データセットの記述 (Describe Dataset) (GeoAnalytics)

サマリー

フィーチャを集計して、フィールド統計情報、サンプル フィーチャ、範囲境界を算出します。

[データセットの記述 (Describe Dataset)] のワークフロー図

使用法

  • このジオプロセシング ツールは ArcGIS Enterprise 10.7 以降で使用できます。

  • [データセットの記述 (Describe Dataset)] ツールの機能例を以下に示します。

    • ビッグ データ ファイル共有に時間とジオメトリを正しく登録できていることを確認します。
    • 集約されたフィールド統計情報を使用して、属性値を把握します。
    • サンプル レイヤーを使用してビッグ データを視覚化します。100 万個のフィーチャを描画する代わりに、サンプルを描画します。
    • 長時間および大規模な処理を行うためにスケーリングする前に、サンプル データを使用してワークフローを実行します。
    • 地理的範囲を計算して、データセットの場所を特定します。

  • デフォルトで、このツールは、入力レイヤー内の各フィールドの統計情報のサマリーを含むテーブルを出力します。また、入力レイヤーのジオメトリ プロパティまたは時間プロパティが記述されたテーブルもジオプロセシング ウィンドウに出力されます。

    入力レイヤーにジオメトリが含まれている場合、このツールは、入力レイヤーの次のジオメトリ プロパティが記述されたテーブルを出力します。

    • [Geometry type] - 入力レイヤーのジオメトリ タイプ。この値は、ポイント、ライン、またはポリゴンのいずれかです。
    • [Spatial reference] - 入力レイヤーの空間参照。
    • [Count of non-empty features] - 入力レイヤーの空間参照の範囲内の有効なジオメトリが含まれているフィーチャの数。
    • [Count of empty features] - 有効なジオメトリが含まれていないフィーチャの数。これらのフィーチャに空のジオメトリが含まれているか、該当するジオメトリが使用している空間参照の範囲外である可能性があります。
    • [Spatial extent] - 入力レイヤー内のフィーチャの空間範囲。

    入力レイヤーが時間対応の場合、このツールは、入力レイヤーの次の時間プロパティが記述されたテーブルを出力します。

    • [Time type] - 入力レイヤーの時間タイプ。この値は即時または間隔のいずれかです。
    • [Count of non-empty features] - 有効な時間値が含まれているフィーチャの数。
    • [Count of empty features] - NULL 値または無効な時間値が含まれているフィーチャの数。
    • [Temporal extent] - 入力レイヤー内のフィーチャの時間範囲。この値は開始時間と終了時間で構成されます。

  • [サンプル フィーチャ数] パラメーターを使用して、サンプルにフィーチャ数を指定します。このパラメーターを空白のままにするか、0 を選択すると、サンプルは作成されません。出力サブセットには、入力フィーチャと同じスキーマ、ジオメトリ、および時間設定が含まれています。サブセットを使用して、データセットがマップに追加されるか、属性テーブルで視覚化された場合の外観を把握できます。さらに、サブセットに対して解析を実行することで、大規模な分析を行う際の最適な入力を決定することができます。

  • サンプル サイズを入力フィーチャの合計数より大きい数を指定すると、すべてのフィーチャが返されます。

  • サンプル レイヤーは、正確にランダムなジオグラフィを表すものではないため、データの地理的範囲や分布を理解するためには使用しないでください。たとえば、[サンプル フィーチャ数] に「230」個のフィーチャを指定した場合、結果には順番や場所が考慮されない 230 個の入力フィーチャが含まれます。

  • [範囲レイヤーを作成] パラメーターを使用して、入力データセットの範囲を表す境界フィーチャを作成します。出力は、入力フィーチャの地理的範囲を表す単一のポリゴン フィーチャになります。範囲レイヤーを使用して、データが保存されている場所を判定したり、ワークフローの他の箇所でデータを入力として使用したりできます。たとえば、[レイヤーのクリップ (Clip Layer)] GeoAnalytics ツールを使用して、フィーチャをクリップするポリゴン レイヤーとして範囲レイヤーを使用できます。

  • 必要に応じて、環境設定を使用して、フィーチャの出力方法を指定します。

    たとえば、[範囲] 環境を使用して、対象地域を表す範囲レイヤー、または定義された分析範囲のサンプル フィーチャを出力します。

    さらに、[出力座標系] 環境を使用して、目的の空間参照に出力を投影します。

  • [範囲レイヤーを作成] パラメーターは、ポイント、ライン、およびポリゴン フィーチャでのみサポートされています。テーブル フィーチャの範囲レイヤーは作成されません。

  • ジオプロセシング ツールは、ArcGIS GeoAnalytics Server を活用しています。 解析は GeoAnalytics Server で実行され、結果が ArcGIS Enterprise のコンテンツに保存されます。

  • GeoAnalytics Server ツールを実行する場合、解析は GeoAnalytics Server で実行されます。 最適なパフォーマンスを得るためには、GeoAnalytics Server ポータルでホストされているフィーチャ レイヤーかビッグ データ ファイル共有を通じて、ArcGIS Enterprise にデータを提供する必要があります。 GeoAnalytics Server のローカルにないデータは、解析が開始する前に GeoAnalytics Server に移動されます。 つまり、ツールを実行する時間が長くなり、場合によっては ArcGIS Pro から GeoAnalytics Server にデータを移動できないこともあります。 エラーの閾値はネットワークの速度や、データのサイズや複雑さに左右されます。 データを必ず共有するか、ビッグ データ ファイル共有を作成することをお勧めします。

