Location Referencing ライセンスで利用可能です。
[ダイナミック セグメンテーション] ツールは、ルート上のイベントを動的にセグメント化し、1 つのレコード セットにまとめる出力を作成します。 このツールは、いずれかの属性が変化するルート上のイベントに沿って、任意のメジャーで個別のレコードを返します。
ダイナミック セグメンテーション シナリオ
次の図では、2 つのライン イベント レイヤー (試験圧力範囲と DOT クラス) が 1 つのルート (Route1) に関連付けられています。 それぞれのイベント レイヤーには、ルート メジャーに沿って異なる値があり、それが色の変化で表現されています。
ルートは、メジャー 0 ~ 10 の間で、左から右にキャリブレーションされています。 ルート上に 2 つのイベントがあり、次のサブセクションで説明する入力プロパティと出力プロパティを持ちます。
入力
以下の表に、最初のイベントのメジャーと値を示します。
入力 (試験圧力範囲)
ルート ID | イベント ID | 始点メジャー | 終点メジャー | 開始日 | 終了日 | 試験液 |
---|---|---|---|---|---|---|
Route1 | Event1 | 0 | 3 | 1/1/2000 | <NULL> | 水圧 |
Route1 | Event2 | 3 | 9 | 1/1/2000 | <NULL> | 空圧 |
以下の表に、2 つ目のイベントのメジャーと値を示します。
入力 (DOT クラス)
ルート ID | イベント ID | 始点メジャー | 終点メジャー | 開始日 | 終了日 | DOT クラス |
---|---|---|---|---|---|---|
Route1 | Event1 | 0 | 5 | 1/1/2000 | <NULL> | Class1 |
Route1 | Event2 | 5 | 8 | 1/1/2000 | <NULL> | Class2 |
出力
出力フィーチャクラスと関連する属性テーブルは、構成要素であるリニア イベントのデータを使用して動的に作成されます。 属性テーブルは編集可能であり、編集内容は個々のイベント レイヤーに反映されます。
ルートのキャリブレーション方向 (たとえば、左から右) に移動すると、イベントの最初のセグメントは試験圧力範囲の値 (Water) によって発生します。これは、メジャー 0 から開始し、メジャー 3 で終了します。 2 つ目のセグメントは、DOT クラス値 (クラス 1) によって発生し、メジャー 5 で終了します。 3 つ目のセグメントは、DOT クラス値 (クラス 2) によって発生し、メジャー 8 で終了します。 メジャー 8 と 9 の間にある 4 つ目のセグメントには、試験圧力範囲の値である Air のみが含まれます。 メジャー 9 と 10 の間にある最後のセグメントには、イベントは含まれていません。
次の表に、ダイナミック セグメンテーションの出力を示します。
出力 (ダイナミック セグメンテーション)
ルート ID | セクション | 始点メジャー | 終点メジャー | 開始日 | 終了日 | 水圧 | DOT クラス |
Route1 | 1 | 0 | 3 | 1/1/2000 | <NULL> | 水圧 | クラス 1 |
Route1 | 2 | 3 | 5 | 1/1/2000 | <NULL> | 空圧 | クラス 1 |
Route1 | 3 | 5 | 8 | 1/1/2000 | <NULL> | 空圧 | クラス 2 |
Route1 | 4 | 8 | 9 | 1/1/2000 | <NULL> | 空圧 | |
Route1 | 5 | 9 | 10 | 1/1/2000 | <NULL> |
ダイナミック セグメンテーションには、組織のニーズに応じてさまざまなユース ケースがあり、規制、政策、予算のオプションを評価するための解析の基礎を提供できます。 以下に例を示します。
- 他の変数を使用してパイプラインの状態を解析し、保守用の資金の割り当てを決定します。
- クロス イベント チェックを提供して、ルートに沿ったデータの精度を保証します。
- データ内のギャップをチェックして補間します。
注意:
