ネットワーク空間加重の生成 (Generate Network Spatial Weights) (空間統計)

Network Analyst のライセンスで利用可能。

サマリー

ネットワーク データセットを使用して空間加重マトリックス ファイル (.swm) を作成し、基礎となるネットワーク構造におけるフィーチャの空間リレーションシップを定義します。

レガシー:

このツールは非推奨のツールです。 ポータル サービスからのネットワークを許容することを含めて、拡張機能および新機能を含んでいる新しいツールが作成されました。 更新された [ネットワーク空間加重マトリックスの生成 (Generate Network Spatial Weights Matrix)] ツールをご参照ください。

ネットワーク空間加重の生成ツールの図

使用法

  • このツールでは空間加重マトリックス ファイル (.swm) が出力されます。 [空間リレーションシップのコンセプト] オプションの指定を必要とするツールでは、空間加重マトリックス ファイルが許容されます。[空間リレーションシップのコンセプト] パラメーターについて GET_SPATIAL_WEIGHTS_FROM_FILE を選択し、[加重マトリックス ファイル] パラメーターについてこのツールを使って作成された空間加重ファイルのフル パスを指定します。

  • このツールは、[入力フィーチャクラス] のポイント データでの操作専用に設計されています。

  • 空間加重マトリックスは、データセットのフィーチャ間に存在する空間リレーションシップを定量化します。 空間統計ツールボックスの多くのツールは、各フィーチャと近傍フィーチャの関連性を評価します。 このような近隣との関係は、空間加重マトリックス ファイルに定義されています。 移動が 1 つのネットワークに制限されている場合、このツールでは、近隣との関係がフィーチャ間の時間または距離に基づくことになります (空間加重と空間加重マトリックス ファイルの詳細については、「空間加重」をご参照ください)。

  • ヒント:

    多くの組織は、独自の道路ネットワーク データセットを保持していて、すでにアクセスできる場合があります。 また、Street Map Premium for ArcGIS には、北米、中南米、ヨーロッパ、中東アフリカ、日本、オーストラリア、ニュージーランドをカバーする、SDC 形式であらかじめ作成されたネットワーク データセットが含まれています。 このツールでは、これらのネットワーク データセットを直接使用できます。

  • 個別値フィールドは、このツールを実行して得られたフィーチャ リレーションシップにリンクしています。 そのため、個別値は、すべてのフィーチャについて一意でなければならず、通常はフィーチャクラスとともに保持される永続的なフィールドに置かれます。 一意の ID フィールドがない場合は、フィーチャクラス テーブルに新しい整数フィールドを追加 ([フィールドの追加 (Add Field)]) し、フィールド値が FID または OBJECTID フィールドと同じになるように計算 ([フィールド演算 (Calculate Field)]) して、作成することができます。 FID および OBJECTID フィールドの値は、フィーチャクラスをコピーまたは編集すると変更される場合があるため、これらのフィールド値を [一意の ID] パラメーターで直接使用することはできません。

  • [最大近傍数] パラメーターには、各フィーチャに関連付けられる近傍数を数値で指定します。 [インピーダンス カットオフ] は、指定した近傍数をカットオフ距離または時間の範囲内に見つけることができない場合、[近傍数] パラメーターをオーバーライドして一部のフィーチャの近傍数が少なくなることを認めます。

  • 空間関係は、ネットワーク データセットに階層があれば、階層で定義できます。この場合は、[解析に階層を使用] パラメーターを使用します。 階層では、ネットワーク エッジが幹線道路、一般道路、生活道路に分類されます。 ネットワークの階層を使用してフィーチャ間の空間関係を作成するときには、一般道路よりも幹線道路での移動が優先され、生活道路よりも一般道路での移動が優先されます。

  • Street Map Premium for ArcGIS の事前作成済みのネットワーク データセットで移動モードを使用すると、一部のパラメーター オプションが事前入力された状態のまま変更不可になっていることがあります。

  • このツールでは、出力座標系環境設定は考慮されません。 すべてのフィーチャ ジオメトリは、分析の前にネットワーク データセットに関連付けられた空間参照に一致するように投影されます。 このツールによって作成される空間加重マトリックス ファイルには、ネットワーク データセットの空間参照で定義される空間関係が反映されます。 ネットワーク空間加重マトリックス ファイルを使用して分析を実施するときには、ネットワーク SWM を作成するときに使用するネットワーク データセットの座標系と一致するように入力フィーチャクラスを投影することを推奨します。

  • 注意:

    シェープファイルを使用するときは、NULL 値を格納できないため、注意が必要です。 シェープファイル以外の入力からシェープファイルを作成するツールまたはその他の方法では、NULL 値がゼロとして格納または解釈される場合があります。 場合によっては、NULL 値はシェープファイルに非常に大きな負の値として格納されます。 この場合、予期せぬ結果に至ることがあります。 詳細については、「ジオプロセシングでのシェープファイル出力の注意事項」をご参照ください。

