ガウス地球統計シミュレーション (Gaussian Geostatistical Simulations) (Geostatistical Analyst)

Geostatistical Analyst のライセンスで利用可能。

サマリー

単純クリギング モデルに基づいて、条件付きまたは条件なし地球統計シミュレーションを実行します。 シミュレートされたラスターは、クリギング モデルの等確率の実現モデルと見なすことができます。

ガウス地球シミュレーションの仕組みの詳細

使用法

  • 入力地球統計レイヤーは、データセットに対して単純クリギングを実行した結果である必要があります。 このツールで、他のタイプのクリギングから生成された地球統計レイヤーを使用することはできません。

    その他:

    • 入力データが標準の正規分布に従うようにするには、データの正規スコア変換を実行することをお勧めします。
    • 入力ヒストグラムがサンプリングされた母集団を正確に表すよう、クラスター化されたデータを (アウトラインのクリップ方法でセルまたはポリゴンを使用して) デクラスタリングする必要があります。 このヒストグラムは、実現値で (平均的に) 再現されます。
  • 条件付き実現モデルを生成するには、シミュレーションの基となる単純クリギング モデルの構築に使用されたデータと同じ条件データを使用する必要がありますが、他のデータセットを実現値の条件付けに使用できます。

  • このツールで生成された出力は、次の方法で確認できます。

    • シミュレートしたラスターの保存オプションを選択されている場合、接頭辞の後ろに s0 から sN (N は実現値数) を付加したものを使用して、シミュレートされたラスターの名前が設定されます。
    • 次の後処理オプションが選択されている場合、接頭辞の後ろに MIN、MAX、MEAN、STDDEV、QUARTILE1、MEDIAN、QUARTILE3、QUANTILE、P_THRSHLD を付加したものを使用して、出力ラスターの名前が設定されます。
    • 対象領域 (統計ポリゴン) の後処理を選択した場合、接頭辞の後ろにポリゴン フィーチャクラス名を付加したものを使用して、出力ポリゴン フィーチャクラスの名前が設定されます。
  • 異なるシミュレーションを実行した出力を識別するには、異なる接頭辞を使用します。 同じ接頭辞を使用した場合、その接頭辞で始まる過去の結果がすべて消去された後、新しい結果が作成されます。 また、異なるシミュレーションを実行した出力を個別のフォルダーまたはジオデータベースに格納することもできます。

  • 入力統計ポリゴンを指定した場合、ポリゴン出力フィーチャクラスには、各ポリゴン内でシミュレートされた値の統計サマリーが含まれます。 これらの統計サマリーの詳細については、「ガウス地球統計シミュレーションの仕組み」をご参照ください。

  • 対象領域を表すポリゴンは、シミュレートしたラスターの範囲に完全に含まれる必要があります。 シミュレートしたラスターでポリゴンの一部が NoData 値で覆われている場合、ポリゴン属性テーブルには無効な結果が含まれています。 この場合、CELL_COUNT フィールドはポリゴン内でシミュレートした値を含むセルの数を示し、その数は負の値で表されます。

  • このツールは、操作時に乱数ジェネレーターを使用します。 使用するシード値は、乱数ジェネレーター環境で制御できます。

    • シード値 0 (デフォルト値) を使用すると、ツールを実行するたびに異なる乱数セットが使用され、異なるシミュレーション セットが生成されます。
    • 乱数シードが 0 を超える固定数に設定されている場合、シード値を変更するまで、ツールを実行するたびに同じシミュレーション セットが生成されます。

    注意:

    [メルセンヌ ツイスター] 乱数ジェネレーター タイプのみがサポートされています。[ACM 収集アルゴリズム 599] または [標準 C Rand] が選択されている場合、代わりに [メルセンヌ ツイスター] が使用されます。

  • シミュレートしたラスターを保存することを選択した場合、最初の 2 つのラスターのみが ArcMap のコンテンツ ウィンドウに追加されます。 ただし、出力ワークスペースを参照して、残りのラスターを追加することもできます。

  • 条件付きシミュレーションでは、同じセル内に含まれる条件データセットのポイントが平均化され、実現値はその平均値を使用するように条件付けされます。 出力セル サイズが大きい場合、各セル内に含まれて平均化されるポイントが多くなるため、実現値はこれらの (相対的に) 少ない平均値を使用するように条件付けされます。

