ATan2 (Image Analyst)

Spatial Analyst のライセンスで利用可能。

Image Analyst ライセンスで利用できます。

サマリー

ラスターのセル値の (x/y に基づいた) 逆正接を計算します。

ATan2 の図
OutRas = ATan2(InRas1, InRas2)

使用法

  • [ATan2] ツールは、直交座標 (X,Y) を極座標 (R,θ) に変換します。この場合、R は原点からの距離で θ は X 軸からの角度です。

    ATan2 変換
    直交座標から極座標への変換

    ATan2 の判別式は、tanθ = y / x (θ は角度) です。

    ATan2 処理は、デカルト マトリックス (sin に基づく) のすべての象限を表します。

  • 最初の指定された入力値は、正接角度 (Y) の計算の分子として使用されます。 2 つ目の指定された入力値は、角度 (X) の計算の分母として使用されます。

  • 数学の場合、すべての三角関数にドメイン (定義域) と呼ばれる有効な入力値の範囲が定義されています。 各関数の出力値も範囲が定義されています。 このツールでは、以下を意味します。

    • ドメイン: -∞ < [in_value] < ∞

      このドメインは両方の入力値に適用されます。

    • 範囲: -pi < [out_value] ≤ pi

    -∞ と ∞ はそれぞれ、特定のラスター形式でサポートされている負の最小値と正の最大値を表します。

  • 両方の入力値が 0 の場合には、出力は NoData になります。

    最初の入力値が 0 の場合には、出力は 0 になります。

  • [ATan2] ツールへの入力値は、線形単位として解釈され、意味のある結果を得るためには両者は同じ単位でなければなりません。

  • 出力値は入力データの型に関係なく常に浮動小数点です。

  • このツールの出力値はラジアンで表されます。 代わりに角度単位を使用する場合は、結果のラスターに変換係数 180/pi (およそ 57.296) を掛ける必要があります。

    詳細については、操作手順と「ラジアン単位の出力値を度単位に変換する例」をご参照ください。

  • 両方の入力がシングルバンド ラスターである場合、またはいずれかの入力が定数である場合、出力はシングルバンド ラスターになります。

  • 両方の入力がマルチバンド ラスターである場合、ツールは 1 つの入力の各バンドに対して演算を実行し、出力はマルチバンド ラスターになります。 各マルチバンド入力のバンド数は同一である必要があります。

  • 一方の入力がマルチバンド ラスターで、他方の入力が定数である場合、ツールは、マルチバンド入力内の各バンドの定数値を使用して演算を実行し、出力はマルチバンド ラスターになります。

  • 両方の入力が、同数の変数を含む多次元ラスター データの場合、このツールは、ディメンション値が同じすべてのスライスについて演算を実行します。 出力は CRF 形式の多次元ラスターになります。 このツールで処理を行うには、一般的なディメンションと一般的なディメンション値が入力の変数に少なくとも 1 つ必要です。これらがないとエラーが発生します。

    両方の入力に 1 つの変数が含まれているものの、名前が異なる場合は、処理を行う前に多次元変数の照合ジオプロセシング環境をオフにします (Python では arcpy.env.matchMultidimensionalVariable = False を設定)。

    一方の入力が多次元ラスターで、他方の入力が定数である場合、ツールは、すべての変数のすべてのスライスについて、その定数値を使用して演算を実行し、出力は多次元ラスターになります。

パラメーター

ラベル説明データ タイプ
入力ラスター、または定数値 1

逆正接値を計算する場合に使用する、分子または Y 値を指定する入力値。

他のパラメーターでラスターが指定されている場合、数値をこのパラメーターの入力として使用できます。 両方の入力で数値を指定するには、セル サイズと範囲を最初に環境で設定しておく必要があります。

Raster Layer; Constant
入力ラスター、または定数値 2

逆正接値を計算する場合に使用する、分母または X 値を指定する入力値。

他のパラメーターでラスターが指定されている場合、数値をこのパラメーターの入力として使用できます。 両方の入力で数値を指定するには、セル サイズと範囲を最初に環境で設定しておく必要があります。

Raster Layer; Constant

戻り値

ラベル説明データ タイプ
出力ラスター

出力ラスター。

値は、入力値の逆正接角度です。

Raster

ATan2(in_raster_or_constant1, in_raster_or_constant2)
名前説明データ タイプ
in_raster_or_constant1

逆正接値を計算する場合に使用する、分子または Y 値を指定する入力値。

他のパラメーターでラスターが指定されている場合、数値をこのパラメーターの入力として使用できます。 両方の入力で数値を指定するには、セル サイズと範囲を最初に環境で設定しておく必要があります。

Raster Layer; Constant
in_raster_or_constant2

逆正接値を計算する場合に使用する、分母または X 値を指定する入力値。

他のパラメーターでラスターが指定されている場合、数値をこのパラメーターの入力として使用できます。 両方の入力で数値を指定するには、セル サイズと範囲を最初に環境で設定しておく必要があります。

Raster Layer; Constant

戻り値

名前説明データ タイプ
out_raster

出力ラスター。

値は、入力値の逆正接角度です。

Raster

コードのサンプル

ATan2 の例 1 (Python ウィンドウ)

この例では、2 つの入力 Grid ラスターの逆正接 (アーク タンジェント) を計算します。

import arcpy
from arcpy import env
from arcpy.ia import *
env.workspace = "C:/iapyexamples/data"
outATan2 = ATan2("degs", "negs")
outATan2.save("C:/iapyexamples/output/outatan2")
ATan2 の例 2 (スタンドアロン スクリプト)

この例では、2 つの入力 Grid ラスターの逆正接 (アーク タンジェント) を計算します。

# Name: ATan2_Ex_02.py
# Description: Calculates the inverse tangent of pixels based
#              on (y, x) values from two rasters
# Requirements: Image Analyst Extension

# Import system modules
import arcpy
from arcpy import env
from arcpy.ia import *

# Set environment settings
env.workspace = "C:/iapyexamples/data"

# Set local variables
inRaster1 = "degs"
inRaster2 = "negs"

# Check out the ArcGIS Image Analyst extension license
arcpy.CheckOutExtension("ImageAnalyst")

# Execute ATan2
outATan2 = ATan2(inRaster1, inRaster2)

# Save the output 
outATan2.save("C:/iapyexamples/output/outatan2.tif")

ライセンス情報

  • Basic: 次のものが必要 Image Analyst または Spatial Analyst
  • Standard: 次のものが必要 Image Analyst または Spatial Analyst
  • Advanced: 次のものが必要 Image Analyst または Spatial Analyst

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