ルートの廃止

Location Referencing ライセンスで利用可能です。

パイプラインのライフスパンのなかでは、環境問題、期間、エロージョン、修理作業など、大幅な変更でルート セグメントの廃止、ルート全体の廃止、指定した時間枠の同じラインに属する複数の隣接するルートの廃止が必要になることがあります。

廃止するルートのセクションを指定すると、そのセクションは、特定のネットワークの指定した時間枠のルートから削除されます。 [廃止] ツールを使用してルートを廃止すると、LRS ネットワーク フィーチャクラス内のルートの To Date フィールドに、廃止日が設定されます。

ルートのセクションを廃止すると、廃止操作の正確なロケーションに合わせて、中心線フィーチャがスプリットされます。 残りのルートが適切にキャリブレーションされるように、キャリブレーション ポイントも追加されます。

ルートの廃止シナリオ

以下では、ルートの廃止シナリオについて説明します。

再キャリブレーションを伴わないルートでの廃止

廃止対象は、ルートの始点からルートの中点までです。

ルートおよびメジャーの入力

始点ルートRouteX

始点メジャー

0

終点メジャー

5

下流の再キャリブレーション

No

廃止された後、ルートは再キャリブレーションされず、下流のメジャーは変わりません。

廃止は 1 つのルートに限られているため、ライン順序は変更されません。

ルートおよびメジャーの出力

下流の再キャリブレーションを伴うルートでの廃止

廃止対象は、ルートの始点からルートの中点までです。 ルートは下流で再キャリブレーションされ、下流のメジャーが更新されます。

下流の再キャリブレーションを伴うルートでの廃止の入力

始点ルートRouteX

始点メジャー

0

終点メジャー

5

下流の再キャリブレーション

Yes

残りのルートの始点メジャーは、廃止される前のルートの始点メジャーと同じ値に更新されます。

廃止は 1 つのルートに限られているため、ライン順序は変更されません。

下流の再キャリブレーションを伴うルートでの廃止の出力

下流の再キャリブレーションを伴わないルート間の廃止

廃止は、同じラインに含まれる 2 つのルート (RouteX と RouteY) の間で行われます。 ルートは廃止の下流で再キャリブレーションされないため、下流のメジャーは変わりません。

下流の再キャリブレーションを伴わないルートでの廃止の入力

RouteX が完全に廃止されるため、下流のルートのライン順序が更新されます。

下流の再キャリブレーションを伴わないルートでの廃止の出力

始点ルートRouteX

始点メジャー

0

終点ルート

RouteY

終点メジャー

4

下流の再キャリブレーション

No

下流の再キャリブレーションを伴うルート間の廃止

廃止は、同じラインに含まれる 2 つのルート (RouteX と RouteY) の間で行われます。

例 4 の入力: ルートおよびメジャー

ルートは廃止の下流で再キャリブレーションされるため、下流のメジャーはターゲット ルート (RouteY) の終点まで更新されます。 RouteX が完全に廃止されるため、下流のルートのライン順序が更新されます。