パラメーター

ラベル説明データ タイプ
入力フィーチャクラス

フィーチャ間のネットワーク空間リレーションシップを評価する対象のポイント フィーチャクラス。

Feature Class
一意の ID フィールド

入力フィーチャクラスのすべてのフィーチャで値が異なる整数フィールドです。個別値フィールドがない場合は、整数フィールドをフィーチャクラス テーブルに追加し、FID/OBJECTID フィールドに等しいフィールド値を計算することによって、作成できます。

Field
出力空間ウェイト マトリックス ファイル

出力ネットワーク空間ウェイト マトリックス ファイル (*.swm) ファイル。

File
入力ネットワーク

入力フィーチャクラス内のフィーチャ間の空間関係を定義するネットワーク データセット。 ほとんどの場合、ネットワーク データセットは道路網を表しますが、他の種類の交通ネットワークを表すこともあります。 ネットワーク データセットには、少なくとも 1 つの時間ベースのコスト属性と 1 つの距離ベースのコスト属性が必要です。

Network Dataset Layer
インピーダンス属性

分析でインピーダンスとして使用するコスト単位の種類。

String
インピーダンス カットオフ
(オプション)

[逆] または [固定] の空間リレーションシップのコンセプトについてのカットオフ値を指定します。 この値は [インピーダンス属性] パラメーターで指定した単位で入力します。

値をゼロにすると、閾値が適用されません。 このパラメーターを空欄のままにすると、入力フィーチャクラスの範囲とフィーチャ数に基づきデフォルトの閾値が計算されます。

Double
最大近傍数
(オプション)

各フィーチャについて特定する最大近傍数を表す整数。

Long
バリア
(オプション)

ブロックされている交差点、道路の閉鎖、事故現場、ネットワーク沿いで移動がブロックされているその他の場所を表すフィーチャを含むポイント フィーチャクラス名。

Feature Layer
U ターン ポリシー
(オプション)

オプションの U ターン規制を指定します。

  • U ターンを許可どこでも U ターンできます。 これがデフォルトです。
  • U ターンを許可しないナビゲーション中の U ターンは禁止されます。
  • 行き止まりの場合にのみ U ターンが認められます。行き止まり (つまり、一方向のジャンクション) の場合にのみ U ターンが認められます。
  • 行き止まりと交差点でのみ U ターンを許可行き止まりと交差点の場合にのみ U ターンが認められます。
String
規制
(オプション)

規制のリスト。 空間リレーションシップの計算に適用する規制をオンにします。

String
解析に階層を使用
(オプション)

解析に階層を使用するかどうかを指定します。

  • オン - ヒューリスティック パス アルゴリズムにネットワーク データセットの階層属性を使用して解析速度を上げます。
  • オフ - 正確なパス アルゴリズムを使用します。 階層属性がない場合、このオプションは解析に影響を与えません。
Boolean
検索許容値
(オプション)

ネットワーク データ セットについて [入力フィーチャクラス] のフィーチャを特定するときに使用する検索閾値。 このパラメーターには、計算値、および許容値の単位が含まれます。

Linear Unit
空間リレーションシップのコンセプト
(オプション)

各空間関係に関連付けられる加重をどのように指定するかを指定します。

  • 遠いフィーチャほど近いフィーチャよりも加重が小さくなります。
  • 固定[インピーダンス カットオフ] の範囲内のフィーチャは隣接フィーチャ (加重が 1) です。[インピーダンス カットオフ] の範囲外のフィーチャは加重されません (加重が 0)。
String
指数
(オプション)

[逆][空間リレーションシップのコンセプト] の計算のためのパラメーター。 典型的な値は 1 または 2 です。 加重は、この指数値が上昇するにつれ、距離とともに下降速度が増します。

Double
行の標準化
(オプション)

行の標準化を適用するかどうかを指定します。 行の標準化が推奨されるのは、サンプリングの設計や指定された集約方式によってフィーチャの分布が偏る可能性がある場合です。

  • オン: 空間加重は行で標準化されます。 各加重は行の合計で除されます。
  • オフ: 空間加重の標準化は適用されません。
Boolean
移動モード
(オプション)

解析対象の交通モード。 [カスタム] は、常に選択肢に含まれています。 その他の移動モードを表示するには、[ネットワーク データセット] パラメーターで指定されたネットワーク データセットにこれらのモードが存在していなければなりません。

移動モードは、ネットワーク データセットで定義され、車、トラック、歩行などの移動モードをモデリングする一連のパラメーターをオーバーライドする値を提供します。

String
時刻
(オプション)