  • 境界フィーチャが指定されている場合、マスク環境で指定されたフィーチャまたはラスターは無視されます。

  • 現在のソフトウェアの制限事項は次のとおりです。

    • 最大ラスター サイズは 2,0492 セル (正方形ラスターの場合、2,049 行 x 2,049 列) に制限されています。
    • 1 回の実行で要求できる実現値の最大数は 4,500 です。 1 つのワークスペースに含めることができるラスターの最大数は 4,999 です。
    • 周期的なセミバリオグラム モデル (J-ベッセルおよびホール効果) に基づくシミュレーションは正確でない場合があります。
  • エラー [メモリ不足のため、要求された操作を実行できません] が表示される場合、要求されたセル サイズが生成する出力ラスターが大きすぎることを示していることがあります。

  • NULL 値をサポートするデータ形式 (ファイル ジオデータベース フィーチャクラスなど) で、NULL 値を入力として使用する場合、その位置の推定を実行できなかったか、値を無視する必要があることを示します。 シェープファイルなどの NULL 値をサポートしないデータ形式の場合、値 -1.7976931348623158e+308 (C++ で定義された定数 DBL_MAX のマイナス値) を使用して、その位置に対する推定が実行できなかったことを示します。

パラメーター

ラベル説明データ タイプ
入力地球統計レイヤー

単純クリギング モデルから生成される地球統計レイヤーを入力します。

Geostatistical Layer
実現値数

実行するシミュレーションの回数。

Long
出力ワークスペース

すべてのシミュレーション結果を格納します。 ワークスペースには、フォルダーまたはジオデータベースのいずれかを指定できます。

Workspace
出力シミュレーションの接頭辞

出力データセット名に自動的に付加される英数字 1 ~ 3 文字の接頭辞。

String
入力条件フィーチャ
(オプション)

実現値の条件付けに使用されるフィーチャ。 空白のままにした場合、条件なし実現値が生成されます。

Feature Layer
条件フィールド
(オプション)

実現値の条件付けに使用されるフィールド。 空白のままにした場合、条件なし実現値が生成されます。

Field
出力セル サイズ
(オプション)

作成する出力ラスターのセル サイズ。

この値は、[環境][セル サイズ] パラメーターで明示的に設定できます。

設定されていない場合、入力空間参照において、入力ポイント フィーチャの範囲の幅または高さ (どちらか短い方) を 250 で割った値になります。

Analysis Cell Size
入力境界フィーチャ
(オプション)

これらのフィーチャの境界ポリゴンに解析を制限します。 ポイント フィーチャが入力された場合、凸包ポリゴンが自動的に作成されます。 その後、そのポリゴン内で実現値が実行されます。 境界フィーチャが指定されている場合、マスク環境で指定されたフィーチャまたはラスターは無視されます。

Feature Layer
シミュレートしたラスターの保存
(オプション)

シミュレートしたラスターをディスクに保存するかどうかを指定します。

  • オン - シミュレートしたラスターがディスクに保存されることを示しています。
  • オフ - シミュレートしたラスターがディスクに保存されないことを示しています。
Boolean
分位
(オプション)

出力ラスターを生成する分位値。

Double
閾値
(オプション)

出力ラスターを生成する閾値を、設定した閾値を超えた回数の割合として、セル単位で指定します。

Double
入力統計ポリゴン
(オプション)

これらのポリゴンは、統計サマリーを計算する際の対象領域を表します。

統計ポリゴンを指定した場合、出力ポリゴン フィーチャクラスは [出力ワークスペース] に保存され、入力ポリゴンと同じ名前が設定されますが、[出力シミュレーションの接頭辞] が先頭に付加されます。 たとえば、入力統計ポリゴンの名前が myPolys で、出力の接頭辞に「aaa」と入力した場合、出力ポリゴンの名前は aaamyPolys に設定され、指定した出力ワークスペースに保存されます。

Feature Layer
ラスター統計タイプ
(オプション)

