ルート編集の処理

[プロセス編集] ツール 編集の処理 を使用して、共通のルート編集後ツールを実行できます。 このツールは、LRS ルート編集による影響を受けたイベントおよび交点のみを更新します。編集セッションの内外で実行でき、ArcGIS Pro のツールを使用して元に戻す操作とやり直し操作をサポートします。

派生ネットワークで構成されたライン ネットワークの場合、[プロセス編集] ツールは、次のツールを以下に示されている順序で実行します。

  1. 交点の生成 - 編集されたルートに基づいて交点を作成または更新します。
  2. イベントの振舞いを適用 - 編集されたルートにイベントの振舞いを適用します。
  3. ルートの生成 - 編集されたルートに基づいて派生ネットワークを生成します。
  4. イベント メジャーの取得 - 親ルートが編集されているイベントの派生イベント メジャーを更新します。

派生ネットワークなしで構成されたライン ネットワークまたは非ライン ネットワークの場合、[プロセス編集] ツールは、次のツールを以下に示されている順序で実行します。

  1. 交点の生成 - 編集されたルートに基づいて交点を作成または更新します。
  2. イベントの振舞いを適用 - 編集されたルートにイベントの振舞いを適用します。

ライン ネットワークでの編集の処理

ライン ネットワークで [プロセス編集] ツール 編集の処理 を使用する場合、未処理の編集がある LRS ネットワークのすべてのルートに対して、[交点の生成][イベントの振舞いを適用][ルートの生成][イベント メジャーの取得] の各ツールが順番に実行されます。

ルート編集前

次のシナリオでは、ラインの最後のルートが廃止予定です。 ライン沿いにスパニング ライン イベント、ポイント イベント、交点があります。 2 つのイベント レイヤーはどちらも、維持イベントの振舞いのルート廃止操作で構成されています。

次の図は、ルート廃止前の LRS データのステートを示しています。

廃止前のライン ネットワーク

次の表は、ルート廃止前のルート情報を示しています。

ネットワークライン名ルート名開始日終了日始点メジャー終点メジャー

ライン ネットワーク

Line1

Route1

1/1/2000

<NULL>

0

20

ライン ネットワーク

Line1

Route2

1/1/2000

<NULL>

30

50

ライン ネットワーク

Line1

Route3

1/1/2000

<NULL>

70

90

派生ネットワーク

N/A

Line1

1/1/2000

<NULL>

0

60

次の表は、ルート廃止前のライン イベント情報を示しています。

イベント ID始点ルート名終点ルート名開始日終了日始点メジャー終点メジャー派生ルート名派生始点メジャー派生終点メジャー

LineEvent1

Route1

Route3

1/1/2000

<NULL>

0

90

Line1

0

60

次の表は、ルート廃止前のポイント イベント情報を示しています。

イベント IDルート名開始日終了日計測派生ルート名派生メジャー

PointEvent1

Route3

1/1/2000

<NULL>

75

Line1

45

次の表は、ルート廃止前の交点情報を示しています。

交点名ルート名開始日終了日計測

Route3、Boundary1

Route3

1/1/2000

<NULL>

85

ルート編集後

Route3 は 2010 年 1 月 1 日付けで廃止されました。 ライン ネットワークは更新されましたが、交点、イベント、派生ネットワークのレイヤーは更新されていません。

次の図は、廃止後の更新済みルートを示しています。

廃止後のライン ネットワーク

次の表は、ルート廃止後のルート情報を示しています。

ネットワークライン名ルート名開始日終了日始点メジャー終点メジャー

ライン ネットワーク

Line1

Route1

1/1/2000

<NULL>

0

20

ライン ネットワーク

Line1

Route2

1/1/2000

<NULL>

30

50

ライン ネットワーク

Line1

Route3

1/1/2000

1/1/2010

70

90

派生ネットワーク

N/A

Line1

1/1/2000

<NULL>

0

60

注意:

ルートの廃止後に、交点、イベント、派生ネットワークは更新されませんでした。

編集処理の後

[プロセス編集] ツールは、ツールを順次実行して編集後のルートに次の更新を加えることによって、LRS ワークフローを完了します。

  • 交点を更新します。
  • イベントの振舞いを適用します。
  • 派生ネットワークを含むルートを生成します。
  • 派生イベント メジャーを更新します。

次の図は、[プロセス編集] ツールの実行後に完全に更新された LRS を示しています。

編集の処理後のライン ネットワーク

派生ネットワークがルート廃止に基づいて再生成されました。 次の表は、[プロセス編集] ツール 編集の処理 の実行後に更新された派生ネットワーク情報を示しています。

ネットワークライン名ルート名開始日終了日始点メジャー終点メジャー

ライン ネットワーク

Line1

Route1

1/1/2000

<NULL>

0

20

ライン ネットワーク

Line1

Route2

1/1/2000

<NULL>

30

50

ライン ネットワーク

Line1

Route3

1/1/2000

1/1/2010

70

90

派生ネットワーク

N/A

Line1

1/1/2000

1/1/2010

0

60

派生ネットワーク

N/A

Line1

1/1/2010

<NULL>

0

40

ライン イベント レイヤーは維持イベントの振舞いを実行し、更新された派生ネットワークに基づいて派生メジャー情報が更新されます。 次の表は、[プロセス編集] ツール 編集の処理 の実行後に更新されたライン イベント情報を示しています。

