空間リレーションシップのコンセプトの構成

空間リレーションシップのコンセプトは、フィーチャを近傍にグループ化し、近傍内の各近接フィーチャの影響 (重み) を定量化することで、フィーチャ間の空間リレーションシップを定義します。 近隣探索では、[空間リレーションシップのコンセプト] パラメーターを使用し、空間リレーションシップのコンセプトを設定できます。 それぞれの空間リレーションシップのコンセプトでは、近隣フィーチャを特定する方法 ([近隣タイプ] パラメーター) と、近隣フィーチャの加重を定量化する方法 ([方法] パラメーター) が必要です。

[近隣オプション] 見出しの下にあるオプションでは、近隣フィーチャを特定する方法を構成します。 各フィーチャには、近隣を形成する一連の近隣フィーチャが含まれます。 フォーカル フィーチャと呼ばれるターゲット フィーチャは、それ自身の近隣には含まれません。 近隣のサイズは、それぞれに異なる可能性があります。 近隣フィーチャが含まれない近隣もあれば、多数の近隣フィーチャを含む近隣もあります。 フィーチャ間のリレーションシップは、必ずしも対称的ではあるとは限りません。 たとえば、フィーチャ A がフィーチャ B の近隣フィーチャであっても、フィーチャ B がフィーチャ A の近隣フィーチャではない場合もあります。

あるフィーチャの近隣フィーチャが特定されると、加重が割り当てられます。 [加重オプション] 見出しの下にあるオプションでは、近隣フィーチャの加重が計算される方法を決定します。 近隣における近隣フィーチャの加重は、距離と等しいか、距離の関数となります。 加重には正の値を使用できます。負の加重は許容されません。

空間リレーションシップのコンセプト

近隣探索には、空間リレーションシップの標準的なコンセプトがいくつか含まれており、近隣フィーチャを特定し、加重を割り当てるために事前に構成された方法があります。 事前に構成されたオプションを選択すると、近隣探索は [近隣タイプ] パラメーター値と [方法] パラメーター値を適切な方法に設定します。

固定距離

[固定距離] オプション 固定距離 では、フォーカル フィーチャの指定距離内にあるすべてのフィーチャは、そのフォーカル フィーチャの近隣フィーチャになります。 このオプションを選択する場合、[距離バンド] パラメーターを指定する必要があります。 このオプションでは、近隣フィーチャを特定する方法を制御するために設定される [距離計算の方法] パラメーターと [最小近傍数] パラメーターもあります。 最小近傍数パラメーター値を 1 に設定することで、各フィーチャが少なくとも 1 つの近隣フィーチャを持つことを保証できます。 [方法] パラメーター値は [バイナリ] で、各近隣フィーチャに 1 の重みを割り当てます。

注意:

[最小近隣数] オプションでは [K 近傍] コンセプトを使用して最も近いフィーチャを特定します。

逆距離

[逆距離] オプション 逆距離 では、フォーカル フィーチャの指定距離内にあるすべてのフィーチャが、フォーカル フィーチャの近隣フィーチャになります。 [方法] パラメーター値は [逆距離] で、逆距離関数を使用して近隣フィーチャに加重を割り当てます。 距離によって、加重がいかに急激に減衰するかを設定するには、[指数] パラメーターを使用します。

K 近傍

[K 近傍] オプション K 近傍 では、フォーカル フィーチャへの K 最近隣フィーチャが近隣に含まれます。 K は [近隣数] パラメーターで指定します。 すべての近隣が同じサイズであることを確認するには、このオプションを選択します。 [方法] パラメーター値は [バイナリ] で、各近隣フィーチャに 1 の加重を割り当てます。

隣接エッジのみ

[隣接エッジのみ] オプション 隣接エッジのみ では、エッジが隣接するポリゴン フィーチャは近隣フィーチャになります。 このオプションは、フィーチャ レイヤーにポリゴンが含まれている場合にのみ使用できます。 [方法] パラメーター値は [バイナリ] で、各近隣フィーチャに 1 の加重を割り当てます。

隣接エッジ コーナー

[隣接エッジ コーナー] オプション 隣接エッジ コーナー では、エッジまたはコーナーが隣接するポリゴン フィーチャは近隣フィーチャになります。 このオプションは、フィーチャ レイヤーにポリゴンが含まれている場合にのみ使用できます。 [方法] パラメーター値は [バイナリ] で、各近隣フィーチャに 1 の加重を割り当てます。

ドローネ三角形分割の切詰め

[ドローネ三角形分割の切詰め] オプション ドローネ三角形分割の切詰め では、ポイント フィーチャまたはポリゴンの重心が、ドローネ三角形分割によって三角測量されます。 三角形分割法によって接続されたポイントは、近隣フィーチャと見なされます。 ドローネ三角形分割の結果は、一連のポイントの凸包の境界に切詰められます。 凸包と交差する近隣接続は、すべて削除されます。 [方法] パラメーター値は [バイナリ] で、すべての近隣フィーチャに 1 の加重を割り当てます。

手動

事前に構成されたオプションに、データセット内のフィーチャ間の空間リレーションシップを表すものがない場合は、[手動] オプション リボンのカスタマイズ を選択し、[近隣タイプ] パラメーター値と [方法] パラメーター値を手動で設定します。 [近隣タイプ] パラメーター オプションには、[距離バンド][隣接エッジのみ][隣接エッジ コーナー][K 近傍][ドローネ三角形分割の切り詰め] があります。 [方法] パラメーター オプションには、[バイナリ][逆距離][ガウス][バイスクエア][三角形][4 次] があります。 ガウス、バイスクエア、三角形、4 次は、カーネル関数です。 各カーネル関数は、その計算に帯域幅を使用します。 固定距離では固定帯域幅を使用しますが、K 近傍では適応帯域幅を使用します。

空間加重をファイルから取得

既存の空間加重マトリックスがある場合は、[空間加重をファイルから取得] オプションを選択し、[空間加重マトリックス ファイル] パラメーターを指定して空間加重マトリックス (.swm) ファイルをインポートします。

空間加重マトリックス (.swm) ファイルの読み込みの詳細

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