シミュレートしたラスターはセル単位で後処理され、選択した各統計タイプが計算され、出力ラスターにレポートされます。

  • 最小最小を計算します。
  • 最大最大を計算します。
  • 平均平均を計算します。
  • 標準偏差標準偏差を計算します。
  • 第一四分位25 番目の分位を計算します。
  • 中央値中央値を計算します。
  • 第三四分位75 番目の分位を計算します。
  • 分位ユーザーが指定した分位 (0 < Q < 1) を計算します。
  • 確率閾値セル値がユーザー指定の閾値を超えているシミュレーションの割合を計算します。
String
条件測定誤差フィールド
(オプション)

条件フィーチャ内の各入力ポイントの測定誤差を指定するフィールド。 各条件フィーチャで、このフィールドの値は、フィーチャの測定値のいずれかの標準偏差に対応する必要があります。 各サンプリング位置で測定誤差の値が同じでない場合は、このフィールドを使用します。

測定誤差が一定しない場合の一般的な原因は、データがさまざまなデバイスで測定されていることです。 精度がより高いデバイスで測定すると、測定誤差は小さくなります。 たとえば、測定値を 1 度単位で丸める温度計もあれば、0.1 度単位で丸める温度計もあります。 多くの場合、測定値のばらつきは、測定デバイスのメーカーから提供されますが、経験則からわかっている場合もあります。

測定誤差の値が存在しない場合、または測定誤差の値が不明な場合は、このパラメーターを空白のままにしておきます。

Field

派生した出力

ラベル説明データ タイプ
出力ワークスペース

シミュレーション結果を含むワークスペース。

Workspace
出力統計ポリゴン

出力統計ポリゴン。

Feature Class
出力シミュレーション ラスター

出力シミュレーション ラスター。

Raster Layer
出力統計ラスター

出力統計ラスター。

Raster Layer
収束

出力収束値。

Double

arcpy.ga.GaussianGeostatisticalSimulations(in_geostat_layer, number_of_realizations, output_workspace, output_simulation_prefix, {in_conditioning_features}, {conditioning_field}, {cell_size}, {in_bounding_dataset}, {save_simulated_rasters}, {quantile}, {threshold}, {in_stats_polygons}, {raster_stat_type}, {conditioning_measurement_error_field})
名前説明データ タイプ
in_geostat_layer

単純クリギング モデルから生成される地球統計レイヤーを入力します。

Geostatistical Layer
number_of_realizations

実行するシミュレーションの回数。

Long
output_workspace

すべてのシミュレーション結果を格納します。 ワークスペースには、フォルダーまたはジオデータベースのいずれかを指定できます。

Workspace
output_simulation_prefix

出力データセット名に自動的に付加される英数字 1 ~ 3 文字の接頭辞。

String
in_conditioning_features
(オプション)

実現値の条件付けに使用されるフィーチャ。 空白のままにした場合、条件なし実現値が生成されます。

Feature Layer
conditioning_field
(オプション)

実現値の条件付けに使用されるフィールド。 空白のままにした場合、条件なし実現値が生成されます。

Field
cell_size
(オプション)

作成する出力ラスターのセル サイズ。

この値は、[環境][セル サイズ] パラメーターで明示的に設定できます。

設定されていない場合、入力空間参照において、入力ポイント フィーチャの範囲の幅または高さ (どちらか短い方) を 250 で割った値になります。

Analysis Cell Size
in_bounding_dataset
(オプション)

これらのフィーチャの境界ポリゴンに解析を制限します。 ポイント フィーチャが入力された場合、凸包ポリゴンが自動的に作成されます。 その後、そのポリゴン内で実現値が実行されます。 境界フィーチャが指定されている場合、マスク環境で指定されたフィーチャまたはラスターは無視されます。

Feature Layer
save_simulated_rasters
(オプション)

シミュレートしたラスターをディスクに保存するかどうかを指定します。

  • SAVE_SIMULATIONSシミュレートしたラスターがディスクに保存されることを示しています。
  • DO_NOT_SAVE_SIMULATIONSシミュレートしたラスターがディスクに保存されないことを示しています。
Boolean
quantile
(オプション)

出力ラスターを生成する分位値。

Double
threshold
(オプション)

出力ラスターを生成する閾値を、設定した閾値を超えた回数の割合として、セル単位で指定します。

Double
in_stats_polygons
(オプション)