このツールは、[イベントのオーバーレイ (Overlay Events)] ツールに似ています。 [ダイナミック セグメンテーション] ツールと [イベントのオーバーレイ (Overlay Events)] ツールの違いとは、[ダイナミック セグメンテーション] ツールは ArcGIS Pro 編集セッションでイベント データの編集に使用できる点です。 [イベントのオーバーレイ (Overlay Events)] ツールは、入力のダイナミック セグメンテーションを表すフィーチャクラスまたはテーブルを出力しますが、出力は編集のための入力イベントに接続されていません。
ダイナミック セグメンテーションの出力を返す
ダイナミック セグメンテーションの出力を返すには、次の手順を実行します。
- ArcGIS Pro でマップを開き、ダイナミック セグメンテーションを適用する位置にズームします。
注意:
このツールを実行するには、ネットワークとライン イベント フィーチャクラスが必要です。
- 必要に応じ、マップ上で、ダイナミック セグメンテーションを適用するルートにズームします。
- [Location Referencing] タブの [イベント] グループで [DynSeg] をクリックします。
[ダイナミック セグメンテーション] ウィンドウが開きます。
- [ネットワーク] ドロップダウン矢印をクリックし、ダイナミック セグメンテーションを適用するネットワークを選択します。
選択したネットワークが構成されたライン イベント属性セットが、[属性セット] リストに表示されます。
- [属性セット] ドロップダウン矢印をクリックし、属性セットを選択します。
選択した属性セットのイベントが、ダイナミック セグメンテーションに使用されます。
- [ルートを 1 つ以上選択します] をクリックして、セグメント化するイベントのあるマップ上のルート (複数可) を選択します。
提供されているジオメトリック選択ツールのいずれかを使用し、[ルート] リストを入力できます。
ネットワークの選択時にルートがすでに選択されている場合は、それらは [ルート] リストに追加されます。
- [実行] をクリックし、選択セットにダイナミック セグメンテーションを適用します。
出力フィーチャクラス (ダイナミック セグメンテーション) が作成され、[コンテンツ] ウィンドウに追加されます。
出力フィーチャクラスのレコードの編集
ダイナミック セグメンテーションの出力フィーチャクラスのイベントは、「イベント レイヤーの属性テーブルでイベントを編集する」ときと同じ方法で編集できます。 ダイナミック セグメンテーションを編集することで、エラーの修正、関連ルート上のメジャーへの変更の反映、一意のイベント属性の値の更新を実行できます。
ダイナミック セグメンテーション ツール を実行後に、ダイナミック セグメンテーション出力フィーチャクラスでイベントを編集するには、次の手順を実行します。
- [コンテンツ] ウィンドウでダイナミック セグメンテーション出力フィーチャクラスを右クリックし、[属性テーブル] をクリックします。
属性テーブルが表示されます。
- テーブルのセルをダブルクリックして値の編集を可能にし、変更後の値を指定します。
注意:
オブジェクト ID、ルート ID、始点メジャー、終点メジャー、開始日、終了日のフィールドは編集できません。
[フィールド演算 (Calculate Field)] などのツールを使用してテーブルを編集する場合、ツールで [[元に戻す] の有効化] オプションが有効になるか、ツールを使用する前にフィーチャを編集していると、[編集内容の保存] ボタンが有効になります。
ロックの取得、リコンサイルの必要性、ロック取得不可などのメッセージが表示された場合、競合の防止が有効になっています。
- [編集] タブで [編集内容の保存] をクリックし、変更内容を保存します。
ダイナミック セグメンテーション テーブルで行った編集内容が、個々のイベント レイヤーで保存されます。
注意:
「Location Referencing オプション」内の [ダイナミック セグメンテーション テーブルで一致イベントをマージ] チェックボックスがオンの場合、同一の一致イベントをマージできます。
このチェックボックスがオンの場合、属性が更新された同一の一致イベントがマージされます。