Standard または Advancedのライセンスで利用可能。
ファイル ジオデータベース内のデータを他のユーザーと共有し、それらのユーザーがデータを使用できる期間や、それらのユーザーがフィーチャクラスをエクスポートできるかどうかを定めるライセンスを適用できます。
たとえば、ある教授が 1 学期の間、生徒にデータを配布する場合、その教授は、その学期の終了時に期限が切れるようにライセンスされたデータを含むファイル ジオデータベースを生徒に提供できます。また、データセットを分析する請負業者を雇う場合、その請負業者にデータをエクスポートさせたくなければ、データのエクスポートが許可されないようにライセンスされたファイル ジオデータベースをその請負業者に提供できます。
これを実行するには、次の手順を実行します。
- ファイル ジオデータベースを作成します。
- ライセンスを使用して制限するデータを読み込みます。
- ファイル ジオデータベースをライセンス済みとして指定し、ライセンス定義ファイルを生成します。
- ライセンス ファイルを生成します。
- ライセンスを ArcGIS クライアントに適用します。
ファイル ジオデータベースの作成
他のユーザーにファイル ジオデータベースを送信するため、この目的専用のファイル ジオデータベースを作成します。詳細については、「ファイル ジオデータベースの作成」をご参照ください。
ライセンス付きファイル ジオデータベースおよびクライアント リリースに関する以下の情報に注意してください。
- ArcMap または ArcGIS Server の 10.3 以降のリリースは、ArcGIS 10 以降の非圧縮ファイル ジオデータベースをライセンスできます。
- ArcMap または ArcGIS Server の 10.3 以降のリリースは、ArcGIS 10.1 以降の圧縮ファイル ジオデータベースをライセンスできます。
- ArcGIS Pro は、ArcGIS 10 以降の非圧縮ファイル ジオデータベースまたは ArcGIS 10.1 の圧縮ジオデータベースをライセンスできます。ただし、ArcGIS Pro でライセンスを登録するには、ArcGIS Administrator が必要です。
- ArcMap 10.1、ArcGIS 10.1 for Server、または ArcGIS 1.0 Pro 以降のリリースのクライアントは、ライセンス付きファイル ジオデータベースを使用できるため、ファイル ジオデータベースを送信する先のユーザーが、サポートされている ArcGIS クライアントを所有していることを確認してください。
使用を制限するデータの読み込み
時間制限またはエクスポート制限を適用するすべてのデータを、ファイル ジオデータベースに読み込みます。ライセンスを適用する際に、制限したいデータをファイル ジオデータベースにすべて格納してください。後で、制限されていない他のデータを追加することはできますが、制限されている他のデータを追加することはできません。後で他のデータに制限を適用するには、新しいファイル ジオデータベースをライセンスする必要があります。
ファイル ジオデータベースのライセンス生成
作成してデータを読み込んだファイル ジオデータベースをライセンスするには、[ライセンス付きファイル ジオデータベースの生成 (Generate Licensed File Geodatabase)] ツールまたはこのツールを呼び出すスクリプトを実行します。
[ライセンス付きファイル ジオデータベースの生成 (Generate Licensed File Geodatabase)] ツールは、データのライセンスをサポートするようにファイル ジオデータベースを変更し、ライセンス定義ファイル (**.licdef) を作成します。ライセンス定義ファイルには、データをライセンスして配布するために必要な情報が含まれています。ライセンス ファイルを生成する場合、このファイルが必要になります。
ファイル ジオデータベースをライセンスしたら、そのライセンスを取り消すことはできません。また、ライセンス ファイル (**.sdlic) が作成されてクライアントに適用されるまで、ジオデータベースのコンテンツを ArcGIS に表示することはできません。
ライセンス ファイルの生成
ライセンス ファイルを定義および生成するには、[ファイル ジオデータベース ライセンスの生成 (Generate File Geodatabase License)] ツールまたはこのツールを呼び出す Python スクリプトを使用します。
ライセンス ファイルを定義するときに、ファイル ジオデータベース内のフィーチャクラスをエクスポートすることをエンド ユーザーに許可するかどうかを選択できます。デフォルトでは、インストールされているデータ ライセンス ファイルを使用してフィーチャクラスをエクスポートすることはできません。ライセンス ファイルを定義するときに、ライセンス ファイルの有効期限を設定することもできます。この期限が過ぎると、ファイル ジオデータベースのコンテンツは表示できなくなります。これにより、ライセンス付きジオデータベースに期間が設定されます。たとえば、アクセス権限の期限が 4 月 7 日に切れるように設定した場合、4 月 8 日以降、ライセンスされたデータはアクセス不可になります。デフォルトでは、有効期限の値は設定されません。つまり、データ ライセンス ファイルの有効期限は切れません。
メモ:
有効期限を定義するインターフェイスでは、標準日付/時刻ツールが使用されます。このツールを使用して有効期限の時刻を定義できますが、システムはこの時刻を使用しません。データのライセンスの有効期限は、必ず午前零時に切れます。
一度ライセンスが生成されると、それ以降ファイル ジオデータベースに読み込まれる追加データには、ライセンスが付与されません。そのため、ライセンスする必要がないその他のデータを共有する場合は、ライセンスを生成した後でも追加することができます。
ArcGIS クライアントへのライセンスの適用
ライセンスされたデータにアクセスする必要のあるすべての ArcGIS クライアントに、ライセンス ファイルをインストールする必要があります。自分およびジオデータベースとライセンス ファイルの送信先のすべてのユーザーは、データにアクセスできるように ArcGIS クライアントを構成する必要があります。
ArcMap または ArcGIS Pro へのライセンスの適用
ArcGIS Administrator を使用して、ファイル ジオデータベースのライセンスを適用します。
- ArcGIS Administrator を起動します。
- [データ ライセンス] フォルダーを開きます。
- [ライセンスを追加] をクリックします。
- ライセンス (*.sdlic) ファイルを選択し、[開く] をクリックします。
ライセンスが [データ ライセンス情報] リストに追加されます。[ライセンス情報] を展開し、ライセンスの有効期限 (存在する場合)、およびデータのエクスポートがライセンスされているかどうかを表示できます。
- [OK] をクリックします。
ArcGIS Server へのライセンスの適用
ArcGIS Server と共にインストールされるライセンス ツールを使用して、ファイル ジオデータベース ライセンスを認識できます。
Windows サーバーの場合
コマンド プロンプトを開き、<ArcGIS Server Installation Directory>\Server\bin にある DataLicInstall ツールを実行します。
以下の例では、このツールを実行して、proj3.sdlic にある C:\\data ファイルを適用しています。datalicinstall c:\\data\proj3.sdlic
Linux サーバーの場合
シェル コマンドを開き、<ArcGIS Server Installation Directory>/arcgis/server/tools にある datalicinstall ツールを実行します。
以下の例では、このツールを実行して、proj3.sdlic にある /usr/data ファイルを適用しています。./datalicinstall/usr/data/proj3.sdlic