これらのポリゴンは、統計サマリーを計算する際の対象領域を表します。

in_stats_polygons を指定した場合、出力ポリゴン フィーチャクラスは output_workspace で定義された場所に保存され、入力ポリゴンと同じ名前が設定されますが、output_simulation_prefix が先頭に付加されます。 たとえば、入力統計ポリゴンの名前が myPolys で、出力の接頭辞に「aaa」と入力した場合、出力ポリゴンの名前は aaamyPolys に設定され、指定した出力ワークスペースに保存されます。

Feature Layer
raster_stat_type
[raster_stat_type,...]
(オプション)

シミュレートしたラスターはセル単位で後処理され、選択した各統計タイプが計算され、出力ラスターにレポートされます。

  • MIN最小を計算します。
  • MAX最大を計算します。
  • MEAN平均を計算します。
  • STDDEV標準偏差を計算します。
  • QUARTILE125 番目の分位を計算します。
  • MEDIAN中央値を計算します。
  • QUARTILE375 番目の分位を計算します。
  • QUANTILEユーザーが指定した分位 (0 < Q < 1) を計算します。
  • P_THRSHLDセル値がユーザー指定の閾値を超えているシミュレーションの割合を計算します。
String
conditioning_measurement_error_field
(オプション)

条件フィーチャ内の各入力ポイントの測定誤差を指定するフィールド。 各条件フィーチャで、このフィールドの値は、フィーチャの測定値のいずれかの標準偏差に対応する必要があります。 各サンプリング位置で測定誤差の値が同じでない場合は、このフィールドを使用します。

測定誤差が一定しない場合の一般的な原因は、データがさまざまなデバイスで測定されていることです。 精度がより高いデバイスで測定すると、測定誤差は小さくなります。 たとえば、測定値を 1 度単位で丸める温度計もあれば、0.1 度単位で丸める温度計もあります。 多くの場合、測定値のばらつきは、測定デバイスのメーカーから提供されますが、経験則からわかっている場合もあります。

測定誤差の値が存在しない場合、または測定誤差の値が不明な場合は、このパラメーターを空白のままにしておきます。

Field

派生した出力

名前説明データ タイプ
out_workspace

シミュレーション結果を含むワークスペース。

Workspace
out_polygon_stat

出力統計ポリゴン。

Feature Class
out_raster_simulation

出力シミュレーション ラスター。

Raster Layer
out_raster_stat

出力統計ラスター。

Raster Layer
out_convergence_value

出力収束値。

Double

コードのサンプル

GaussianGeostatisticalSimulations の例 1 (Python ウィンドウ)

条件なしシミュレーションの実行

import arcpy
arcpy.env.workspace = "C:/gapyexamples/data"
arcpy.GaussianGeostatisticalSimulations_ga("C:/gapyexamples/data/kriging.lyr", "10",
                                           "C:/gapyexamples/output", "ggs", "", "",
                                           "2000", "", "", "", "", "", "MEAN")
GaussianGeostatisticalSimulations の例 2 (スタンドアロン スクリプト)

条件なしシミュレーションの実行

# Name: GaussianGeostatisticalSimulations_Example_02.py
# Description: This tool performs conditional or unconditional geostatistical
#              simulation based on a Simple Kriging model.
# Requirements: Geostatistical Analyst Extension

# Import system modules
import arcpy

# Set environment settings
arcpy.env.workspace = "C:/gapyexamples/data"

# Set local variables
inLayer = "C:/gapyexamples/data/kriging.lyr"
numRealizations = 10
outWorkspace = "C:/gapyexamples/output"
cellSize = 2000
prefix = "ggs"
rasstatType = "MEAN"
conFeatures = ""
conField = ""
boundingData = ""
savesimRasters = ""
quantile = ""
threshold = ""
statsPolygons = ""
errorField = ""

# Execute GaussianGeostatisticalSimulations
arcpy.GaussianGeostatisticalSimulations_ga(
    inLayer, numRealizations, outWorkspace, prefix, conFeatures, conField, 
    cellSize, boundingData, savesimRasters, quantile, threshold, 
    statsPolygons, rasstatType, errorField)

ライセンス情報

  • Basic: 次のものが必要 Geostatistical Analyst
  • Standard: 次のものが必要 Geostatistical Analyst
  • Advanced: 次のものが必要 Geostatistical Analyst

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