イベントの置換

Location Referencing ライセンスで利用可能です。

パイプを置換するとき、置換されたパイプの一部だったイベントは、複数のイベント レイヤーをグループ化するイベント置換構成を使用して更新できます。これにより、1 回の編集操作で複数のイベントを廃止したり、新しいイベントに置換したりできます。

[イベントの置換] ウィンドウを使用する前に、[イベントの置換を構成] ダイアログ ボックスを使用して、「イベント置換構成を作成」する必要があります。

イベント置換シナリオ

以下の例では、[イベントの置換を構成] ダイアログ ボックスの 3 つのセクションのイベントは排他的です。 保存した構成を使用してイベントが置換されると、次のようになります。

  • [イベント レイヤー] リストのイベントは、そのまま残されます。
  • [イベントの廃止] リストのイベントは、[イベントの置換] ウィンドウで指定された日付に廃止されます。 廃止は、ポイント イベントとライン イベントの両方に対して有効です。
  • [イベントの廃止と置換] リストのイベントは、[イベントの置換] ウィンドウで指定された日付に廃止され、再作成されます。 廃止して置換されるのは、ライン イベントのみです。

ヒント:

この構成例は、以下のイベント置換手順で使用されます。

イベント置換の構成ダイアログ ボックス

[イベントの置換を構成] ダイアログ ボックスの [イベントの廃止と置換] リストで構成されるすべてのライン イベントは、[イベントの置換] ウィンドウで構成が選択されたときに、[属性の管理] に表示されます。

イベント置換方法

次の表には、下記の手順でイベントを置換するための方法が、詳しく示されています。

メジャーを特定する方法

方法説明サービスに必要な追加のフィーチャクラス追加情報

ルートとメジャー

メジャーは、選択したルートからのメジャー値に基づきます。

なし

ルートとメジャーによるライン イベントの追加

座標

メジャーは、x 座標、y 座標、z 座標によって配置されます。

なし

座標によるライン イベントの追加

位置のオフセット

メジャーは、ある位置からのオフセット距離として配置されます。

LRS 交点

位置のオフセットによるライン イベントの追加

イベント置換

イベント置換の構成を使用してイベントを置換するには、次の手順を実行します。

  1. ArcGIS Pro でマップを開き、イベントを置換する位置にズームします。
  2. [Location Referencing] タブの [イベント] グループで、[置換] 置換 をクリックします。

    [イベントの置換] ウィンドウが表示されます。

    [始点方法] ドロップダウン メニューと [終点方法] ドロップダウン メニューのデフォルト設定は、[ルートとメジャー] です。

    イベントの置換ウィンドウ
  3. [始点方法][終点方法] ドロップダウン リストから、置換するイベントを特定する方法を選択します。
    注意:

    始点メジャーと終点メジャーを特定するイベント置換方法には、任意の組み合わせを使用できます。 たとえば、[ルートとメジャー] を使用して始点メジャー値を選択し、[座標] を使用してマップ上のルートに沿った終点メジャー値を定義することができます。

  4. [次へ] をクリックします。

    選択した方法が、[始点] セクション ラベルと [終点] セクション ラベルに表示されます。 たとえば、選択した始点方法が、[ルートとメジャー] で、選択した終点方法が [座標] の場合は、[始点: ルートとメジャー] および [終点: 座標] と表示されます。

    方法として [座標] を選択した場合は、空間参照を選択し、提供されるいずれかのツールを使用して、メジャー値を座標として指定します。

    [位置のオフセット] を方法として選択した場合は、入力ネットワークに関連付けられた [LRS 交点] フィーチャクラスを選択し、用意されているツールのいずれかを使用して、メジャー値をある位置からのオフセットとして指定します。

    ルートとメジャーを使用するイベントの置換ウィンドウ
  5. [ネットワーク] ドロップダウン矢印をクリックし、イベント置換のソース リニア リファレンス方法 (LRM) として、使用するネットワークを選択します。
    注意:

    ネットワークは、フィーチャ サービス レイヤーとして公開された LRS ネットワークである必要があります。

  6. イベントが配置されているラインの名前を [ライン名] テキスト ボックスに入力します。

    [マップからラインを選択] ツール マップからラインを選択 をクリックし、マップ上のラインをクリックします。

  7. [始点: ルートとメジャー] セクションで、次のいずれかを実行して、置換の始点メジャーが配置されているルートを指定します。
    • そのルートの名前を [ルート名] テキスト ボックスに入力します。
    • [マップからルートを選択] マップからルートを選択 をクリックし、マップ上のルートをクリックします。
  8. [始点: ルートとメジャー] セクションで、次のいずれかを実行し、メジャーを指定します。
    • 始点メジャーを [メジャー] テキスト ボックスに入力します。
    • [マップからメジャーを選択] マップからメジャー値を選択 をクリックしてから、マップ上で始点メジャーの位置をクリックします。
    • [ルート始点メジャーを使用] チェックボックスをオンにして、そのルートの始点メジャーをイベント置換の [始点] メジャー値として使用します。

