯水池、タンク、パイプを経由して消費者に送水します。
  • 電気ユーティリティは、発電所で発電し、電線を通じて消費される場所に送電します。
  • ガス ユーティリティは、ガス田から天然ガスを収集し、長距離にわたる搬送に備えてガスを圧縮して、家庭や企業用に圧力レベルを調整します。

資源の流れ

ユーティリティ資源は、単独または一連のソースから供給されるか、単独または一連のシンクで収集されます。ソースは供給される資源の起点、シンクは収集された資源の終点のことです。この流れは、ドメイン ネットワークの追加時に構成されます。

重力加圧集水システムの場合、水道水のシンクは貯水池とタンクです。電気システムの場合、電気のソースは発電所および変電所です。ガス システムの場合、天然ガスのソースは圧縮ステーションおよび調整ステーションです。

それぞれのソースから、またはそれぞれのシンクまでのユーティリティ資源の流れは、バルブやスイッチなどの動作中のデバイスによって妨げられるか、消費地点に達するまで圧力、重力、または電圧によって維持されます。

ソースおよびシンクは、サブネットワーク コントローラーとして設定されたデバイス フィーチャを使用してモデル化されます。重力加圧集水システムの場合、貯水池またはタンクが標準的なシンク フィーチャです。配電システムの場合、回線遮断機が標準的なソース フィーチャです。ガス分配システムの場合、町境のステーションが標準的なソース フィーチャです。これらの流れのシステムには、有効なソース フィーチャ タイプのセットまたは有効なシンク フィーチャ タイプのセットのいずれかが存在しますが、両方存在することはありません。この流れは、圧力または電圧によって (ソース フィーチャから) 供給されるか、重力によって (シンク フィーチャへ) 収集されるかのいずれかです。

資源の流れのモデル化

ユーティリティ ネットワーク全体が、その資源が流れることができる一連のゾーンまたは回路に分割されます。資源の流れは、バルブとスイッチで動的に区切られます。スイッチまたはバルブ デバイスの開閉設定が切り替えられるたびに、資源の流れが可能な範囲が変化します。

ユーティリティ ネットワークでは、ゾーンおよび回路がサブネットワークによってモデル化されます。サブネットワークは、ユーティリティ資源とともに 1 つまたは少数のソースから 1 つまたは少数のシンクへと分配される、接続されたフィーチャのセットです。ユーティリティ システムには、数百または数千ものサブネットワークが存在することがあります。サブネットワークの範囲の定義に使用されるソースおよびシンクをサブネットワーク コントローラーと呼びます。

各サブネットワークは、ドメイン ネットワーク内の 1 つの層内に存在し、一意の名前が付けられます。サブネットワークの名前は、サブネットワーク コントローラーで定義され、そのサブネットワーク内を通過できるすべてのラインおよびデバイスに反映させることができます。

ライン、デバイス、およびジャンクション フィーチャクラスにある特別な属性の 1 つに IsConnected 属性があります。この属性は、どのサブネットワーク コントローラーからも通過できないフィーチャの識別に使用されます。この属性を使用すると、ドメイン ネットワーク内で意図的に分離されている機器や、適切に編集されていない機器の位置を特定できます。

サブネットワークが存在すると、業務担当者がユーティリティ ネットワークの現在の構成について状況を認識できるようになるため、サブネットワークはユーティリティにとって重要です。担当者は、マップを一目見ただけで、ガス、水道、電気がどのようにして供給されているかを理解できます。この情報は、供給停止期間から復旧するときや資源の供給を最適化するとき、またはどの設備アセットをサブネットワークに追加するかを決定するときに必要不可欠です。

サブネットワークに対する変更

動的スイッチング デバイスの開閉によって再定義されたサブネットワーク

サブネットワークの範囲は、動作中のデバイスが開いたり、閉じたりするたびに変化するため、サブネットワークはオンデマンドで生成されます。ユーティリティ ネットワーク内でいつでもサブネットワークを更新できます。更新するときは、ネットワーク トレース メソッドが、サブネットワーク コントローラーを起点として実行されます。このトレース メソッドの出力を使用して、サブネットワーク テーブルやフィーチャ上の属性を更新したり、サブネットライン フィーチャクラス内にフィーチャを生成したりします。このフィーチャクラスには、各サブネットワークのすべての接続ラインを表すマルチパート ライン フィーチャが含まれています。これらのサブネットワーク ラインは、ゾーンおよび回路の範囲の識別が容易になるように、個別の色で描画することができます。