ENC レイヤーの操作

ENC レイヤーには、S-52 シンボルを使用した航海用電子海図が表示されます。 シンボルはレイヤー レベルで構成します。 複数の ENC レイヤーを一度に表示する場合、航海用海図データの表示の一貫性を保つためには、同じシンボル設定を使用することが重要です。

航海用電子海図のサンプル

データの追加

ENC レイヤーは、一定のスケールで航海用海図データを表す 5-57 セル (.000 ファイル) から作成されます。

[カタログ] ウィンドウを使用して S-57 セルから ENC レイヤーを追加する

S-57 セル データ ソースを ArcGIS Pro に直接追加して ENC レイヤーを作成するには、次の手順を実行します。

  1. [カタログ] ウィンドウで、S-57 セルを右クリックします。
  2. [現在のマップに追加] をクリックします。

    ENC レイヤーが作成されます。

  3. あるいは、ファイルをマップにドラッグします。

データの追加ボタンを使用して S-57 セルから ENC レイヤーを追加する

[データの追加] ボタンを使用して S-57 セル データ ソースを ArcGIS Pro に直接追加して ENC レイヤーを作成するには、次の手順を実行します。

  1. [マップ] タブの [レイヤー] グループで、[データの追加] をクリックします。
  2. ファイル システムで S-57 セル ファイルを参照して選択します。
  3. [OK] をクリックします。

    ENC レイヤーが作成されます。

ENC サブレイヤーとサブテーブル

ENC レイヤーは、コンポジット レイヤーとして [コンテンツ] ウィンドウに追加されます。 ENC レイヤーを展開すると、サブレイヤーとして表現される空間オブジェクトと、サブテーブルとして表現される非空間オブジェクトを確認できます。 ただし、[コンテンツ] ウィンドウでサブレイヤーを ENC レイヤーに追加したり、ENC レイヤーから削除することはできません。 サブレイヤーは、S-57 セルに存在するオブジェクト タイプとジオメトリの組み合わせごとに存在します。 サブレイヤーとサブテーブルは、それぞれのセクションで、オブジェクト タイプ別にアルファベット順に並べられています。 この順序は、S-52 シンボルの描画順序を反映していません。 サブレイヤーの表示設定を切り替えると、それらのオブジェクトが削除されてレイヤーが再描画されます。

サブレイヤーとサブテーブルの属性テーブルは、[属性テーブル] ショートカット メニューのコマンドを使用して開くことができます。 テーブルで行われた選択は、マップに反映されます。 マップで行われたグラフィックスの選択は、テーブルに反映されます。

ENC オブジェクトをフィーチャ レイヤーまたはスタンドアロン テーブルとして操作する

ENC サブレイヤーとサブテーブルはデータを表形式で表示し、ENC サブレイヤーは表示設定の切り替えが可能ですが、これらは独立したレイヤーではなく、ENC シンボル以外でシンボル表示したり、解析の入力として使用したりすることはできません。 この方法でオブジェクトを使用するには、フィーチャ レイヤーまたはスタンドアロン テーブルが必要です。 サブレイヤーのショートカット メニューの [サブレイヤーからのフィーチャ レイヤーの作成] コマンド サブレイヤーからのフィーチャ レイヤーの作成 を使用して、ENC サブレイヤーのオブジェクトを表すフィーチャ レイヤーを作成できます。 サブレイヤーのショートカット メニューの [サブテーブルからのスタンドアロン テーブルの作成] コマンド サブテーブルからのスタンドアロン テーブルの作成 を使用して、ENC サブレイヤーのオブジェクトを表すフィーチャ レイヤーを作成できます。 これらのコマンドで作成されたフィーチャ レイヤーとスタンドアロン テーブルは、これらのレイヤー タイプを使用するワークフローで使用できます。

ENC レイヤー シンボルの構成

ENC シンボルは、表示および構成用の論理カテゴリにグループ化されています。 一部のオプションは S-57 セル内の特定のオブジェクト タイプを参照し、そのオブジェクトまたは属性が存在する場合にのみ表示に影響します。 たとえば、[Viewing groups][Submarine cables and pipelines] オプションがあっても、ケーブルとパイプラインがすべてのセルには存在しないことがあります。 オブジェクトを描画するかどうかの判定には、[コンテンツ] ウィンドウの ENC サブレイヤーの表示設定が優先されます。 たとえば、[コンテンツ] ウィンドウでオブジェクトのサブレイヤーの表示設定がオフになっている場合は、そのオブジェクト タイプを含む表示グループを表示するようにシンボル オプションが設定されている場合でも、オブジェクトは描画されません。

ENC レイヤーのシンボルを構成するには、次の手順を実行します。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで ENC レイヤーを選択します。
  2. [ENC Layer] タブの [Drawing] グループで [シンボル] をクリックします。
  3. [シンボル] ウィンドウで、変更するシンボル サブグループを選択します。
    • [Depth contours] - 深度コンターを設定して航海用海図の表示を変更します。
    • [Depth informatioin] - 表示する高度な深度情報を選択します。
    • [Display options] - 表示する表示カテゴリと、これらを遵守するかどうかを選択します。
    • [Symbolization] - レイヤー全体の高度なシンボル化オプションを設定します。
    • [Viewing groups] - フィーチャの論理グループを表示するか非表示にするかを設定します。
    • [Text groups] - ラベルを表示するオブジェクトを選択します。 非表示の表示グループにはラベルは表示されません。 たとえば、[Lights] の値が表示されていない場合に [Light descriptions] の値を表示することはできません。