移動時間の計測で交通状況を考慮するかどうかを指定します。 特に都市部では、交通状況は、指定した移動時間内にカバーされるエリアに多大な影響を与える場合があります。 日付も時間も指定しない場合、指定した移動時間以内にカバーされる距離は交通状況の影響を受けません。

Date

arcpy.stats.GenerateNetworkSpatialWeights(Input_Feature_Class, Unique_ID_Field, Output_Spatial_Weights_Matrix_File, Input_Network, Impedance_Attribute, {Impedance_Cutoff}, {Maximum_Number_of_Neighbors}, {Barriers}, {U-turn_Policy}, {Restrictions}, {Use_Hierarchy_in_Analysis}, {Search_Tolerance}, {Conceptualization_of_Spatial_Relationships}, {Exponent}, {Row_Standardization}, {Travel_Mode}, {Time_of_Day})
名前説明データ タイプ
Input_Feature_Class

フィーチャ間のネットワーク空間リレーションシップを評価する対象のポイント フィーチャクラス。

Feature Class
Unique_ID_Field

入力フィーチャクラスのすべてのフィーチャで値が異なる整数フィールドです。個別値フィールドがない場合は、整数フィールドをフィーチャクラス テーブルに追加し、FID/OBJECTID フィールドに等しいフィールド値を計算することによって、作成できます。

Field
Output_Spatial_Weights_Matrix_File

出力ネットワーク空間ウェイト マトリックス ファイル (*.swm) ファイル。

File
Input_Network

入力フィーチャクラス内のフィーチャ間の空間関係を定義するネットワーク データセット。 ほとんどの場合、ネットワーク データセットは道路網を表しますが、他の種類の交通ネットワークを表すこともあります。 ネットワーク データセットには、少なくとも 1 つの時間ベースのコスト属性と 1 つの距離ベースのコスト属性が必要です。

Network Dataset Layer
Impedance_Attribute

分析でインピーダンスとして使用するコスト単位の種類。

String
Impedance_Cutoff
(オプション)

INVERSE および FIXED の空間リレーションシップのコンセプトについてのカットオフ値を指定します。 この値は Impedance_Attribute パラメーターで指定した単位で入力します。

値をゼロにすると、閾値が適用されません。 このパラメーターを空欄のままにすると、入力フィーチャクラスの範囲とフィーチャ数に基づきデフォルトの閾値が計算されます。

Double
Maximum_Number_of_Neighbors
(オプション)

各フィーチャについて特定する最大近傍数を表す整数。

Long
Barriers
(オプション)

ブロックされている交差点、道路の閉鎖、事故現場、ネットワーク沿いで移動がブロックされているその他の場所を表すフィーチャを含むポイント フィーチャクラス名。

Feature Layer
U-turn_Policy
(オプション)

オプションの U ターン規制を指定します。

  • ALLOW_UTURNSどこでも U ターンできます。 これがデフォルトです。
  • NO_UTURNSナビゲーション中の U ターンは禁止されます。
  • ALLOW_DEAD_ENDS_ONLY行き止まり (つまり、一方向のジャンクション) の場合にのみ U ターンが認められます。
  • ALLOW_DEAD_ENDS_AND_INTERSECTIONS_ONLY行き止まりと交差点の場合にのみ U ターンが認められます。
String
Restrictions
[Restriction,...]
(オプション)

規制のリスト。 空間リレーションシップの計算に適用する規制をオンにします。

String
Use_Hierarchy_in_Analysis
(オプション)

解析に階層を使用するかどうかを指定します。

  • USE_HIERARCHYヒューリスティック パス アルゴリズムにネットワーク データセットの階層属性を使用して解析速度を上げます。
  • NO_HIERARCHY正確なパス アルゴリズムを使用します。 階層属性がない場合、このオプションは解析に影響を与えません。
Boolean
Search_Tolerance
(オプション)

ネットワーク データ セットについて Input_Feature_Class のフィーチャを特定するときに使用する検索閾値。 このパラメーターには、計算値、および許容値の単位が含まれます。

Linear Unit
Conceptualization_of_Spatial_Relationships
(オプション)

各空間関係に関連付けられる加重をどのように指定するかを指定します。

  • INVERSE遠いフィーチャほど近いフィーチャよりも加重が小さくなります。
  • FIXEDImpendance_Cutoff の範囲内のフィーチャは隣接フィーチャ (加重が 1) です。Impendance_Cutoff の範囲外のフィーチャは加重されません (加重が 0)。
String
Exponent
(オプション)

INVERSE Conceptualization_of_Spatial_Relationships の計算のためのパラメーター。 典型的な値は 1 または 2 です。 加重は、この指数値が上昇するにつれ、距離とともに下降速度が増します。