例 4 の出力: ルートおよびメジャー

始点ルートRouteX

始点メジャー

0

終点ルート

RouteY

終点メジャー

4

下流の再キャリブレーション

Yes

複雑なルートの廃止シナリオ

以下では、ループ ルート、ロリポップ ルート、ブランチ ルート、アルファ ルート、および無限ルートを含む、複雑なルートのルート廃止シナリオについて説明します。

ループ ルートでの廃止

次の例では、RouteX の始点メジャーが 0、終点メジャーが 12 になっています。 廃止は、ループ ルートの中点から終点までで行われます。

ループ ルートでの入力

始点ルートRouteX

始点メジャー

9

終点メジャー

12

下流の再キャリブレーション

No

廃止された後、RouteX は単純なルートになります。

ループ ルートでの出力

ロリポップ ルートでの廃止

廃止は、ロリポップ ルートの中点で行われます。 次の例では、RouteX の始点メジャーが 0、終点メジャーが 15 になっています。

ロリポップ ルートでの入力

始点ルートRouteX

始点メジャー

4

終点メジャー

8

下流の再キャリブレーション

No

廃止された後、RouteX はブランチ ルートになります。

廃止は 1 つのルートに限られているため、ライン順序は変更されません。

ロリポップ ルートでの出力

2 つ目の例では、廃止はロリポップ ルートの中点から終点までで行われます。

ロリポップ ルートでの入力

始点ルートRouteX

始点メジャー

12

終点メジャー

15

下流の再キャリブレーション

No

廃止された後、RouteX はループ ルートになります。

廃止は 1 つのルートに限られているため、ライン順序は変更されません。

ロリポップ ルートでの出力

ブランチ ルートでの廃止

次の例では、RouteX の始点メジャーが 0、終点メジャーが 9 になっています。 廃止は、ブランチ ルートの始点から中点までで行われます。

始点が廃止されているブランチ ルートでの入力

始点ルートRouteX

始点メジャー

0

終点メジャー

3

下流の再キャリブレーション

No

廃止された後、RouteX は単純なルートになります。

廃止は 1 つのルートに限られているため、ライン順序は変更されません。

始点が廃止されているブランチ ルートでの出力

2 つ目の例では、廃止はブランチ ルートの中点から終点までで行われます。

中点から廃止されているブランチ ルートでの入力

始点ルートRouteX

始点メジャー

6

終点メジャー

9

下流の再キャリブレーション

No

廃止された後、RouteX は単純なルートになります。

廃止は 1 つのルートに限られているため、ライン順序は変更されません。

中点から廃止されているブランチ ルートでの出力

アルファ ルートでの廃止

廃止は、アルファ ルートの始点から中点までで行われます。 次の例では、RouteX の始点メジャーが 0、終点メジャーが 18 になっています。

アルファ ルートでの入力

始点ルートRouteX

始点メジャー

0

終点メジャー

6

下流の再キャリブレーション

No

廃止された後、RouteX は単純なルートになります。

廃止は 1 つのルートに限られているため、ライン順序は変更されません。

アルファ ルートでの出力

無限ルートでの廃止

廃止は、無限ルートの中点から終点までで行われます。 次の例では、RouteX の始点メジャーが 0、終点メジャーが 24 になっています。

無限ルートでの入力

始点ルートRouteX

始点メジャー

18

終点メジャー

24

下流の再キャリブレーション

No

廃止された後、RouteX はアルファ ルートになります。

廃止は 1 つのルートに限られているため、ライン順序は変更されません。

無限ルートでの出力

ネットワーク タイプ別のパラメーター

次の表に、[廃止] ツールで使用するパラメーターを示します。

エンジニアリング ステーショニング ネットワークに使用されるパラメーター

パラメーター説明

ネットワーク

エンジニアリング ステーショニング ルートが存在するネットワーク。

廃止日

地上で廃止が行われた日付。

始点ルート名

廃止を開始するルート。

始点メジャー

廃止が開始するソース ルート上のメジャー。緑のドットで示されます。

ルート開始メジャーを使用

ソース ルートの始点メジャー。

終点ルート名

廃止を終了するルート。 たとえば、1 つのルートで廃止を実行する場合は、ソース ルートとターゲット ルートが同じになります。

終点メジャー

廃止が終了するターゲット ルート上のメジャー。赤のドットで示されます。

ルート終点メジャーを使用

ターゲット ルートの終点メジャー。

ルート下流の再キャリブレーション

メジャーの全体的なセットから、廃止されたルートの長さを削除します。

連続的なメジャー ネットワークに使用されるパラメーター

パラメーター説明

ネットワーク

連続的なルートが存在するネットワーク。

廃止日

地上で廃止が行われた日付。

ルート名

廃止が行われるルート。

始点メジャー

廃止が開始するソース ルート上のメジャー。緑のドットで示されます。

ルート開始メジャーを使用

ソース ルートの始点メジャー。

終点メジャー

廃止が終了するソース ルート上のメジャー。赤のドットで示されます。

ルート終点メジャーを使用

ターゲット ルートの終点メジャー。

ルート下流の再キャリブレーション

メジャーの全体的なセットから、廃止されたルートの長さを削除します。

ルートの廃止

ルートを廃止するには、次の手順を実行します。

注意:

ルートを編集する際は、「ギャップ キャリブレーション ルール」が適用されます。

  1. 中心線フィーチャクラスとネットワーク フィーチャクラスをマップに追加します。

    または、中心線とネットワーク フィーチャクラスが存在するマップを開きます。

    注意:

    情報モデル」では、特定場所で 1 つの中心線のみが必要です。 編集に使用する中心線が LRS で他の中心線とオーバーラップしていないことを確認します。

    注意:

    トラディショナル バージョン対応ネットワークは、ジオデータベースへの直接接続を介して編集する必要があります。 ブランチ バージョン対応ネットワーク (ユーザー生成ルート ID を使用して構成されたネットワークを含む) は、「フィーチャ サービスを通じて編集」する必要があります。

