ルート解析モデルの作成

Network Analyst のライセンスで利用可能。

ArcGIS Pro は、Network Analyst ツールボックスを介してジオプロセシング機能を提供します。これらのジオプロセシング ツールをモデル内で組み合わせると、反復タスクの自動化に役立つとともに、エラーの可能性を低減できます。モデルでは、1 つのツールの出力が別のツールの入力として使用されます。

このチュートリアルでは、21 の店舗を結ぶ最短の配送ルートを生成するモデルを作成します。

メモ:

ArcGIS Online を使用して解析する場合は、その解析で、ArcGIS Online クラウドに格納されている高品質な世界規模のネットワーク データセットが参照され、ArcGIS Online クレジットが使用されます。独自のデータを使用する場合は、オンライン クレジットは使用されず、そのネットワーク データセットをプロジェクトに関連付ける必要があります。

このチュートリアルの具体的な手順に従った場合、クレジットは一切使用されません。

データの取得

このチュートリアルのデータは、ダウンロードして使用できます。

  1. データ ダウンロード ページに移動します。
  2. [ダウンロード] ボタンをクリックしてファイルをローカルに保存します。
  3. ダウンロードしたファイルを展開します。

マップの作成

  1. ArcGIS Pro を開きます。
  2. [Map.aptx] テンプレートに基づいて新しいプロジェクトを作成します。

    マップを含む新しいプロジェクトが表示されます。

プロジェクトへのチュートリアル データの追加

次の一連の手順で、ネットワーク データセットをマップに追加します。

  1. [カタログ] ウィンドウ (デフォルトではアプリケーションの横側にある) で [フォルダー] を右クリックし、[フォルダー接続の追加] フォルダー接続の追加 を選択します。

    [フォルダー接続の追加] ダイアログ ボックスが表示されます。

  2. チュートリアル データを置いたフォルダーを参照して、[Network Analyst] をダブルクリックし、[Tutorial] をクリックしてこのフォルダーを選択します。
  3. [OK] をクリックします。

    Tutorial フォルダーへの接続が作成されます。

  4. 次に、このフォルダーに含まれているネットワーク データセットの 1 つをマップに追加します。

  5. [カタログ] ウィンドウで、[フォルダー] > [Tutorial] > [Paris.gdb] > [Transportation] の順に展開します。
  6. [ParisMultimodal_ND] (ネットワーク データセット アイコン ネットワーク データセット を持つ) をマップにドラッグします。

    このネットワーク データセットが [コンテンツ] ウィンドウとマップに追加されます。

  7. [カタログ] ウィンドウで、[フォルダー] > [Tutorial] > [Paris.gdb] > [解析] の順に展開します。
  8. [Stores] フィーチャクラスをマップにドラッグします。

    ポイント フィーチャクラスが [コンテンツ] ウィンドウとマップに追加されます。

モデルの作成および実行

新しいモデルを作成して実行するには、ModelBuilder で次の手順に従います。

  1. [解析] タブの [ジオプロセシング] グループで、[ModelBuilder] ボタン モデル をクリックします。

    新しいモデルが、編集用に開きます。

  2. [解析] タブの [ジオプロセシング] グループで、[ツール] をクリックします。

    [ジオプロセシング] ウィンドウが開きます。

  3. [ツールボックス] をクリックし、[Network Analyst ツール] ツールボックスを展開します。
  4. [解析] ツールセットをクリックし、[ルート解析レイヤーの作成 (Make Route Analysis Layer)] ツールを新しいモデル ウィンドウにドラッグします。
  5. ModelBuilder ウィンドウに、次に示すようなモデルが表示されます。
    ルート解析レイヤーの作成 (Make Route Analysis Layer)
  6. モデル ウィンドウで [ネットワーク データ ソース] をダブルクリックします。
  7. [ネットワーク データ ソース] ドロップダウン リストから、[ParisMultimodal_ND] を選択して [OK] をクリックします。
  8. モデル ウィンドウで [ルート解析レイヤーの作成 (Make Route Analysis Layer)] ツールをダブルクリックします。

