ルート廃止のイベントの振舞い

Location Referencing ライセンスで利用可能です。

ルートが廃止されると、イベントが、各イベント レイヤーに対して構成されたイベントの振舞いに応じて影響を受けます。

注意:

イベントは、ルートの編集後に、[イベントの振舞いを適用 (Apply Event Behaviors)] ツールが実行されるまで更新されません。 ブランチ バージョン対応データで競合の防止を使用している場合、デフォルト バージョンにポストする前に、[イベントの振舞いを適用 (Apply Event Behaviors)] を実行するように求められます。

注意:

LRS ルートの編集で [ルート下流の再キャリブレーション] が選択されているとき、構成されたキャリブレーション イベントの振舞いが下流セクションに適用されます。 構成されたイベントの振舞いは、LRS イベント プロパティを表示することで確認できます。

ルートの廃止、対応するイベントの振舞いについて、以下に説明します。

ルートの廃止シナリオ

ルートは、ルートの始点、中点、または終点で廃止できます。 ルートの中点で廃止された場合、その後のルートは、ギャップのあるルートになります。 ライン ネットワークの場合、同じラインに属する複数の隣接するルートをすべて、または部分的に廃止できます。

上流および下流セクション

ルートの編集では、上流セクションおよび下流セクションにそれぞれ異なる影響があります。

次の図は、ルート廃止シナリオの上流および下流セクションを示しています。

ルート廃止のシナリオの上流セクションと下流セクション

次の表に、構成されたイベントの振舞いに応じて、廃止編集作業が、上流イベントおよび下流イベントに与える影響を示します。

振舞い上流のイベント交差するイベント下流のイベント

維持

アクションはありません。

イベントは廃止されます。編集範囲にまたがるライン イベントはスプリットされ、元のイベントは廃止されます。

ルート キャリブレーションが変更された場合は、キャリブレーション イベントの振舞いが適用され、変更されていない場合のアクションはありません。

移動

必要に応じて、ルート メジャーの新しい位置に、シェープが再生成されます。

ルート メジャーの新しい位置に、シェープが再生成されます。

ルート キャリブレーションが変更された場合は、キャリブレーション イベントの振舞いが適用され、変更されていない場合のアクションはありません。

廃止

アクションはありません。

イベントを廃止します。編集範囲にまたがるライン イベントはスプリットされません。

ルート キャリブレーションが変更された場合は、キャリブレーション イベントの振舞いが適用され、変更されていない場合のアクションはありません。

スナップ

アクションはありません

イベントを廃止します。編集セクションにまたがるライン イベントが分割されます。 新しいイベントは、並列ルート (存在する場合) にスナップされます。

ルート キャリブレーションが変更された場合は、キャリブレーション イベントの振舞いが適用され、変更されていない場合のアクションはありません。

注意:

ネットワークには、ライン ネットワーク内のルートにスパンするイベントが含まれることがあります。 その場合でも、振舞いは、同様に適用されます。

LRS は、時間対応であるため、ルートの廃止などの編集操作により、ルートやイベントがタイム スライスされます。

ルートの廃止の結果

この例では、ルート Route1 は、1/1/2000 からアクティブになります。 廃止は、1/1/2005 にルートの始点で発生するよう設定されています。 [ルート下流の再キャリブレーション] オプションが選択されていません。 以下の図と表で、廃止前後のルート情報を示します。

ルート廃止前

次の図は、廃止前のルートを示しています。

廃止前の Route1

次の表は、廃止前のルートの詳細を示しています。

ルート名開始日終了日始点メジャー終点メジャー

Route1

1/1/2000

<NULL>

0

55

ルートの廃止後

次の図は、廃止後のルートを示しています。

廃止後の Route1

次の表は、廃止後のルートの詳細を示しています。

ルート名開始日終了日始点メジャー終点メジャー

Route1

1/1/2000

1/1/2005

0

55

Route1

1/1/2005

<NULL>

25

55

ルート廃止前のイベント

Route1 には 3 つのイベントがあり、そのいずれも開始日が 1/1/2000 です。 次の図は、廃止前のルートとイベントを示しています。

廃止前の Route1 と関連イベント

次の表は、廃止前のイベントの詳細を示しています。

イベントルート名開始日終了日始点メジャー終点メジャー

Event1

Route1

1/1/2000

<NULL>

0

20

Event2

Route1

1/1/2000

<NULL>

20

30

Event3

Route1

1/1/2000

<NULL>

30

45

次のセクションでは、このルート廃止シナリオでイベントの振舞いを適用ツールを実行した後、イベントの振舞いルールがどのように適用されるか詳細に説明します。

維持イベントの振舞い

イベントの地理的位置は維持されますが、メジャーは変化する場合があります。 廃止領域にまたがる場合、イベントもスプリットされる可能性があり、廃止領域内の部分も廃止されます。