    マップ上の選択された位置に、緑のドットが表示されます。

  9. 必要に応じて、[始点: ルートとメジャー] セクションで、ドロップダウン矢印を使用して、メジャーの単位を選択します。
  10. [終点: ルートとメジャー] セクションで、次のいずれかを実行して、置換の終点メジャーが配置されているルートを指定します。
    注意:

    ルートが 1 つしかない場合は、このセクションのテキスト ボックスは非アクティブになります。

    • そのルートの名前を [ルート名] テキスト ボックスに入力します。
    • [マップからルートを選択] マップからルートを選択 をクリックしてから、マップ上で終点メジャーの位置をクリックします。
  11. [終点: ルートとメジャー] セクションで、次のいずれかを実行して、そのルートに沿ったイベント置換の終点メジャーを指定します。
    • 終点メジャーを [メジャー] テキスト ボックスに入力します。
    • [マップからメジャーを選択] マップからメジャー値を選択 をクリックしてから、マップ上で終点メジャーの位置をクリックします。
    • [ルート終点メジャーを使用] チェックボックスをオンにして、そのルートの終点メジャーをイベント置換の [終点] メジャー値として使用します。

    マップ上の選択された位置に、赤いドットが表示されます。

    注意:

    指定した始点メジャー値と終点メジャー値の間に配置されているイベントが、次のように更新されます。

    • [イベントの廃止] リストのイベントが廃止されます。
    • [イベントの廃止と置換] リストのイベントが廃止され、新しいイベントで置換されます。

  12. 必要に応じて、[終点: ルートとメジャー] セクションで、ドロップダウン矢印を使用して、メジャーの単位を選択します。
  13. 次のいずれかを実行し、置換されるイベントの開始日となる日付を指定します。
    • [開始日] テキスト ボックスに、日付を入力します。
    • [カレンダー] カレンダー を使用して、開始日を選択します。
    • [ルート開始日] チェックボックスをオンにし、ルート開始日を使用します。
    注意:

    開始日は、次のように使用されます。

    • 廃止日 - [イベントの廃止] リストのイベント用
    • 廃止日 - [イベントの廃止と置換] リストのイベント用
    • 開始日 - [イベントの廃止と置換] リストの置換イベント用

  14. 必要に応じて、次のいずれかを実行し、置換されるイベントの終了日となる日付を指定します。
    • [終了日] テキスト ボックスに、日付を入力します。
    • [カレンダー] カレンダー を使用して、終了日を選択します。
    • [ルート終了日] チェックボックスをオンにし、ルート終了日を使用します。
    注意:

    終了日は、[廃止と置換] リストのイベント置換の終了日として使用されます。

  15. [次へ] をクリックします。

    [属性の管理] オプションが、[イベントの置換] ウィンドウに表示されます。

    イベント置換属性
    注意:

    廃止するように構成されているイベントも、廃止して置換するように構成されているイベントも存在しない場合は、メッセージが表示されます。

  16. [イベントの置換] ドロップダウン矢印をクリックし、イベント置換構成を選択します。

    構成された各イベント レイヤーの編集可能なカスタム属性がリストされます。 廃止するよう構成されたイベントは置換されないため、リストされません。

    ヒント:

    イベントを廃止しない場合は、そのまま残すように構成を更新します。 イベントをそのまま残すには、イベント置換を実行する前に、[イベントの廃止] リストにも、[イベントの廃止と置換] リストにも、表示されていてはなりません。

  17. 属性フィールドに、置換値を指定します。
  18. [実行] をクリックし、指定したルートまたはルート セグメントに対して、イベント置換を完了します。
    • [イベントの廃止] リストのイベントは廃止されます。
    • [イベントの廃止と置換] リストのイベントは廃止され、再作成され、マップに表示されます。

イベント置換を使用する際の対象オフセット

Pipeline Referencing イベント データ モデルでは、対象イベント フィールドの構成と、[対象フィールドの有効化 (Enable Referent Fields)] ツールを使用した有効化がサポートされています。 レイヤーで対象フィールドが構成され、有効化されると、イベントが置換されたときに対象ロケーションが設定され、そのレイヤーで持続します。

ライン イベントが [ルートとメジャー] メソッドで置換される場合、親 LRS ネットワークは、FromRefMethod 値および ToRefMethod 値として使用され、ルートは、FromRefLocation 値および ToRefLocation 値として使用され、FromRefOffset フィールドと ToRefOffset フィールドは、ルート メジャーを使用して設定されます。

