イベントのマージ

Location Referencing ライセンスで利用可能です。

ArcGIS Roads and Highways は、LRL 内の断片化を減らすために、同じ LRS イベント フィーチャクラスの一部である複数の隣接リニア イベントをマージする機能をサポートしています。

[イベントのマージ] ツール イベントのマージ を使用して、複数の隣接イベントを 1 つのターゲット イベントに結合できます。 すべての入力イベントは、マージされたイベントの開始日に廃止されます。

デフォルトでは、マージされたイベントは、デジタイズの方向で最初の入力イベントからの始点メジャー値と、デジタイズの方向で最後の入力イベントからの終点メジャー値を取得します。 マージをコミットする前に、マージされたレイヤーの属性を編集できます。

イベントのマージのシナリオ

次の例では、複数のイベントを 1 つの出力イベントにマージする操作を示しています。

マージ前

次の図は、マージを適用する前のルート上にある 3 つのライン イベントを示しています。

マージ前のルート上のイベント

次の表は、編集前のイベントの詳細を示したものです。

イベント ID開始日終了日ルート ID始点メジャー終点メジャー

Event1

1/1/2000

<NULL>

Route1

0

6

Event2

1/1/2000

<NULL>

Route1

6

13

Event3

1/1/2000

<NULL>

Route1

13

20

マージ後

マージ後は、維持されたイベント ID (Event1) のみが残ります。 この例では、マージされたイベントのメジャーは、Event1 の始点メジャー値および Event3 の終点メジャー値と一致します。 [イベントのマージ] ウィンドウの [マージされたイベント属性] テーブルを使用して、マージされたイベントに別の始点メジャーと終点メジャーを指定することができます。

マージ前のルート上のイベント

次の表は、編集後のマージされたイベントの詳細を示したものです。

イベント ID開始日終了日ルート ID始点メジャー終点メジャー

Event1

1/1/2000

<NULL>

Route1

0

20

対象オフセット値がある場合のマージ前

選択したイベントに対象オフセット値が構成されている場合、[イベントのマージ] ウィンドウでメジャー値が変更されない場合はその値が適用されます。 [イベントのマージ] ウィンドウでメジャー値が変更された場合、対象オフセット値は無視され、指定したメジャーが使用されます。

次の図は、編集前のルートを示しています。

対象オフセット値がある場合のイベントのマージ前

次の表は、編集前のイベントの詳細を示したものです。 この場合、交点のオフセット方法を使用して、IntersectionX での FromRefMethod および ToRefMethod の値が FromRefLocation および ToRefLocation の値として設定され、イベントに対象オフセット値が構成されています。

イベント ID開始日終了日ルート ID始点メジャーFromRefOffset終点メジャー終点対象オフセット

EventA

1/1/2000

<NULL>

Route1

0

10

10

0

EventB

1/1/2000

<NULL>

Route1

10

0

20

10

対象オフセット値がある場合のマージ後

EventA と EventB のマージ後、2 つの結果が考えられます。これらは、[イベントのマージ] ウィンドウでメジャーが変更されたかどうかによって変わります。

既存のメジャーを使用して 2 つのイベントがマージされた場合、結果のマージされたイベント (EventA) は対象オフセット値を適用します。

対象オフセット値が適用された場合のイベントのマージ後

イベント ID開始日終了日ルート ID始点メジャーFromRefOffset終点メジャーFromRefOffset

EventA

1/1/2000

<NULL>

Route1

0

10

20

10

[イベントのマージ] ウィンドウで始点メジャーが 5、終点メジャーが 15 に変更された場合、出力イベントの始点メジャーと終点メジャーは、指定したメジャーを使用して更新されます。

IntersectionX は対象ロケーションとして使用されなくなったため、FromRefMethod と ToRefMethod の値は <NULL> になります。 EventA のメジャーはルート メジャーに基づくようになったので、FromRefLocation と ToRefLocation の値は LRS ネットワーク名に変更され、FromRefOffset と ToRefOffset の値は、指定したメジャーに置き換えられます。

指定したメジャーで対象オフセット値をオーバーライドする場合のイベントのマージ後

イベント ID開始日終了日ルート ID始点メジャー始点対象オフセット終点メジャー終点対象オフセット

EventA

1/1/2000

<NULL>

Route1

5

5

15

15

複数のイベントのマージ

[イベントのマージ] ウィンドウを使用してイベントをマージするには、次の手順を実行します。

  1. ArcGIS Pro でマップを開き、イベントをマージする位置にズームします。
  2. [Location Referencing] タブをクリックし、[イベント] グループで [マージ] イベントのマージ をクリックします。

    [イベントのマージ] ウィンドウが表示されます。

    イベント選択前のイベントのマージ ウィンドウ
  3. [イベント レイヤー] ドロップダウン リストで、マージするイベントを含むイベント レイヤーを選択します。

    以下の例では、[Facility Type] が選択されたイベント レイヤーです。

  4. イベントの周囲に境界四角形を描画して、マップ上のイベントを選択します。
    ヒント:

    マップ上のイベントを選択するには、次のいずれかの選択ツールを使用します。 また、[イベントのマージ] ウィンドウがアクティブなときにイベント レイヤーの属性テーブル内の行を選択して、[マージするイベント] テーブルを設定することもできます。

    どちらの場合も、[マージするイベント] テーブルを設定するには、イベントが [イベント レイヤー] ドロップダウン リストで選択されたのと同じイベント レイヤーに属する必要があります。

    選択した各イベントは、[マージするイベント] テーブルの行に、その Object ID を使用して、ルート上のキャリブレーションの順序で配置されます。

    イベント レイヤー内のイベント フィーチャが選択された後のイベントのマージ ウィンドウ
  5. 必要に応じて、[開始日] および [終了日] テキスト ボックスで日付を変更します。

    開始日のデフォルトは、今日の日付です。

  6. 必要に応じて、[マージされたイベント属性] テーブルで属性を編集します。

    イベント ID、ルート ID などの LRS フィールドは編集できません。

    注意:

    [マージされたイベント属性] テーブルのフィールドを構成する場合、コード値、範囲ドメイン、サブタイプ、属性ルールがサポートされています。

  7. [実行] をクリックして、イベントをマージします。

    イベントがマージされると、ウィンドウの上部に確認メッセージが表示されます。

競合の防止が有効になっている場合の編集

次の条件では、ロックの取得後に複数の隣接イベントをマージできます。

  • イベントがあるルートのフィーチャ サービスのすべてのバージョンで、イベント レイヤーをロックしているユーザーがいない。
  • 現在作業しているイベント レイヤーに、自分のイベント ロックがある。
  • イベントがあるルートの現在のバージョンに、自分のロックがある。
  • 現在作業しているのと同じバージョンで別のネットワークの並列ルートに、自分のロックがある。
  • 同じルートの他のイベントに、別のバージョンで別のユーザーが取得したロックがある場合は、イベント レイヤーを編集できます。

次の条件では、複数の隣接イベントをマージすることはできません。

  • イベントがあるルートで、別のユーザーによってイベント レイヤーがロックされている。
  • イベントがあるルートの別のバージョンのイベント レイヤーが、自分によってロックされている。
  • イベントがあるルートが別のユーザーによってロックされている。
  • イベントがあるルートの別のバージョンが、自分によってロックされている。
  • 別のネットワーク上の並列ルートが、別のバージョンで自分によって、または異なるバージョンで別のユーザーによってロックされている。