維持イベントの振舞いを含む廃止ルートの編集アクティビティには、次の影響があります。

  • Event1 は、編集セクション内に完全に含まれるため、廃止日に廃止されます。
  • Event2 の一部は、編集セクション内にあるため、廃止日に廃止されます。 廃止後のルート上に、廃止日を開始日とする新しいイベントが作成されます。 新しい Event2 の方が短く、Route1 の新しいメジャーに合わせて、始点メジャー値は 25 に、終点メジャー値は 30 に変更されます。
  • Event3 は、廃止領域にないため、影響を受けません。

次の図は、廃止後のルートとイベントを示しています。

構成されたイベントの振舞いが維持の場合の廃止後の Route1 および関連イベント
注意:

廃止されたイベントは、上記の図には描画されていません。

次の表は、廃止後のイベントの詳細を示しています。

イベントルート名開始日終了日始点メジャー終点メジャーロケーション エラー

Event1

Route1

1/1/2000

1/1/2005

0

20

エラーなし

Event2

Route1

1/1/2000

1/1/2005

20

30

エラーなし

Event2

Route1

1/1/2005

<NULL>

25

30

エラーなし

Event3

Route1

1/1/2000

<NULL>

30

45

エラーなし

移動イベントの振舞い

イベントのメジャーは維持されますが、地理的位置は変化する場合があります。

移動イベントの振舞いを含む廃止ルートの編集アクティビティには、次の影響があります。

  • Event1 の一部は、編集セクション内にあるため、廃止日に廃止されます。 廃止後のルート上に、廃止日を開始日とする新しいイベントが作成されます。 移動の振舞いではメジャーは変更されないため、Route1 の位置を特定する際に新しい Event1 にロケーション エラーが発生しますが、Route1 はすでに存在しません。 イベント テーブルには、新しい Event1 のレコードがありますが、ロケーション エラーにより、長さを持たないため、描画されません。
  • Event2 は、編集セクション内に完全に含まれるため、廃止日に廃止されます。 廃止後のルート上に、廃止日を開始日とする新しいイベントが作成されます。 移動の振舞いでは、メジャーは変更されないので、始点メジャーにロケーション エラーが生じます。これは、Route1 にそのメジャー (20) は存在しないからです。 新しい Event2 の一部は、まだ新しい Route1 上にあるため、Event2 の形状は、引き続き描画できます。
  • Event3 は、廃止領域にないため、影響を受けません。

次の図は、廃止後のルートとイベントを示しています。

構成されたイベントの振舞いが移動の場合の Route1 と関連イベント

次の表は、廃止後のイベントの詳細を示しています。

イベントルート名開始日終了日始点メジャー終点メジャーロケーション エラー

Event1

Route1

1/1/2000

1/1/2005

0

20

エラーなし

Event1

Route1

1/1/2005

<NULL>

0

20

ルートが見つかりません

Event2

Route1

1/1/2000

1/1/2005

20

30

エラーなし

Event2

Route1

1/1/2005

<NULL>

20

30

始点メジャーとの部分一致

Event3

Route1

1/1/2000

<NULL>

30

45

エラーなし

廃止イベントの振舞い

廃止領域に交差するイベントが廃止されます。

廃止イベントの振舞いを含む廃止ルートの編集アクティビティには、次の影響があります。

  • Event1 は、廃止領域内に完全に含まれるため、廃止日に廃止されます。
  • Event2 は、廃止領域に交差しているため、廃止日に廃止されます。
  • Event3 は、廃止領域にないため、影響を受けません。

次の図は、廃止後のルートとイベントを示しています。

構成されたイベントの振舞いが廃止の場合の廃止後の Route1 および関連イベント

次の表は、廃止後のイベントの詳細を示しています。

イベントルート名開始日終了日始点メジャー終点メジャーロケーション エラー

Event1

Route1

1/1/2000

1/1/2005

0

20

エラーなし

Event2

Route1

1/1/2000

1/1/2005

20

30

エラーなし

Event3

Route1

1/1/2000

<NULL>

30

45

エラーなし

スナップ イベントの振舞い

イベントの地理的位置は、廃止する新しいルート ロケーションにスナップすることで維持されますが、メジャーは変化する場合があります。 並列ルートが存在する廃止にまたがる場合、イベントも分割される可能性があります。