    [ルート解析レイヤーの作成 (Make Route Analysis Layer)] ダイアログ ボックスが開きます。

  9. [シーケンス] ドロップダウン メニューから、[最初と最後のストップを維持] を選択します。
  10. [OK] をクリックします。
  11. 次に示すようなモデルが表示されます。
    ModelBuilder の [ルート解析レイヤーの作成 (Make Route Analysis Layer)] ツール
  12. [解析] ツールセットからモデル ウィンドウに [ロケーションの追加 (Add Locations)] ツールをドラッグします。
  13. [コンテンツ] ウィンドウの [Stores] フィーチャ レイヤーを選択し、モデル上の [ロケーションの追加 (Add Locations)] の左側にドラッグします。
  14. [Stores][ロケーションの追加 (Add Locations)] に接続し、表示されるショートカット メニューの [入力ロケーション] をクリックします。
  15. [ルート][ロケーションの追加 (Add Locations)] に接続し、表示されるショートカット メニューの [入力ネットワーク解析レイヤー] をクリックします。
  16. リボンの [ModelBuilder] タブをクリックします。
  17. [表示] グループの [自動レイアウト] ボタン 自動レイアウト をクリックします。

    論理的な順序でモデルが配置されます。次に示すようなモデルが表示されます。

    ModelBuilder の [ロケーションの追加 (Add Locations)] ツール

  18. [ジオプロセシング] ウィンドウで、[解析] ツールセットからモデル ウィンドウに [解析の実行 (Solve)] ツールをドラッグします。
  19. [ロケーションの追加 (Add Locations)] ツールの出力である [更新された入力ネットワーク解析レイヤー][解析の実行 (Solve)] ツールに接続します。表示されるショートカット メニューの [入力ネットワーク解析レイヤー] をクリックします。
  20. [自動レイアウト] ボタン 自動レイアウト をクリックします。

    次に示すようなモデルが表示されます。

    モデルの [解析の実行 (Solve)]

  21. [解析の実行 (Solve)] ツールの出力レイヤーである [更新された入力ネットワーク解析レイヤー (2)] を右クリックし、[マップへ追加] をクリックします。
  22. これで、モデル ビューからモデルが実行されたときに、最終出力がマップ表示に追加されます。
  23. [保存] ボタン 保存 をクリックして、モデルを保存します。
  24. [整合チェック] ボタン 整合チェック をクリックして、モデルのすべてのエレメントが有効であることを確認します。
  25. [実行] ボタン 実行 をクリックします。
  26. ルート解析が実行されている間、ステータス ウィンドウが表示されます。
  27. 完了したらステータス ウィンドウを閉じ、[マップ] ウィンドウに切り替えて、結果を検証します。

    新しいルート レイヤーが [コンテンツ] ウィンドウに追加されます。

    ルート解析の結果

ジオプロセシング ツールとしてのモデルの実行

他のジオプロセシング ツールと同様に、モデル ツールを [ジオプロセシング] ウィンドウで開いて実行できます。モデル パラメーターとして設定された変数は、モデルをジオプロセシング ツールとして実行するときにツール パラメーターとして表示され、モデルの作成時とは異なるデータまたは値を指定してモデルを処理できます。

  1. モデル ビューに切り替えて、[Stores] を右クリックします。表示されるショートカット メニューから [パラメーター] を選択します。

    モデル内で変数がパラメーターになったことが、変数の横に表示される P によって示されます。

  2. モデル内で [ParisMultimodel_ND] 変数および [更新された入力ネットワーク解析レイヤー (2)] 変数を使用した上記の手順に従います。

    次に示すようなモデルが表示されます。

    パラメーターとしての変数の設定

  3. モデルを保存して閉じます。
  4. モデルが、ジオプロセシング ツールとしてツールボックスに保存されます。
    ジオプロセシング ツールとしてツールボックスに保存されたモデル
  5. モデルが保存された場所を参照してダブルクリックするか、その場所を右クリックして [開く] を選択します。

    [ジオプロセシング] ウィンドウにモデルが開きます。

  6. 必要に応じて、パラメーターに値を入力し、右下の [実行] ボタン 実行 をクリックします。

    新しいルート レイヤーが [マップ] ビューと [コンテンツ] ウィンドウに追加されます。このルート レイヤーによって、前の手順でモデル ビューからモデルを実行して作成されたレイヤーが上書きされます。

    ヒント:
    [レイヤーのパッケージ化 (Package Layer)] および [パッケージの共有 (Share Package)] ツールをモデルに追加して、最終出力であるレイヤー パッケージを作成し、ArcGIS Online アカウントを使用して共有することができます。
    レイヤー パッケージの作成および共有

    また、モデルを共有するためにプロジェクト パッケージまたはプロジェクト テンプレートを作成することもできます。これを行うと、組織内のユーザー、または ArcGIS Online もしくは ArcGIS Enterprise を利用するユーザーがモデルを使用できるようになります。