最小コスト パスの作成

Spatial Analyst のライセンスで利用可能。

レガシー:

この機能は非推奨であり、今後のリリースで削除される予定です。

強化された機能の詳細については、「距離解析」および「従来の距離ツールから歪みのない距離ツールへの移行」をご参照ください。

最小コスト パスとは

[コスト パス (Cost Path)] ツールは、目的地ポイントからソースまでの最小コスト パスを決定します。 目的地の指定が必要な場合を除き、[コスト パス (Cost Path)] ツールはコスト距離ツールから得られる 2 つのラスター (最小コスト距離ラスターとバックリンク ラスター) を使用します。 これらのラスターは、[コスト距離 (Cost Distance)] または [パスの距離 (Path Distance)] ツールから作成されます。 バックリンク ラスターは、コスト距離サーフェス上で目的地からソースまでの最小コストのパスを再びたどるために使用されます。

最小コスト パスを見つける理由

最小コスト パスは目的地からソースまでを結びます。 このパスは 1 セル幅で、目的地からソースまでを結び、確実に最小コストの経路 (加重距離ツールに入力された元のコスト ラスターで定義された単位に基づくコスト) を示します。 [コスト パス (Cost Path)] ツールを使用して、建設費に関して最も良い新しい道路のルートを見つけるか、複数の郊外の位置 (ソース) から最も近いショッピング モール (目的地) までのパスを識別します。 このツールを道路の建設などに適用するときは、得られるパスは、目的地からソース (既存の交差点) までの道路を建設するための最小コストの経路です。

2 つの異なる加重を使用する最小コスト パス
2 つの異なる加重を使用する最小コスト パス

上の図には、新しい道路の考えられる 2 つのパスが表示されています (紫色と赤色)。 紫色のラインは、各入力ラスター (土地利用と傾斜角) の影響度が同じコスト ラスターを使用して作成されたパスを表します。 赤色のラインは、入力傾斜角ラスターの加重 (影響度) が 66 パーセントであるコスト ラスターを使用して作成されたパスを表します。 入力傾斜角ラスターの加重を高くするほど、赤色のパスにおける急勾配の傾斜角を避けるのに一層注意が払われます。

最小コスト パスの作成

コスト ラスターを構成するラスターに重み付けする方法を考慮することは重要です。 ラスターに重み付けをする方法は、アプリケーションと得られる結果によって異なります。

入力目的地としてセルまたはゾーンが複数存在する場合、各セル (複数のパスを生成、セルごとに 1 つパス)、各ゾーン (各ゾーンから 1 つのパス)、または最良の単一パス (1 つのパスのみ、任意のゾーンから最小コスト) から最小コスト パスを計算できます。 ツール内のパラメーターは、使用するプロセスを指定します。

次の例では、さまざまなパスの種類オプションを使用した [コスト パス (Cost Path)] について説明します。

さまざまなコスト パスのオプションの結果を理解するために、次のソース位置とターゲット位置の例を考えてみましょう。

ソースとターゲットの位置
ソースとターゲットの位置の例

各ゾーン

[各ゾーン] オプションでは、始点ターゲット位置ごとに生成された異なるパスが存在します。

ゾーンごとの最小コスト パス
ゾーンごとの最小コスト パス

単一パス

次の例では、最良の [単一パス] オプションを使用した [コスト パス (Cost Path)] について説明します。 単一の最小コスト パスが存在する場合、そのパスは出力ラスターで値 3 にコード化されます。 パスが始まるソース ゾーン内のセルには値 1 が割り当てられます。

最良の単一パスごとの最小コスト パス
最良の単一パスごとの最小コスト パス

収束パスを含む各ゾーン

異なるゾーンからの 2 つ以上のコスト パスがソースに向かう途中で収束し、残りの距離を一緒に進む場合、以下のゾーンごとの [コスト パス (Cost Path)] の例に示すように、セグメントの所有者を特定できないため、ソースへの結合パスには値 2 が割り当てられます。

複数のゾーンへの最小コスト パス
複数のゾーンへの最小コスト パス

各パスに割り当てられる値は、スキャン プロセスでゾーンのセルが処理される順序で割り当てられます。

関連トピック