この例では、Route1 と並列である Route2 が存在します。 Route2 は逆方向で、始点メジャー値は 0、終点メジャー値は 55 です。

スナップ イベントの振舞いを含むルート廃止の編集アクティビティには、次の影響があります。

  • Event1 は、編集セクション内に完全に含まれるため、廃止日に廃止されます。 再配置セクションに並列ルートが存在するため、Event1 は、廃止後に並列ルートである Route2 にスナップします。 また、Route2 の方向に合わせて反転します。 新しいイベント レコードの廃止日は開始日です。 Event1 の地理的位置を維持するため、Event1 の新しい始点メジャー値は Route2 の 35 になり、終点メジャー値は 55 のままになりました。
  • Event2 は、一部が編集セクション内にあるため、廃止日に廃止されます。 次に、廃止日を開始日として、廃止後のルート上の 2 つのイベント レコードに分割されます。 これは、廃止セクションに並列ルートが存在し、廃止セクションの Event2 の部分が廃止後に、並列ルートである Route2 にスナップするためです。 また、Event2 のこの部分は、Route2 の方向に合わせて反転します。 その結果、Event2 は、地理的位置を維持するため 2 つに分割されます。 最初のイベント レコードの始点メジャー値は Route1 の 25、終点メジャー値は 30 です。 2 つ目のイベント レコードは Route2 にスナップし、始点メジャー値は Route2 の 30、終点メジャー値は 35 です。
  • Event3 は、廃止領域にないため、影響を受けません。

次の図は、廃止後のルートとイベントを示しています。

構成されたイベントの振舞いがスナップで、並列ルートが存在する場合の、再配置後の Route1 および関連イベント

次の表は、廃止後のイベントの詳細を示しています。

イベントルート名開始日終了日始点メジャー終点メジャーロケーション エラー

Event1

Route1

1/1/2000

1/1/2005

0

20

エラーなし

Event1

Route2

1/1/2005

<NULL>

35

55

エラーなし

Event2

Route1

1/1/2000

1/1/2005

20

30

エラーなし

Event2

Route1

1/1/2005

<NULL>

25

30

エラーなし

Event2

Route2

1/1/2005

<NULL>

30

35

エラーなし

Event3

Route1

1/1/2005

<NULL>

30

45

エラーなし

ルートにスパンするイベントを持つライン ネットワークのルートの詳細な振舞い

この例では、同じライン上に 4 つのルートがあり、ルートは、2000 年 1 月 1 日からアクティブになります。 廃止は、2005 年 1 月 1 日に行われるよう設定されており、Route1 全体と Route2 の半分が廃止されます。 [ルート下流の再キャリブレーション] オプションは選択されません。 以下の図と表で、廃止前後のルート情報を示します。

ルート廃止前

次の図は、廃止前のルートを示しています。

廃止前、LineA 上にある 4 つのルート

次の表は、廃止前のルートの詳細を示しています。

ルート名ライン名ライン順序開始日終了日始点メジャー終点メジャー

Route1

LineA

100

1/1/2000

<NULL>

0

10

Route2

LineA

200

1/1/2000

<NULL>

12

22

Route3

LineA

300

1/1/2000

<NULL>

25

35

Route4

LineA

400

1/1/2000

<NULL>

38

48

ルートの廃止後

次の図は、廃止後のルートを示しています。

廃止後の LineA の 3 つのルート

次の表は、廃止後のルートの詳細を示しています。

ルート名ライン名ライン順序開始日終了日始点メジャー終点メジャー

Route1

LineA

100

1/1/2000

1/1/2005

0

20

Route2

LineA

200

1/1/2000

1/1/2005

12

22

Route2

LineA

100

1/1/2005

<NULL>

17

22

Route3

LineA

300

1/1/2000

1/1/2005

25

35

Route3

LineA

200

1/1/2005

<NULL>

25

25

Route4

LineA

400

1/1/2000

1/1/2005

38

48

Route4

LineA

300

1/1/2005

<NULL>

38

48

廃止前のイベント

LineA 上のルートに、2 つのスパニング イベントが 2 つあります。 次の図は、廃止前のルートとイベントを示しています。

廃止前の 4 つのルートと関連イベント

次の表は、廃止前のイベントの詳細を示しています。

イベント ID開始日終了日始点ルート名終点ルート名始点メジャー終点メジャー

Event1

1/1/2000

<NULL>

Route1

Route3

0

30

Event2

1/1/2000

<NULL>

Route3

Route4

30

48

次のセクションでは、ライン ネットワークのライン上のルートが廃止された場合に、イベントの振舞いルールがどのように適用されるかを説明します。

維持イベントの振舞い

イベントの地理的位置は維持されますが、メジャーは変化する場合があります。 廃止領域にまたがる場合、イベントもスプリットされる可能性があり、廃止領域内の部分も廃止されます。

維持イベントの振舞いを含むルート廃止の編集アクティビティには、次の影響があります。

  • Event1 の一部は、編集セクション内にあるため、廃止日に廃止されます。 廃止後のルート上に、廃止日を開始日とする新しいイベントが作成されます。 Route2 の新しいメジャーに合わせて、始点メジャー値は Route2 の 12 に、終点メジャー値は Route3 の 30 に変更されるため、新しい Event1 の方が短くなります。
  • Event2 は、廃止領域にないため、影響を受けません。