ライン イベントが [座標] メソッドで置換される場合、X/Y は、FromRefMethod 値および ToRefMethod 値として使用され、地理座標は、FromRefLocation 値および ToRefLocation 値として使用され、FromRefOffset フィールドと ToRefOffset フィールドには、0 が設定されます。

ライン イベントが [位置のオフセット] メソッドで置換される場合、オフセット位置として使用される LRS 交点フィーチャクラスは、FromRefMethod 値および ToRefMethod 値として使用され、LRS 交点フィーチャは、FromRefLocation および ToRefLocation として使用され、FromRefOffset フィールドと ToRefOffset フィールドは、入力オフセット メジャー値を使用して設定されます。

以下の例に、対象値が有効になったライン イベントの置換を示します。

ルートとメジャーでライン イベントを置換する前

次の例では、3 つの既存のイベントにルートとメジャーを使用して、対象が設定されています。 結果セグメント イベントと影響可能セグメント イベントは、更新されたメジャーと異なる日付を使用して置換され、パイプ露出イベントは廃止されました。

次の図は、イベント置換前のルートと関連ライン イベントを示しています。

イベント置換前

次の表は、イベント置換前のルートの詳細を示しています。

ルート ID開始日終了日始点メジャー終点メジャー

R1

1/1/2000

<NULL>

0

5

R2

1/1/2000

<NULL>

7

12

R3

1/1/2000

<NULL>

13

18

次の表は、イベント作成前のレイヤーのイベント対象フィールドの詳細を示しています。

FromRefMethodFromRefLocationFromRefOffsetToRefMethodToRefLocationToRefOffset

PipeSeriesNetwork

R1

0

PipeSeriesNetwork

R3

18

次の表は、イベント置換前のデフォルト イベント フィールドを示しています。 各ライン イベント レイヤーには、同じ日付およびメジャーが含まれています。

イベント ID始点ルート ID終点ルート ID開始日終了日始点メジャー終点メジャー

Event1

R1

R3

1/1/2000

<NULL>

0

18

ルートとメジャーを使用してライン イベントを置換した後

次の図は、イベント置換後のルートと関連ライン イベントを示しています。

開始 (始点) メジャーと終了 (終点) メジャーは、2005 年 1 月 1 日の時点で、結果セグメント イベントと影響可能セグメント イベントで置換され、パイプ露出イベントは、2005 年 1 月 1 日の時点で廃止されています。

イベント置換後

次の表は、イベント置換後のイベント対象フィールドの詳細を示しています。

FromRefMethodFromRefLocationFromRefOffsetToRefMethodToRefLocationToRefOffset

PipeSeriesNetwork

R1

2.5

PipeSeriesNetwork

R3

15.5

次の表は、イベント置換後のデフォルト イベント フィールドの詳細を示しています。

結果セグメント

イベント ID始点ルート ID終点ルート ID開始日終了日始点メジャー終点メジャー

Event1

R1

R3

1/1/2000

1/1/2005

0

18

Event1

R1

R3

1/1/2005

<NULL>

2.5

15.5

影響可能セグメント

イベント ID始点ルート ID終点ルート ID開始日終了日始点メジャー終点メジャー

Event1

R1

R3

1/1/2000

1/1/2005

0

18

Event1

R1

R3

1/1/2005

<NULL>

2.5

15.5

パイプ露出

イベント ID始点ルート ID終点ルート ID開始日終了日始点メジャー終点メジャー

Event1

R1

R3

1/1/2000

1/1/2005

0

18

座標を使用してライン イベントを置換する前

次の例では、座標を使用して、対象が設定されている 3 つのイベント レイヤーが、更新された座標を使用して、2005 年 1 月 1 日に置換されます。 結果セグメント イベントと影響可能セグメント イベント レコードは、更新されたメジャーと異なる日付を使用して置換され、パイプ露出イベントは廃止されました。