Double
Row_Standardization
(オプション)

行の標準化を適用するかどうかを指定します。 行の標準化が推奨されるのは、サンプリングの設計や指定された集約方式によってフィーチャの分布が偏る可能性がある場合です。

  • ROW_STANDARDIZATION空間加重は行で標準化されます。 各加重は行の合計で除されます。
  • NO_STANDARDIZATION空間加重の標準化は適用されません。
Boolean
Travel_Mode
(オプション)

解析対象の交通モード。 [カスタム] は、常に選択肢に含まれています。 その他の移動モードを表示するには、[ネットワーク データセット] パラメーターで指定されたネットワーク データセットにこれらのモードが存在していなければなりません。

移動モードは、ネットワーク データセットで定義され、車、トラック、歩行などの移動モードをモデリングする一連のパラメーターをオーバーライドする値を提供します。

String
Time_of_Day
(オプション)

移動時間の計測で交通状況を考慮するかどうかを指定します。 特に都市部では、交通状況は、指定した移動時間内にカバーされるエリアに多大な影響を与える場合があります。 日付も時間も指定しない場合、指定した移動時間以内にカバーされる距離は交通状況の影響を受けません。

Date

コードのサンプル

GenerateNetworkSpatialWeights の例 1 (Python ウィンドウ)

次の Python ウィンドウ スクリプトは、GenerateNetworkSpatialWeights 関数の使用方法を示しています。

import arcpy
arcpy.env.workspace = "c:/data"
arpcy.stats.GenerateNetworkSpatialWeights("Hospital.shp", "MyID",
                                          "network6Neighs.swm", "Streets_ND",
                                          "MINUTES", 10, 6, "#", "ALLOW_UTURNS",
                                          "#", "USE_HIERARCHY", "#", "INVERSE", 
                                          1, "ROW_STANDARDIZATION")
GenerateNetworkSpatialWeights の例 2 (スタンドアロン スクリプト)

次のスタンドアロン Python スクリプトは、GenerateNetworkSpatialWeights 関数の使用方法を示しています。

# Create a Spatial Weights Matrix based on Network Data 

# Import system modules
import arcpy

# Set the environment property to overwrite existing output
arcpy.env.overwriteOutput = True

# Check out the ArcGIS Network Analyst エクステンション (required for the Generate Network Spatial Weights tool)
arcpy.CheckOutExtension("Network")

# Local variables...
workspace = r"C:\Data"

try:
    # Set the current workspace (to avoid having to specify the full path to 
    # the feature classes each time)
    arcpy.env.workspace = workspace

    # Create Spatial Weights Matrix based on Network Data 
    # Process: Generate Network Spatial Weights... 
    nwm = arcpy.stats.GenerateNetworkSpatialWeights("Hospital.shp", "MyID",
                        "network6Neighs.swm", "Streets_ND",
                        "MINUTES", 10, 6, "#", "ALLOW_UTURNS",
                        "#", "USE_HIERARCHY", "#", "INVERSE",
                        1, "ROW_STANDARDIZATION")

    # Create Spatial Weights Matrix based on Euclidean Distance
    # Process: Generate Spatial Weights Matrix... 
    swm = arcpy.stats.GenerateSpatialWeightsMatrix("Hospital.shp", "MYID",
                        "euclidean6Neighs.swm",
                        "K_NEAREST_NEIGHBORS",
                        "#", "#", "#", 6) 

    # Calculate Moran's Index of Spatial Autocorrelation for 
    # average hospital visit times using Network Spatial Weights 
    # Process: Spatial Autocorrelation (Morans I)...       
    moransINet = arcpy.stats.SpatialAutocorrelation("Hospital.shp", "VisitTime",
                        "NO_REPORT", "GET_SPATIAL_WEIGHTS_FROM_FILE", 
                        "EUCLIDEAN_DISTANCE", "NONE", "#", 
                        "network6Neighs.swm")

    # Calculate Moran's Index of Spatial Autocorrelation for 
    # average hospital visit times using Euclidean Spatial Weights   
    # Process: Spatial Autocorrelation (Morans I)...       
    moransIEuc = arcpy.stats.SpatialAutocorrelation("Hospital.shp", "VisitTime",
                        "NO_REPORT", "GET_SPATIAL_WEIGHTS_FROM_FILE", 
                        "EUCLIDEAN_DISTANCE", "NONE", "#", 
                        "euclidean6Neighs.swm")

except:
    # If an error occurred when running the tool, print out the error message.
    print arcpy.GetMessages()

ライセンス情報

  • Basic: 次のものが必要 Network Analyst
  • Standard: 次のものが必要 Network Analyst
  • Advanced: 次のものが必要 Network Analyst