水文解析ツールセットの概要

Spatial Analyst のライセンスで利用可能。

水文解析ツールは、サーフェス上の水の流れをモデリングするために使用します。

地表の形状に関する情報は、地域計画、農業、林業などの多くの分野で役立ちます。 これらの分野では、エリアにおける水の流れや、そのエリアの変化が流れに及ぼす影響を理解する必要があります。

水の流れをモデル化すると、水がどこから来て、どこに行くかを把握できます。 以下のトピックは、サーフェス上の水の移動をモデリングする水文解析関数の使用法、集水域システムやサーフェス プロセスに関する重要な概念や用語、デジタル標高モデル (DEM) から水文情報を抽出するためのツールの使用法、および水文解析の適用例について説明しています。

水文解析ツールは個別または順番に使用して、河川ネットワークを作成したり、集水域を特定したりできます。

使用可能なツールとその簡単な説明を次の表に示します。

ツール説明

流域ラスターの作成 (Basin)

すべての流域の形状を表すラスターを作成します。

連続フローの作成 (Derive Continuous Flow)

事前にシンクや窪地を平滑化する必要なしで入力サーフェス ラスターから各セルへの累積する流量のラスターを生成します。

河川をラインとして生成 (Derive Stream As Line)

事前にシンクや窪地を平滑化する必要なしで入力サーフェス ラスターから河川ライン フィーチャを生成します。

河川をラスターとして生成 Derive Stream As Raster)

事前にシンクや窪地を平滑化する必要なしで入力サーフェス ラスターから河川ラスターを生成します。

サーフェスの平滑化 (Fill)

サーフェス ラスターの窪地を平滑化して、データの小さな欠陥を取り除きます。

累積流量ラスターの作成 (Flow Accumulation)

各セルへの累積する流量のラスターを作成します。 オプションで、ウェイト ファクターを適用できます。

流向ラスターの作成 (Flow Direction)

各セルからその降下傾斜となる近傍セルへの流向ラスターを、D8、D-Infinity (DINF)、Multiple Flow Direction (MFD) のいずれかの方法で作成します。

流路距離ラスターの作成 (Flow Distance)

各セルについて、セルが流入する河川上の経路に従い、傾斜距離を持つ水平コンポーネントまたは垂直コンポーネントを計算します。 複数の流路の場合は、最小、加重平均、または最大の流向距離を計算できます。

流長ラスターの作成 (Flow Length)

各セルの流路に沿った上流または下流方向の距離または加重距離を計算します。

窪地の抽出 (Sink)

すべての窪地または内部排水のエリアを特定するラスターを作成します。

流出点のスナップ (Snap Pour Point)

指定した距離内で累積流量が最も大きいセルへ流出点をスナップします。

貯水容量 (Storage Capacity)

入力サーフェス ラスターに関して標高のテーブルとチャートおよび対応する貯蔵容量を作成します。 このツールは、基になる領域の表面積と総体積を一連の標高の増分量で計算します。

河川リンク ラスターの作成 (Stream Link)

ラスターの線状ネットワークの交差部分に一意の値を割り当てます。

河川次数ラスターの作成 (Stream Order)

線形ネットワークの分岐を表現するラスターの線分に次数を割り当てます。

河川ラスターをフィーチャに変換 (Stream to Feature)

線形ネットワークを表すラスターを、線形ネットワークのフィーチャに変換します。

集水域ラスターの作成 (Watershed)

ラスター内にある一連のセルの流出寄与域を特定します。

水文解析ツールセットのツール

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