次の図は、廃止後のルートとイベントを示しています。

構成されたイベントの振舞いが維持の場合の廃止後の 3 つのルートおよび関連イベント
注意:

廃止されたイベントは、上記の図には描画されていません。

次の表は、廃止後のイベントの詳細を示しています。

イベント ID開始日終了日始点ルート名終点ルート名始点メジャー終点メジャーロケーション エラー

Event1

1/1/2000

1/1/2005

Route1

Route3

0

30

エラーなし

Event1

1/1/2005

<NULL>

Route2

Route3

17

30

エラーなし

Event2

1/1/2000

<NULL>

Route3

Route4

30

48

エラーなし

移動イベントの振舞い

イベントのメジャーは維持されますが、地理的位置は変化する場合があります。

移動イベントの振舞いを含むルート廃止の編集アクティビティには、次の影響があります。

  • Event1 の一部は、編集セクション内にあるため、廃止日に廃止されます。 廃止後のルート上に、廃止日を開始日とする新しいイベントが作成されます。 移動の振舞いではメジャーは変更されないため、Route1 で始点メジャーの位置を特定する際に、新しい Event1 にロケーション エラーが発生しますが、Route1 はすでに存在しません。 イベント テーブルには、新しい Event1 のレコードがありますが、ロケーション エラーにより、長さを持たないため、描画されません。
  • Event2 は、廃止領域にないため、影響を受けません。

次の図は、廃止後のルートとイベントを示しています。

構成されたイベントの振舞いが移動の場合の廃止後の 3 つのルートおよび関連イベント

次の表は、廃止後のイベントの詳細を示しています。

イベント ID開始日終了日始点ルート名終点ルート名始点メジャー終点メジャーロケーション エラー

Event1

1/1/2000

1/1/2005

Route1

Route3

0

30

エラーなし

Event1

1/1/2005

<NULL>

Route1

Route3

0

30

ルートが見つかりません

Event2

1/1/2000

<NULL>

Route3

Route4

30

48

エラーなし

廃止イベントの振舞い

廃止領域に交差するイベントが廃止されます。

廃止イベントの振舞いを含むルート廃止の編集アクティビティには、次の影響があります。

  • Event1 は、廃止領域に交差しているため、廃止日に廃止されます。
  • Event2 は、廃止領域にないため、影響を受けません。

次の図は、廃止後のルートとイベントを示しています。

構成されたイベントの振舞いが廃止の場合の廃止後の 3 つのルートおよび関連イベント

次の表は、廃止後のイベントの詳細を示しています。

イベント ID開始日終了日始点ルート名終点ルート名始点メジャー終点メジャーロケーション エラー

Event1

1/1/2000

1/1/2005

Route1

Route3

0

30

エラーなし

Event2

1/1/2000

<NULL>

Route3

Route4

30

48

エラーなし

スナップ イベントの振舞い

イベントの地理的位置は、廃止する新しいルート ロケーションにスナップすることで維持されますが、メジャーは変化する場合があります。 並列ルートが存在する廃止にまたがる場合、イベントも分割される可能性があります。

この例では、Route5 は、LineA 上のルートと並列です。 Route5 は、LineB 上にあり、逆方向です。 始点メジャー値は 0、終点メジャー値は 40 です。

前述のルート廃止には、次の影響があります。

  • Event1 の一部は、編集セクション内にあるため、廃止日に廃止されます。 次に、廃止日を開始日として、廃止後のルート上の 2 つのイベント レコードに分割されます。 これは、廃止セクションに並列ルートが存在し、廃止セクションの Event1 の部分が廃止後に、並列ルートである Route5 にスナップするためです。 また、Event1 のこの部分は、Route5 の方向に合わせて反転します。 結果として、Event1 は、地理的位置を維持するため、2 つに分割されます。 最初のイベント レコードの始点メジャー値は Route2 の 16、終点メジャー値は Route3 の 30 です。 2 つ目のイベント レコードは Route5 にスナップし、始点メジャー値は 25、終点メジャー値は Route5 の 40 です。
  • Event2 は、廃止領域にないため、影響を受けません。

次の図は、廃止後のルートとイベントを示しています。

構成されたイベントの振舞いがスナップで、並列ルートが存在する場合の、廃止後の 3 つのルートおよび関連イベント

次の表は、廃止後のイベントの詳細を示しています。

イベント ID開始日終了日始点ルート名終点ルート名始点メジャー終点メジャーロケーション エラー

Event1

1/1/2000

1/1/2005

Route1

Route3

0

30

エラーなし

Event1

1/1/2005

<NULL>

Route2

Route3

17

30

エラーなし

Event1

1/1/2005

<NULL>

Route5

Route5

25

40

エラーなし

Event2

1/1/2000

<NULL>

Route3

Route4

30

48

エラーなし