ジオデータベースのアップグレード (Upgrade Geodatabase) (データ管理)

サマリー

新機能を利用するために、ジオデータベースを最新リリースの ArcGIS にアップグレードします。

使用法

  • このツールは、ファイル ジオデータベースまたはエンタープライズ ジオデータベースの接続ファイルを入力として使用できます。

  • Basic ライセンスの ArcGIS Pro からエンタープライズ ジオデータベースをアップグレードすることはできません。

  • エンタープライズ ジオデータベースをアップグレードする前に、データベースのバックアップの作成など、使用しているデータベース管理システムに必要な準備手順を実行する必要があります。 Oracle と、ST_Geometry タイプを使用する PostgreSQL のジオデータベースの場合は、DatabaseSupport フォルダーを My Esri からダウンロードして、新しい ST_Geometry ライブラリを取得する必要があります。 その他の準備手順については、次の各トピックをご参照ください。

  • [前提条件のチェックを実行] パラメーターと [ジオデータベースのアップグレード] パラメーターのいずれかまたは両方をオンにする必要があります。 これらのパラメーターの少なくとも 1 つをオンにしない限り、ツールは実行できません。

  • ジオデータベースをアップグレードできるかどうかを特定するため、ジオデータベースをアップグレードする前に前提条件のチェック機能を使用します。 いずれかの前提条件に一致しない場合は、ジオプロセシング履歴にエラーが記録されます。 これによって、アップグレードの開始後に前提条件の 1 つが満たされていないために、アップグレードが正常に実行されないという状況を避けることができます。 前提条件のいずれかが満たされない場合、問題を修正してからアップグレード処理を開始する必要があります。

  • ジオデータベースのベータ版からのアップグレードはサポートされません。

  • [前提条件のチェックを実行] パラメーターでは、ジオデータベースのタイプに応じて異なるチェックが実行されます。

    • ファイル ジオデータベースの場合、次のいずれかに当てはまるかどうかが判定されます。
      • ジオデータベースが読み取り専用である。
      • 他のユーザーがそのジオデータベースに接続していない。
      • 現在の接続で、ジオデータベースのデータを編集していない。
      • 現在のジオデータベース システム テーブル内のすべての情報を開くことができる。
    • エンタープライズ ジオデータベースの場合、次の条件を満たすかどうかが判定されます。
      • ジオデータベースのアップグレードを行うための適切な権限を接続ユーザーが持っている。
      • 接続ユーザーがジオデータベースのデータを編集していない。
      • 他のユーザーがジオデータベースに接続していない。
      • データベースが XML データ タイプをサポートできる。
      • 現在のジオデータベース システム テーブル内のすべての情報を開くことができる。
      • Oracle と、ST_Geometry タイプを使用する PostgreSQL のジオデータベースの場合は、データベースが現在のバージョンの ST_Geometry ライブラリにアクセスできるかどうかが検出されます。
  • ブランチ バージョン対応データを含むエンタープライズ ジオデータベースの場合、アップグレード プロセスは不整合についてブランチ バージョンとブランチ バージョン対応データを解析し、解析の結果をログ ファイルに書き込みます。 詳細については、「ジオデータベースのアップグレードの仕組み」をご参照ください。

  • アップグレードを実行するために使用する ArcGIS Pro または ArcGIS Server のバージョンにより、アップグレードされるジオデータベースのバージョンが決まります。

    ヒント:

    ArcGIS Server コンピューターからの Python の実行については、「ArcGIS Server および ArcPy」をご参照ください。

パラメーター

ラベル説明データ タイプ
入力ジオデータベース

アップグレードするジオデータベース。 エンタープライズ ジオデータベースをアップグレードする場合、ジオデータベース管理者としてジオデータベースに接続するデータベース接続ファイル (.sde) を指定します。

Workspace
前提条件のチェックを実行

ジオデータベースをアップグレードする前に、前提条件の確認を実行するかどうかを指定します。

  • オフ - 前提条件の確認を実行しません。 これがデフォルトです。
  • オン - ジオデータベースをアップグレードする前に、前提条件の確認を実行します。
Boolean
ジオデータベースのアップグレード