  2. ルートを廃止するロケーションを拡大表示します。
  3. [Location Referencing] タブの [ルート] グループで、[廃止] 廃止 をクリックします。

    [ルートの廃止] ウィンドウが表示されます。

    ルートの廃止ウィンドウ
  4. [ネットワーク] ドロップダウン矢印をクリックし、廃止するルートを含むネットワークを選択します。
    注意:

    フィーチャ サービスを使用して編集するには、LRS ネットワークが「リニア リファレンスおよびバージョン管理」機能を備えた状態で公開される必要があります。

  5. [廃止日] ドロップダウン矢印をクリックし、廃止日を選択します。
    • または、[廃止日] テキスト ボックスに、日付を入力します。
    • 空の [廃止日] テキスト ボックスをダブルクリックして、現在の日付を入力します。
  6. [マップからルートを選択] ボタン マップからルートを選択 をクリックして、[始点ルート名] パラメーターの廃止対象ルートを選択します。
    注意:

    [マップからルートを選択] ボタン マップからルートを選択 または [マップからメジャー値を選択] ボタン マップからメジャー値を選択 をクリック後、ルートにポインターを合わせると、ポインターの位置のルートおよびメジャーを確認できます。

    適用できるルートが編集位置に 1 つのみ存在する場合は、クリックして選択します。 適用できるルートが複数ある場合は、[ルートの選択] ダイアログ ボックスを使用して、適用できるルートのいずれかを選択します。

    [オプション] ダイアログ ボックスの [Location Referencing] タブで、「ルートおよびメジャーの情報を表示するためのマップ縮尺オプションを設定」できます。

  7. [始点メジャー] テキスト ボックスに始点メジャーを入力するか、[マップからメジャーを選択] ボタン マップからメジャー値を選択 をクリックして、値を設定します。
    ヒント:

    [ルート開始メジャーを使用] チェックボックスをオンにして、ルートの始点メジャーを選択することもできます。

    ルートの始点メジャー位置に、緑のドットが配置されます。

  8. [マップからルートを選択] ボタン マップからルートを選択 をクリックして、[終点ルート名] パラメーターの廃止対象ルートを選択します。

    廃止が 1 つのルートに制限されている場合、[始点ルート名][終点ルート名] の値は同じになります。

  9. [終点メジャー] テキスト ボックスに終点メジャーを入力するか、[マップからメジャーを選択] ボタン マップからメジャー値を選択 をクリックして、終点メジャーを設定します。
    ヒント:

    [ルート終点メジャーを使用] チェックボックスをオンにして、ルートの終点メジャーを選択することもできます。

    注意:

    ライン ネットワークの場合、メジャーは 00+00.00 または 00+00.000 形式のステーション値として入力できます。

    必要に応じて、[ルート下流の再キャリブレーション] チェックボックスをオンにして、メジャーの全体的なセットから廃止されたルートの長さを削除します。

    [ルート下流の再キャリブレーション] チェックボックスをオフにすると、廃止の場所がルートの終点でない場合、ルートにメジャーのギャップが生じることがあります。

    同じルートで [始点メジャー][終点メジャー] の値が同じ場合は、ルートを廃止できません。

    ルートの終点メジャー位置に、赤のドットが配置されます。

  10. [実行] をクリックします。
    注意:
    • ルートの編集により、ルート上に 1 つ以上の物理的ギャップが生じる場合、ツールが実行される前に警告するプロンプトが表示されます。 ギャップを含むルートを作成しない場合、[いいえ] をクリックします。
    • 編集中のルートにすでに 1 つ以上の物理的ギャップが存在し、編集によって追加の物理的ギャップが生じなかった場合、プロンプトは表示されません。
    • この警告は、[オプション ダイアログ ボックスの [Location Referencing] タブ」にある [物理的なギャップを作成する可能性があるルートの編集を許可する前に警告] チェックオフにして無効化することができます。

    ルートの選択したセクションが廃止されます。

    注意:

    ルートの廃止アクティビティの結果、ルートのみまたはルートのセクションが廃止されます。中心線は廃止されません。

    注意:

    ロックの取得やリコンサイルに関するメッセージが表示された場合、「競合の防止」が有効になっています。

    注意:

    ユーティリティ ネットワークと Pipeline Referencing 複合配置では、この編集操作のために中心線がスプリットされると、その中心線の RouteIDFrom MeasureTo Measure フィールドが更新されます。