    データをポータルで共有する方法の詳細

    ArcGIS Server Manager を使用してビッグ データ ファイル共有を作成する方法の詳細

パラメーター

ラベル説明データ タイプ
入力レイヤー

記述対象のポイント、ライン、ポリゴン、またはテーブル フィーチャ。

Record Set
出力名

出力フィーチャ サービスの名前。

String
サンプル フィーチャ数
(オプション)

出力サンプル レイヤーに含まれるフィーチャの数。0 を選択するか、数値を指定しない場合は、サンプルは返されません。デフォルトでは、サンプル レイヤーは返されません。

Long
範囲レイヤーを作成
(オプション)

出力範囲レイヤーが作成されるかどうかを指定します。範囲は、入力フィーチャの空間および時間範囲を示すポリゴンです。

  • オン - 範囲レイヤーが作成されます。
  • オフ - 範囲レイヤーが作成されません。

Boolean
データ ストア
(オプション)

出力の保存先の ArcGIS Data Store を指定します。 デフォルトは、[ビッグ データ ストア] です。 ビッグ データ ストアに格納されたすべての結果は、WGS84 で保存されます。 リレーショナル データ ストアに格納された結果は、それらの座標系を維持します。

  • ビッグ データ ストア出力がビッグ データ ストアに格納されます。 これがデフォルトです。
  • リレーショナル データ ストア出力がリレーショナル データ ストアに格納されます。
String

派生した出力

ラベル説明データ タイプ
出力

集計された統計計算値を含む出力レイヤー。

レコード セット
レイヤーの範囲

create_extent_layer パラメーターが選択されると、ツールは、データセットの範囲を示す単一のポリゴンを含むレイヤーを出力します。

フィーチャ セット
サンプル レイヤー

sample_features パラメーターに 0 より大きい値を指定すると、ツールは、データセットの指定された数のサンプル フィーチャを含むレイヤーを出力します。

フィーチャ セット
出力 JSON ファイル

このパラメーターは使用されていません。解析で計算されたすべてのサマリー情報を含む JSON 文字列が、ツールのメッセージに含まれます。

String

arcpy.geoanalytics.DescribeDataset(input_layer, output_name, {sample_features}, {create_extent_layer}, {data_store})
名前説明データ タイプ
input_layer

記述対象のポイント、ライン、ポリゴン、またはテーブル フィーチャ。

Record Set
output_name

出力フィーチャ サービスの名前。

String
sample_features
(オプション)

出力サンプル レイヤーに含まれるフィーチャの数。0 を選択するか、数値を指定しない場合は、サンプルは返されません。デフォルトでは、サンプル レイヤーは返されません。

Long
create_extent_layer
(オプション)

出力範囲レイヤーが作成されるかどうかを指定します。範囲は、入力フィーチャの空間および時間範囲を示すポリゴンです。

  • CREATE_EXTENT範囲レイヤーが作成されます。
  • NO_EXTENT範囲レイヤーが作成されません。
Boolean
data_store
(オプション)

出力の保存先の ArcGIS Data Store を指定します。 デフォルトは、SPATIOTEMPORAL_DATA_STORE です。 ビッグ データ ストアに格納されたすべての結果は、WGS84 で保存されます。 リレーショナル データ ストアに格納された結果は、それらの座標系を維持します。

  • SPATIOTEMPORAL_DATA_STORE出力がビッグ データ ストアに格納されます。 これがデフォルトです。
  • RELATIONAL_DATA_STORE出力がリレーショナル データ ストアに格納されます。
String

派生した出力

名前説明データ タイプ
output

集計された統計計算値を含む出力レイヤー。

レコード セット
extent_layer

create_extent_layer パラメーターが選択されると、ツールは、データセットの範囲を示す単一のポリゴンを含むレイヤーを出力します。

フィーチャ セット
sample_layer

sample_features パラメーターに 0 より大きい値を指定すると、ツールは、データセットの指定された数のサンプル フィーチャを含むレイヤーを出力します。

フィーチャ セット
output_json

このパラメーターは使用されていません。解析で計算されたすべてのサマリー情報を含む JSON 文字列が、ツールのメッセージに含まれます。

String

コードのサンプル

DescribeDataset (データセットの記述) の例 (Python ウィンドウ)

次の Python ウィンドウ スクリプトは、DescribeDatasetツールの使用方法を示しています。

このスクリプトでは、ネットワーク フィーチャが記述され、2500 フィーチャのサンプル レイヤーが作成されます。

#-------------------------------------------------------------------------------
# Name: DescribeDataset.py
# Description: 
#
# Requirements: ArcGIS GeoAnalytics Server
# Import system modules
import arcpy
# Set local variables
inputDataset = "https://sampleserver.domain.com/arcgis/rest/services/DataStoreCatalogs/bigDataFileShares_MyBDFS/BigDataCatalogServer/networkDataset"
outputName = "my_network_described"
dataStore = "RELATIONAL"
# Execute Describe Dataset
arcpy.geoanalytics.DescribeDataset(inputDataset, outputName, 2500, "CREATE_EXTENT", dataStore)

環境

特殊なケース

出力座標系

解析で使用される座標系。 このパラメーターで指定されない限り、入力の座標系で解析が行われます。 GeoAnalytics Tools の場合、最終結果は WGS84 のビッグ データ ストアに保存されます。

ライセンス情報

  • Basic: 次のものが必要 ArcGIS GeoAnalytics Server
  • Standard: 次のものが必要 ArcGIS GeoAnalytics Server
  • Advanced: 次のものが必要 ArcGIS GeoAnalytics Server

関連トピック