見通し線オブジェクトでは、シーンで所定の観測点から 1 つまたは複数の目標点が見えるかどうかを判定します。 これらは、地表や、建物や樹木などのシンボル表示されたサーフェスを含む、シーンに現在表示されているコンテンツに対して計算されるため、カメラのビュー位置に使用されている詳細レベルに依存します。
見通し線の観測点と目標点の位置は、シーンを通じて対話形式で移動できます。 人の身長や双眼鏡の範囲など、実世界のオブジェクトをモデル化するために、垂直方向のオフセットと表示距離という解析パラメーターを使用できます。 見通し解析は、1 つの観測点と、選択したパスや既存のライン レイヤーから作成される 1 つまたは複数の目標点に基づくことができます。
注意:
見通しの各オブジェクトは、解析ツールの表示限度の一部を消費します。 表示限度を超えたら、1 つまたは複数の既存の見通しを削除してから別の見通しを作成する必要があります。
見通し線ツールによって表示される解析結果は一時的なもので、プロジェクトには保存されず、マップ パッケージにも含められません。 ただし、距離設定とジオメトリーは、今後使用するためにプロジェクトのデフォルト ジオデータベースでライン フィーチャクラスとしてエクスポートできます。 解析結果をデータとして保存するには、代わりに可視解析用のジオプロセシング ツールを使用します。
対話型見通し線オブジェクトの作成
シーン内に対話型見通し線オブジェクトを作成するには、[解析] タブの [ワークフロー] グループで [探索的 3D 解析] メニューを開き、[見通し線]
をクリックします。 [探索的解析] ウィンドウが開き、対話的に配置見通し線ツールがアクティブになります。 ツールで使用できる作成パラメーターと方法については、次のセクションをご参照ください。
対話型の見通しの作成パラメーター
対話型の見通しの作成パラメーターについては、次の表をご参照ください。
| 作成パラメーター | 説明 |
|---|---|
観測点の垂直方向のオフセット | 新しい見通しの観測点を作成するときに使用する垂直方向のオフセット距離。 たとえば、6 feet という値は、シーン内をクリックした位置から 6 フィート上に観測点を配置します。 |
観測点の最小距離 | 解析する観測点からの最小距離。 最小距離より近い障害物は、解析に含められません。 |
観測点の最大距離 | 解析する観測点からの最大距離。 最大距離より遠い障害物は、解析に含められません。 |
目標点の垂直方向のオフセット | 目標点を作成するときに、クリックした位置に適用される垂直方向のオフセット距離。 |
作成方法
対話型見通し線オブジェクトを作成するには 4 つの方法があります。
| 作成方法 | 説明 |
|---|---|
対話的に配置 | シーン内をクリックして、観測点を配置します。 再びクリックして、1 つまたは目標点を配置します。 これがデフォルトの方法です。 シーン内の見通し線の一般的な探索的調査にこの作成方法を使用します。 |
カメラから観測点を配置 | カメラを観測点として設定するようにビューを配置します。 シーン内をクリックして、1 つまたは複数の目標点を配置します。 この作成方法を使用して、ブックマークなど、重要な観測点から見通し線の観測点を作成します。 |
ラインに沿った目標点 | 選択したラインを使用して、目標点の数やセグメント長に基づいて見通し線オブジェクトを作成します。 複数の連続するラインは、可能な場合は 1 つのルートとして処理されます。 この方法を使用して、ルートに沿った可視性を判定します。 |
レイヤーから | ライン レイヤーに基づいて見通しを自動的に生成します。最小距離および最大距離などのパラメーターは、フィーチャ属性によって設定されます。 以前にエクスポートした解析オブジェクトは、この方法を使用して再開できます。 |
対話型の見通しオブジェクトの更新
既存の見通しの解析範囲を更新するには、[見通し線] ツール
で観測点か目標点を選択して、対話型のハンドルを使用して位置を調整します。 オブジェクトを X、Y 平面で再配置したり、緑の矢印をドラッグして Z 平面を移動したりできます。 対応する編集オーバーレイは、更新中のプロパティを反映する値を、画面上に任意に表示します。 新しい値を直接入力することもできます。

見通し線オブジェクトまたは目標点の選択
個々の見通し線オブジェクトのグローバル プロパティ値を変更するには、まず対象の見通し線オブジェクトを選択する必要があります。 シーン内の観測点または目標点をクリックするか、[プロパティ] タブの上部にあるナビゲーション ボックスに用意されている次のオプションを使用して、1 つの見通しを選択します。
