メタデータ編集のベスト プラクティス

ArcGIS Pro のほとんどのアイテムを説明するメタデータを作成できます。

カタログ ビューでアイテムのメタデータを表示して、メタデータ ビューで編集すると、そのアイテムの ArcGIS メタデータ ドキュメントが作成されます。 ArcGIS Pro は ArcGIS メタデータ コンテンツのみを作成および使用するよう設計されています。 他の形式のメタデータを詳細パネルで直接表示することはできませんが、必要に応じてインポートまたはアップグレードできます。 現行リリースの ArcGIS Pro で利用できるメタデータ編集ページは、ArcMap に付属するメタデータ編集ページと本質的に同じです。

ArcGIS アイテムのメタデータ コンテンツを作成する場合、組織にとってそのアイテムを理解するために重要な情報を記録します。 これには、アイテムの正確度や最新度、アイテムの使用と共有に関する制限、フィーチャの生成などライフ サイクル内の重要なプロセスなどが含まれます。 以下のようなさまざまな要因を考慮したメタデータの組織的な計画を策定することが重要です。

  • メタデータ規格またはプロファイルに従うか? 従う場合、その規格またはプロファイルでメタデータを有効にする必要があるか?
  • メタデータにはどのような法的事項を含める必要があるか?
  • ArcGIS OnlineArcGIS Enterprise ポータルにアイテムを公開するか? メタデータ規格によっては公開時に必要な情報がオプションとされている場合があります。
  • メタデータを別個のメタデータ カタログまたは Web サイトに公開するか? 公開する場合、そのカタログやサイトには要件があるか? 特定のコンテンツがそのカタログやサイトでの検索に対応している必要があるか?
  • Web サイトにはどのような情報がすでに掲載されて参照可能になっているか (連絡先、ダウンロード、注文方法など) ? メタデータに静的コピーを追加する代わりに、オンライン コンテンツを参照します。
  • メタデータ テンプレート内で標準化可能なコンテンツは何か?

常識に基づいて組織用のメタデータ チェックリストを組み立てます。 完璧で有効なコンテンツは目標として理想的ですが、不完全であったり有効でないメタデータを作成してもかまいません。 最も価値のあるアイテムの文書化に大半の努力を費やすべきですが、多数のアイテムを文書化せずに放っておくのはリスクが伴います。 リソースに優先順位を設けて大部分のアイテムに適切なレベルのコンテンツを作成するようにします。 プロジェクト計画にメタデータを組み込んで確実に作成されるようにします。

メタデータのガイドラインを定期的に再検討して改訂し、より良い結果を得られるように調整を行うことが重要です。 メタデータ規格は国内および国際的に今後も改訂が続けられ、メタデータ カタログによってサポートされる規格は変更される可能性があります。 組織のメタデータ チェックリストを定期的に見直すようにしてください。

メタデータ テンプレートの作成

多くのアイテムのメタデータを作成するときは、メタデータ テンプレートを作成することによって作業を効率化できます。 組織全体を対象としたメタデータ テンプレートには、すべてのアイテムに適用される基本的な連絡先および配布情報と法的な規制を含めることができます。

組織テンプレートは、プロジェクトおよびアイテムが作成された目的、作業が行われる地理的地域を表現する標準的な場所名、プロジェクト成果物の配布および管理方法などを含むプロジェクト固有のテンプレートの基盤となります。 テンプレートには特定のアイテムのプロパティを含めないようにしてください。これらは、ArcGIS によって自動的に追加および更新されます。

テンプレートを使用すると、スムーズに作業を開始でき、ArcGIS はアイテムの現在のプロパティを自動的に追加できるため、データのソースや品質などの重要な情報の文書化に集中して取り組むことができます。 これにより、全体的に少ない労力で高品質なメタデータ コンテンツを実現できます。

メタデータ テンプレートを作成する最も良い方法は、アイテムを完全に文書化し、そのメタデータのコピーをテンプレートとして保存することです。 このプロセスでは、一意の識別子やアイテムのメタデータに自動的に追加されたコンテンツが含まれていないスタンドアロンのメタデータ XML ファイルが作成されます。 スタンドアロンのメタデータ XML ファイルのコンテンツを編集して、元のアイテムに固有のコンテンツをジェネラライズまたは削除します。 結果、多くのアイテムでの使用に適したメタデータが作成されます。

  1. 組織のガイドラインに従って、アイテムの完全なメタデータ ドキュメントを作成します。
  2. リボンの [カタログ] タブにある [メタデータ] グループで、[名前を付けて保存][メタデータ テンプレート] をクリックします。
  3. [メタデータ テンプレートとして保存] ダイアログ ボックスで、メタデータ テンプレートが格納されるフォルダーを参照します。
  4. [名前] テキスト ボックスにテンプレートの名前を入力します。
  5. [保存] をクリックします。

    新しいスタンドアロンのメタデータ XML ファイルが作成されます。 元のアイテムの ArcGIS メタデータ コンテンツがフィルター処理され、元のアイテムを一意に記述するコンテンツが削除されます。

  6. プロジェクトでフォルダー接続がまだ利用できない場合は、メタデータ テンプレートが格納されている場所にアクセスするフォルダー接続を追加します。
  7. カタログ ビューで、メタデータ テンプレートを参照して選択します。
  8. メタデータ テンプレートを編集して、メタデータ コンテンツを削除またはジェネラライズして、特定のアイテムを表さないようにします。
  9. メタデータ ビューを閉じて、変更を保存します。

メタデータ テンプレートの適用

アイテムを記述する新たなメタデータ コンテンツを追加する前に、まずメタデータ テンプレートのコンテンツをインポートします。 メタデータ テンプレートをインポートすると、そのアイテムの既存の ArcGIS メタデータ コンテンツは、メタデータ テンプレートからインポートされたコンテンツに置き換えられます。 ただし、アイテムのサムネイル、ジオプロセシング履歴、およびその他のアイテム固有のプロパティはそのまま残ります。

アイテムのメタデータの作成をすでに開始している場合は、作業内容が失われてしまうため、メタデータ テンプレートをインポートしないでください。 代わりに、もう 1 つのカタログ ビューを開いて、メタデータ テンプレートのコンテンツを表示します。 アイテムのメタデータの編集を開始し、テンプレートのメタデータ表示からコンテンツをコピーします。 その後、適切なフィールドのメタデータ エディターに貼り付けます。

  1. カタログ ビューで、文書化するアイテムを参照して選択します。
  2. リボンの [カタログ] タブにある [メタデータ] グループで、[インポート] インポートをクリックします。
  3. [メタデータのインポート] ダイアログ ボックスで、参照ボタン 参照 をクリックします。
  4. [ソース メタデータの参照] ダイアログ ボックスで、メタデータ テンプレートが格納されるフォルダーを参照します。
  5. コンテンツ リストのメタデータ テンプレート XML ファイルをクリックします。
  6. [OK] をクリックします。
  7. [インポートするメタデータのタイプ] ドロップダウン矢印をクリックし、[ArcGIS メタデータ] をクリックします。
  8. [OK] をクリックします。

    メタデータ テンプレート ファイル内の ArcGIS メタデータ コンテンツは、カタログ ビューで選択されたアイテムにコピーされます。

  9. アイテムのメタデータを編集して、アイテム固有の情報を追加します。

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