このツールを実行している ArcGIS クライアントのリリースに合わせて入力ジオデータベースをアップグレードするかどうかを指定します。

  • オフ - ジオデータベースをアップグレードしません。 これがデフォルトです。
  • オン - ジオデータベースをアップグレードします。
Boolean

派生した出力

ラベル説明データ タイプ
更新された入力ジオデータベース

アップグレードされたジオデータベース。

Workspace

arcpy.management.UpgradeGDB(input_workspace, input_prerequisite_check, input_upgradegdb_check)
名前説明データ タイプ
input_workspace

アップグレードするジオデータベース。 エンタープライズ ジオデータベースをアップグレードする場合、ジオデータベース管理者としてジオデータベースに接続するデータベース接続ファイル (.sde) を指定します。

Workspace
input_prerequisite_check

ジオデータベースをアップグレードする前に、前提条件の確認を実行するかどうかを指定します。

  • NO_PREREQUISITE_CHECK前提条件の確認を実行しません。
  • PREREQUISITE_CHECKジオデータベースをアップグレードする前に、前提条件の確認を実行します。 これがデフォルトです。
Boolean
input_upgradegdb_check

入力ジオデータベースをアップグレードするかどうかを指定します。

  • NO_UPGRADEジオデータベースをアップグレードしません。
  • UPGRADEジオデータベースをアップグレードします。 これがデフォルトです。
Boolean

派生した出力

名前説明データ タイプ
out_workspace

アップグレードされたジオデータベース。

Workspace

コードのサンプル

UpgradeGDB の例 1 (Python ウィンドウ)

次の Python ウィンドウ スクリプトは、ファイル ジオデータベースをアップグレードするために、UpgradeGDB 関数をイミディエイト モードで使用する方法の例を示したものです。

import arcpy
default_gdb = "C:/temp/Default.gdb"
arcpy.management.UpgradeGDB(default_gdb, "PREREQUISITE_CHECK", "UPGRADE")
UpgradeGDB の例 2 (スタンドアロン)

次のスタンドアロン Python スクリプトは、ファイル ジオデータベースをアップグレードするために、UpgradeGDB スクリプトで Python 関数を使用する方法を示しています。

 
# Description: Upgrade a file geodatabase
 
# Import arcpy module
import arcpy

# Local variables:
default_gdb = "C:/temp/Default.gdb"

# Process: Upgrade Geodatabase
arcpy.management.UpgradeGDB(default_gdb, "PREREQUISITE_CHECK", "UPGRADE")
UpgradeGDB の例 3 (スタンドアロン スクリプト)

次のスタンドアロン Python スクリプトは、既存の UpgradeGDB 接続ファイルを使用してエンタープライズ ジオデータベースをアップグレードするために、PythonPython スクリプティングで .sde 関数を使用する方法を示しています。

# Description: Upgrade a geodatabase

# Import arcpy module
import arcpy

# Local variable:
default_gdb = "C:\\connections\gdbconnection.sde"

# Process: Upgrade Geodatabase
arcpy.management.UpgradeGDB(default_gdb, "PREREQUISITE_CHECK", "UPGRADE")
UpgradeGDB の例 4 (スタンドアロン スクリプト)

次のスタンドアロン Python スクリプトは、既存の .sde 接続ファイルを使用してエンタープライズ ジオデータベースをアップグレードするために、Linux コンピューター上の Python スクリプティングで UpgradeGDB 関数を使用する方法を示しています。

# Description: Upgrade a geodatabase

# Import arcpy module
import arcpy

# Local variable:
default_gdb = "<user>/connections/<Connection_file>"

# Process: Upgrade Geodatabase
arcpy.management.UpgradeGDB(default_gdb, "PREREQUISITE_CHECK", "UPGRADE")

ライセンス情報

  • Basic: Yes
  • Standard: Yes
  • Advanced: Yes

関連トピック