イベント ID始点ルート名終点ルート名開始日終了日始点メジャー終点メジャー派生ルート名派生始点メジャー派生終点メジャー

LineEvent1

Route1

Route3

1/1/2000

1/1/2010

0

90

Line1

0

60

LineEvent1

Route1

Route2

1/1/2010

<NULL>

0

50

Line1

0

40

ポイント イベント レイヤーは維持イベントの振舞いを実行し、更新された派生ネットワークに基づいて派生メジャー情報が更新されます。 次の表は、[プロセス編集] ツールの実行後のポイント イベント情報を示しています。

イベント IDルート名開始日終了日計測派生ルート名派生メジャー

PointEvent1

Route3

1/1/2000

1/1/2010

85

Line1

55

ルート廃止により交点が廃止され、交点の再生成が行われます。 Line1 に沿って境界ポリゴンと交差するルートはなくなります。 次の表は、[プロセス編集] ツール 編集の処理 の実行後の交点情報を示しています。

交点名ルート名開始日終了日計測

Route3、Boundary1

Route3

1/1/2000

1/1/2010

85

非ライン ネットワークでの編集の処理

非ライン ネットワークで [プロセス編集] ツール 編集の処理 を使用する場合、未処理の編集がある LRS ネットワークのすべてのルートに対して、[交点の生成][イベントの振舞いを適用] ジオプロセシング ツールのみが順番に実行されます。

注意:

非ライン ネットワークには派生ネットワークを構成できないため、[ルートの生成][イベント メジャーの取得] ツールは実行されません。

ルート編集前

次のシナリオでは、Route1 の後半が廃止予定です。 ルート沿いにライン イベント、ポイント イベント、交点があります。 2 つのイベント レイヤーはどちらも、維持イベントの振舞いのルート廃止操作で構成されています。

次の図は、ルート廃止前の LRS データのステートを示しています。

廃止前の非ライン ネットワーク

次の表は、ルート廃止前のルート情報を示しています。

ルート名開始日終了日始点メジャー終点メジャー

Route1

1/1/2000

<NULL>

0

60

RouteA

1/1/2000

<NULL>

0

10

次の表は、ルート廃止前のライン イベント情報を示しています。

イベント IDルート名開始日終了日始点メジャー終点メジャー

LineEvent1

Route1

1/1/2000

<NULL>

0

60

次の表は、ルート廃止前のポイント イベント情報を示しています。

イベント IDルート名開始日終了日計測

PointEvent1

Route1

1/1/2000

<NULL>

45

次の表は、ルート廃止前の交点情報を示しています。

交点名ルート名開始日終了日計測

Route1、RouteA

Route1

1/1/2000

<NULL>

55

ルート編集後

Route1 の後半は 2010 年 1 月 1 日付けで廃止されました。 非ライン ネットワークは更新されましたが、交点とイベントは更新されませんでした。

次の図は、廃止後の更新済みルートを示しています。

廃止後の非ライン ネットワーク

次の表は、ルート廃止後のルート情報を示しています。

ルート名開始日終了日始点メジャー終点メジャー

Route1

1/1/2000

1/1/2010

0

60

Route1

1/1/2010

<NULL>

0

30

RouteA

1/1/2000

<NULL>

0

10

注意:

ルートの廃止後に、交点とイベントは更新されませんでした。

編集処理の後

[プロセス編集] 編集の処理 ツールは、ツールを順次実行して編集後のルートに次の更新を加えることによって、LRS ワークフローを完了します。

  • 交点が更新されます。
  • イベントの振舞いが適用されます。

次の図は、[プロセス編集] ツール 編集の処理 の実行後に完全に更新された LRS を示しています。

編集の処理後の非ライン ネットワーク

ライン イベント レイヤーは維持イベントの振舞いを実行します。 次の表は、[プロセス編集] ツール 編集の処理 の実行後に更新されたライン イベント情報を示しています。

イベント IDルート名開始日終了日始点メジャー終点メジャー

LineEvent1

Route1

1/1/2000

1/1/2010

0

60

LineEvent1

Route1

1/1/2010

<NULL>

0

30

ポイント イベント レイヤーでも維持イベントの振舞いを実行します。 次の表は、[プロセス編集] ツール 編集の処理 の実行後に更新されたポイント イベント情報を示しています。

イベント IDルート名開始日終了日計測

PointEvent1

Route1

1/1/2000

1/1/2010

45

ルート廃止により交点が廃止され、交点の再生成が行われます。 Route1 は RouteA と交差しなくなります。 次の表は、[プロセス編集] ツール 編集の処理 の実行後の交点情報を示しています。

交点名ルート名開始日終了日計測

Route1、RouteA

Route1

1/1/2000

1/1/2010

55

プロセス編集

ルートの再配置や延長等、ルート編集を終了した後にルート編集後のツールを実行するには、次の手順を実行します。

  1. [Location Referencing] タブの [ツール] グループで、[プロセス編集] 編集の処理 をクリックします。
  2. ツールの進捗状況を示すダイアログ ボックスが表示されます。 編集セッションが実行中でない場合は、編集セッションが開始され、この処理で生じた変更を元に戻したり、やり直したりすることができるようになります。
  3. ツールの処理が終了したら、[OK] をクリックします。
  4. 処理でツールの 1 つが失敗した場合、[プロセス編集] ツールはそれ以前のすべてのステップを元に戻します。 問題を解決してから、[プロセス編集] ツール 編集の処理 を再度実行できます。

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