[次のオブジェクトを選択]
- シーン内の既存の見通し線観測点の選択を順方向に切り替えます。 目的の見通し線オブジェクトを選択したら、その値と色を更新できます。[前のオブジェクトを選択]
- 既存の見通し線観測点の選択を逆方向に切り替えます。[次の目標点を選択]
- シーン内の選択した見通し線観測点の既存の目標点の選択を順方向に切り替えます。 目的の目標点を選択したら、その値と色を更新できます。[前の目標点を選択]
- 選択した見通し線観測点の既存の目標点の選択を逆方向に切り替えます。[すべて選択] - シーン内のすべての見通し線オブジェクトが選択されます。 プロパティ値の変更は、すべての見通し線オブジェクトに適用されます。
- [削除]
- 選択した見通し線オブジェクトがシーンから削除され、次のオブジェクトが選択されます。
シーン内の見通し線オブジェクトから離れた場所をクリックすると選択が解除され、作成方法ツールはアクティブのままになります。
選択ハンドルを使用した更新
見通し線オブジェクトを選択すると、対話型のハンドルが表示され、変更できます。 見通し線の次のプロパティを変更できます。
- 観測点の位置決めの円をドラッグすると、観測点を新しい場所に移動できます。これにより、X 値と Y 値が更新されます。
- 観測点の垂直の緑色の矢印をドラッグすると、標高 (Z 値) を調整できます。
- 目標点の垂直の緑色の矢印をドラッグすると、標高 (Z 値) を調整できます。
注意:
観測ポイントおよび目標コントロール ポイントには、シーンの地下をナビゲートするオプションが適用されます。 したがって、コントロール ポイントを地下の標高サーフェスに移動するには、この機能を有効にする必要があります。 [コンテンツ] ウィンドウで標高サーフェスを選択し、[標高サーフェス レイヤー] タブの [サーフェス] グループにある [地下のナビゲーション] オプションをオンにします。 このプロパティは、地表から 2 メートルのオフセットを適用して、シーンが地表の詳細レベルを変更したときにポイントが地上で維持されるようにします。
プロパティ タブを使用した更新
[探索的解析] ウィンドウの [プロパティ] タブを使用して解析オブジェクトを繰り返し選択し、修正内容を入力するか、必要に応じて [削除]
をクリックしてオブジェクトを削除します。 選択を解除するには、シーン内のオブジェクト以外の場所をクリックする必要があります。
グローバル プロパティ
グローバル プロパティは、既存の可視ドーム オブジェクトと今後の可視ドーム オブジェクトすべての表示設定に影響します。 [グローバル プロパティ] 見出しを展開して、ワイヤフレームの色や非表示領域など、見通し線オブジェクトのシンボル表示に使用される見通し線の幅や色を変更します。
更新できる見通し線プロパティは次のとおりです。
- 観測点からの解析範囲の最小距離と最大距離の値
- [ラインを最大距離に延長] オプションをクリックし、目標点を越えて最大距離まで見通し線を延長し、残りの範囲を表示します。
- [編集オーバーレイの表示] オプションをクリックし、選択した見通し線オブジェクトの形状の変更に従って値を動的に変更するコントロールをシーンに追加します。 各ハンドル値を直接入力することもできます。
- [交点の距離を表示] オプションをクリックすると、観測点から、各見通し線オブジェクトの最初の交差点までの距離を示すラベルがシーンに表示されます。 値は、作成中に選択した最大距離の単位で表示されます。
いつでも、[デフォルトに戻す] ボタンを使用して、すべてのグローバル プロパティをデフォルト値に戻すことができます。
| プロパティ | 説明 |
|---|---|
ライン幅 | 観測点と目標点をつなぐラインの幅 |
可視色 | 観測点から見える色 |
不可視色 | 最初の障害ポイントから最大距離までの色で、観測点から見えない色を表します。 |
範囲外の色 | 最大距離外の見通しを表す色 |
ワイヤーフレームの色 | 見通し線観測点を囲み、地表に繋ぐワイヤフレーム オーバーレイの色 |
対話型の見通しオブジェクトの削除
アクティブな可視ドーム ツールを使用して観測点を選択すると、シーンから見通し線オブジェクトを削除できます。 次に、[探索的解析] ウィンドウの [プロパティ] タブで [削除]
をクリックします。
すべての見通し線オブジェクトに加え、その他の探索的解析オブジェクトを一度に削除するには、[解析] タブの [ワークフロー] グループにある [探索的 3D 解析] メニューを開き、[すべて削除]
をクリックします。



