Spatial Analyst のライセンスで利用可能。
[点密度 (Point Density)] ツールは、各出力ラスター セルの周りにあるポイント フィーチャの密度を計算します。 概念としては、各ラスター セルの中心の周りに近傍範囲が定義され、近傍範囲内のポイント数の合計が、近傍の面積で除算されます。
[Population フィールド] で [NONE] 以外の設定を使用する場合は、その項目の値によって、そのポイントがカウントされる回数が決定されます。 たとえば値が 3 のアイテムの場合、各ポイントは 3 つのポイントとしてカウントされます。 整数または浮動小数の値が使用できます。
考えられる用途には、住宅密集度の調査、野生動物の観察、犯罪報告書などがあります。 Population フィールドを使用すれば、ポイントの持つ意味によって、一部のポイントを加重したり、1 つのポイントで複数の観測データを表したりできます。 たとえば、1 つの住所が 6 世帯を持つ集合住宅を表したり、一部の犯罪に他の犯罪よりも大きい重みを付けて全体の犯罪レベルを決定したりすることがあります。
半径を大きくしても、計算される密度値は大きく変化しません。 近傍範囲を大きくするほど多くのポイントが含まれるようになりますが、密度の計算時は、このポイント数がより大きな面積で除算されます。 半径を大きくすることの主な効果は、ラスター セルから距離が離れているポイントを含め、ポイント数が増えることを考慮して密度が計算される点です。 この結果、より一般化された出力ラスターが生成されます。
Units
面積単位は縮尺係数です。 面積の単位を選択した場合、計算したセルの密度に適切な係数が乗算され、出力ラスターに書き込まれます。 たとえば、入力する地面の単位がメートルの場合、メートルとキロメートルの単位の係数を比較することにより、結果の値は乗数 1,000,000 (1,000 x 1,000) だけ異なります。
面積単位の係数 を使用して出力密度の単位を変更する方法の例を次に示します。
- マップ単位はメートルであるため、近傍におけるデフォルトの密度の単位はポイント/平方メートルになります。 ポイント/ヘクタール (10,000 平方メートル) で密度を計算することが最適です。
- 100 の係数を使用します (100 x 100 メートルは 1 ヘクタール)。
- マップ単位はフィートであるため、ポイント/平方マイルで密度を計算することが最適です。
- 5,280 (1 マイルをフィートに換算) の係数を使用します。
一般的な変換
下の表は、一般的な変換に使用する単位の係数のおおよその値を示しています。
Desired output is density per: | sq foot | sq meter | acre | hectare | 1,000 sq feet | -------+---------+----------+--------+---------+---------------| Input map units: feet | 1 | 3.208 | 208.7 | 328.083 | 31.623 | meters | 0.3048 | 1 | 63.6 | 100 | 9.639 |
参考文献
Silverman, B. W. Density Estimation for Statistics and Data Analysis. New York: Chapman and Hall, 1986.