次の図は、イベント置換前のルートと関連ライン イベントを示しています。

イベント置換前

次の表は、イベント置換前のルートの詳細を示しています。

ルート ID開始日終了日始点メジャー終点メジャー

R1

1/1/2000

<NULL>

0

5

R2

1/1/2000

<NULL>

7

12

R3

1/1/2000

<NULL>

13

18

次の表は、イベント作成前のレイヤーのイベント対象フィールドの詳細を示しています。

FromRefMethodFromRefLocationFromRefOffsetToRefMethodToRefLocationToRefOffset

X/Y

33.984980, -117.306397, 20

0

X/Y

33.965456, -117.265669, 20

0

座標を使用してライン イベントを置換した後

次の図は、イベント置換後のルートと関連ライン イベントを示しています。

イベント置換後

次の表は、イベント置換後のイベント対象フィールドの詳細を示しています。

FromRefMethodFromRefLocationFromRefOffsetToRefMethodToRefLocationToRefOffset

X/Y

33.977588, -117.291149, 20

0

X/Y

33.960388, -117.279564, 20

0

次の表は、イベント置換後のデフォルト イベント フィールドの詳細を示しています。

結果セグメント

イベント ID始点ルート ID終点ルート ID開始日終了日始点メジャー終点メジャー

Event1

R1

R3

1/1/2000

1/1/2005

0

18

Event1

R1

R3

1/1/2005

<NULL>

2.5

15.5

影響可能セグメント

イベント ID始点ルート ID終点ルート ID開始日終了日始点メジャー終点メジャー

Event1

R1

R3

1/1/2000

1/1/2005

0

18

Event1

R1

R3

1/1/2005

<NULL>

2.5

15.5

パイプ露出

イベント ID始点ルート ID終点ルート ID開始日終了日始点メジャー終点メジャー

Event1

R1

R3

1/1/2000

1/1/2005

0

18

位置のオフセットを使用してライン イベントを置換する前

次の例では、位置のオフセットを使用して、対象が設定されている 3 つのイベント レイヤーが、更新された交点の位置を使用して、2005 年 1 月 1 日に置換されます。 結果セグメント イベントと影響可能セグメント イベントは、更新されたメジャーと異なる日付を使用して置換され、パイプ露出イベントは廃止されました。 ルート上の LRS 交点フィーチャクラスは、パイプ シリーズ ネットワーク交点であり、入力交点レイヤーとして使用されます。 交点 1 は、メジャー 4 のルート R1 上にあり、交点 2 は、メジャー 14 のルート R3 上にあります。

次の図は、置換前のルートと関連ライン イベントを示しています。

イベント置換前

次の表は、イベント置換前のルートの詳細を示しています。

ルート ID開始日終了日始点メジャー終点メジャー

R1

1/1/2000

<NULL>

0

5

R2

1/1/2000

<NULL>

7

12

R3

1/1/2000

<NULL>

13

18

次の表は、イベント作成前のレイヤーのイベント対象フィールドの詳細を示しています。

FromRefMethodFromRefLocationFromRefOffsetToRefMethodToRefLocationToRefOffset

Pipe Series Network Intersections

Intersection 1

-4

Pipe Series Network Intersections

Intersection 2

4

位置のオフセットを使用してライン イベントを置換した後

次の図は、イベント置換後のルートと関連ライン イベントを示しています。

イベント置換後

次の表は、イベント置換後のイベント対象フィールドの詳細を示しています。

FromRefMethodFromRefLocationFromRefOffsetToRefMethodToRefLocationToRefOffset

Pipe Series Network Intersections

Intersection 1

-1.5

Pipe Series Network Intersections

Intersection 2

1.5

次の表は、イベント置換後のデフォルト イベント フィールドの詳細を示しています。

結果セグメント

イベント ID始点ルート ID終点ルート ID開始日終了日始点メジャー終点メジャー

Event1

R1

R3

1/1/2000

1/1/2005

0

18

Event1

R1

R3

1/1/2005

<NULL>

2.5

15.5

影響可能セグメント

イベント ID始点ルート ID終点ルート ID開始日終了日始点メジャー終点メジャー

Event1

R1

R3

1/1/2000

1/1/2005

0

18

Event1

R1

R3

1/1/2005

<NULL>

2.5

15.5

パイプ露出

イベント ID始点ルート ID終点ルート ID開始日終了日始点メジャー終点メジャー

Event1

R1

R3

1/1/2000

1/1/2005

0

18

競合の防止が有効になっている場合のイベント編集

[イベントの置換] ウィンドウで、イベント レイヤーのロックを取得後、次の条件でイベントを編集できます。

  • イベントがあるルートのフィーチャ サービスのすべてのバージョンで、[イベントの置換] ウィンドウで、イベント レイヤーをロックしているユーザーがいません。
  • 操作しているフィーチャ サービスと同じバージョンの [イベントの置換] ウィンドウで、イベント レイヤーに既存のイベント ロックがありません。

次の条件では、[イベントの置換] ウィンドウのイベントを編集できません。

  • イベントがあるルートで、[イベントの置換] ウィンドウのイベント レイヤーの一部またはすべてが、別のユーザーによってロックされています。
  • 自分が、[イベントの置換] イベントのイベント レイヤーの一部またはすべてをロックしているが、バージョンが異なります。
  • 別のユーザーによってロックされているルート上に、イベントがあります。
  • 自分によってロックされているルート上にイベントはあるが、バージョンが異なります。