シーン レイヤーとは

シーン レイヤーは、シーン内の大量の 3D データを表示するために最適化されたレイヤーのタイプです。 シーン レイヤーに表示されるデータ タイプは、「3D オブジェクト」、「ビルディング」、「3D メッシュ」、「ポイント」、「点群」、または「ボクセル」レイヤーです。 シーン レイヤーは「I3S (Indexed 3D Scene layer)」形式に準拠しています。 I3S 形式は、3D GIS データをモバイル、Web、デスクトップの各クライアントに配信するために使用されるオープン 3D コンテンツ配信形式です。

情報を 3D で可視化することで、地理情報を直感的に理解し、写実的に体験することが容易になります。 GIS に慣れていないユーザーでさえも、複雑かつ詳細なデータを Web 上で 3D シーンに表示することで理解できます。 実世界におけるオブジェクトの 3 次元性を捉えることができると、情報をより正確に解析、計測、検索できます。 たとえば、「開発がコミュニティに与える影響」や「洪水の影響」を解析できます。

シーン レイヤー タイプ

3D オブジェクト

3 次元で明示的にモデル化される建物やオブジェクトの外殻などの 3D オブジェクトを視覚化します。

テクスチャ処理された建物
モントリオール市のテクスチャ処理された建物。

ビルディング

3D ビルディング モデルは、REVIT または IFC データの BIM (Building Information Model) から生成されます。 複雑な建物と専門分野の視覚化に使用されます。

ビルディング シーン レイヤー
ビルディング シーン レイヤーの例。

3D メッシュ

写真測量処理またはセンサーベースの処理で現実をキャプチャするテクスチャ処理された連続メッシュ。 建物、植生、地表情報を含む広いエリアを視覚化します。

3D メッシュの例
メルボルン市の 3D メッシュ。 Aerometrix 社によって撮影されたものです。

ポイント

大量のポイント フィーチャを視覚化します。 ポイントを使用すると、郡内のすべての樹木など、3D シンボルでシンボル表示された何百万ものポイントを描画できます。

ポイント シーン レイヤーの例
写実的な樹木のポイント シーン レイヤー: Urban Tree Forest Melbourne。
点群

シンボル表示され、フィルター処理された大量の点群データを迅速に表示できます。

点群シーン レイヤーの例
点群シーン レイヤーの例。

ボクセル

多次元の 3D または 4D ボリューム データを表現します。 大気データや海洋データ、地質地下モデル、またはボクセルの時空間キューブを視覚化および探索します。

ボクセル シーン レイヤーの例
大西洋の水温。

建物、樹木、または橋を視覚化することで、「3D ベースマップ ソリューション」から都市圏のモデリングに至るまで、さまざまなシナリオでシーン レイヤーを使用できます。 シーン レイヤー内の詳細度は、ユーザーのニーズによって異なります。 たとえば、建物は、建物の外部シェルを示す 3D オブジェクト シーン レイヤーとして表現したり、建物内のすべてのアセット (家具や照明器具など) を含むビルディング シーン レイヤーとして表現したりできます。

シーン レイヤーは、Scene ViewerArcGIS EarthArcGIS Pro など、多くの ArcGIS アプリケーションで使用されます。 ArcGIS Enterprise または ArcGIS Online で共有されると、シーン レイヤーは Web シーン レイヤーになります。 シーン レイヤーは、描画パフォーマンスを向上するためにキャッシュされます。 このキャッシュは異なる詳細レベル (LOD) を含んでいます。使用される LOD は、データが表示される距離によって決まります。 つまり、縮小してフィーチャへの距離を増やすと、3D データの複雑さが軽減されます。

各タイプのシーン レイヤーで使用できる共通の機能を次に示します。

シーン レイヤー機能

Web シーン レイヤーの使用

ArcGIS Online または ArcGIS Enterprise でシーン レイヤーを共有できます。 シーン レイヤーの作成方法に応じて、さまざまなシーン レイヤー タイプでさまざまな機能を使用できます。

.slpk または .i3sREST の Web シーン レイヤー

シーン レイヤーは、視覚化および配置のニーズに応じて異なる配信コンテンツで保持できます。 シーン レイヤー パッケージ (.slpk) には、Web シーン レイヤーとして公開可能なシーン レイヤー キャッシュが単一のファイルとして含まれています。 さらに、ArcGIS Enterprise ですぐに利用できるコンテンツ用に .i3sREST ファイルを作成することもできます。

シーン レイヤー パッケージから作成された Web シーン レイヤーは、Web シーン レイヤーの構成時に、ローカルでキャッシュするオプションを選択することで、ArcGIS Pro から共有されます。 Web シーン レイヤーの共有の詳細については、「Web シーン レイヤーの共有」をご参照ください。 すでにシーン レイヤー パッケージが存在する場合は、[パッケージの共有 (Share Package)] ツールを使用して、Web シーン レイヤーを共有および公開します。 シーン レイヤー コンテンツが存在しない場合は、次のいずれかのツールを使用してシーン レイヤー コンテンツを作成できます。

フィーチャレイヤーが関連付けられた Web シーン レイヤー

3D オブジェクト シーン レイヤー、ビルディング シーン レイヤー、ポイント シーン レイヤーなど、フィーチャベースのシーン レイヤーは、シーン レイヤーの作成元のフィーチャ レイヤーへの接続を保持できます。 たとえば、すべての建物情報がエンタープライズ ジオデータベース内のマルチパッチ フィーチャクラスに保持されている場合は、参照によって共有できます。 シーン レイヤーは、関連付けられているフィーチャとともにユニットを構築するため、ジオメトリと属性を「編集」することでシーン レイヤーを維持できます。 フィーチャ レイヤーが関連付けられた Web シーン レイヤーは、シンボルやフィルター設定で使用できる動的な統計情報を提供します。 シーン レイヤーの属性テーブルにアクセスすると、関連付けられたフィーチャ レイヤーが表示されます。

次の表に、Web シーン レイヤーを作成および共有する方法を示します。

ソース共有公開されたレイヤー

シーン レイヤー パッケージ

Web シーン

パッケージの共有ツール

Web シーン レイヤー

ポイント レイヤー、3D オブジェクト フィーチャ レイヤー、マルチパッチ レイヤー、ビルディング レイヤー

フィーチャ オプションがオンに設定された Web レイヤーまたは Web シーン レイヤー

フィーチャ レイヤーが関連付けられた Web シーン レイヤー

ポイント レイヤー、3D オブジェクト フィーチャ レイヤー、マルチパッチ レイヤー、ビルディング レイヤー

フィーチャ オプションがオフに設定された Web レイヤーまたは Web シーン レイヤー

Web シーン レイヤー

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このトピックの内容
  1. Web シーン レイヤーの使用