ユーティリティ ネットワークを作成すると、事前定義済みのフィーチャクラスで構造物ネットワークが自動的に作成されます。ユーティリティ ネットワークの構成で次に行う手順は、組織が提供するユーティリティ サービスのタイプごとに 1 つ以上のドメイン ネットワークを追加することです。
それぞれのユーティリティ ネットワークは 1 つ以上のドメイン ネットワークを含むことができます。同じ有効資源のそれぞれのレベル (ガス、水、電力の分配レベルや伝達レベル) に対して複数のドメイン ネットワークを作成できます。また、組織が天然ガスや電力などの複数のタイプのサービスを提供している場合は、ドメイン ネットワークを追加することもできます。
これらのドメイン ネットワークはいずれも、同じ構造物ネットワークを共有するため、共通の構造物でサポートされているドメイン ネットワーク内のデバイスとラインを特定できます。
ドメイン ネットワークに含まれているフィーチャを経由して、分配された資源が利用者に流れます。ドメイン ネットワークには、次の 5 種類のフィーチャが用意されています。資源が流れるライン。資源の流れを制御するデバイス。フィーチャが接続されている場所に配置されたジャンクション。一連のライン、ジャンクション、およびデバイスを表すアセンブリ。資源の流れの範囲を定義するサブネットワーク ライン。
ドメイン ネットワーク内のデータセット
各ドメイン ネットワークは、そのドメイン ネットワークを追加した時点で作成された 5 つのフィーチャクラスと 2 つのテーブル (Device, Line、Junction、Assembly、SubnetLine、JunctionObject、および EdgeObject) で構成されています。これらのデータセットは、ユーティリティ ネットワークでの使用を目的としてシステム フィールドに割り当てられたシステムが提供する属性ドメインで作成されます。また、これらのフィーチャクラスを使用するための追加構成が必要です。
5 つのフィーチャクラスを次に示します。
- Device - バルブ、メーター、変圧器、スイッチなどのポイント フィーチャを表します。これらは小規模なフィーチャであり、これらのフィーチャを経由して有効資源が流れます。デバイスはさまざまな方法で資源に効果を与えることができます。たとえば、バルブは水の流れを制御し、変圧器は電圧レベルを変換し、メーターは顧客が消費したガス、水、電力を計測します。デバイスに明確なエントリ ポイントがある場合は、必要に応じてデバイスにターミナルを設定することができます。デバイスを他のデバイス、ジャンクション、ラインに接続できます。デバイスは、アセンブリに収容できるだけでなく、格納器の役割を果たす構造物ジャンクション、構造物ライン、構造物境界に収容することもできます。
- Line - ワイヤーやパイプなどの線形フィーチャを表します。これらのラインは、ガス、水、電力、通信などの有効資源を分配します。
- Junction - ラインがラインに接続される場所またはラインがデバイスに接続される場所を表します。ジャンクション フィーチャの主な使用方法は、デバイスまたはラインを中間の頂点で別のラインに接続できるようにすることです。ジャンクションは、ユーティリティ ネットワークのすべてのフィーチャの接続を終了させるために、必要に応じて配置します。
- Assembly - 他のフィーチャが収容されたポイント フィーチャを表します。デバイス フィーチャと同様に、アセンブリ フィーチャは小規模なフィーチャですが、アセンブリに他の重要なデバイスが収容される点が異なります アセンブリは、マップ上に 1 つのシンボルを表示し、さらに内部フィーチャとその接続をモデル化するのに役立ちます。アセンブリの内部フィーチャは、マップ上またはダイアグラム ビュー内に表示できます。アセンブリ フィーチャの例として、開閉装置、変圧器バンク、ポンプ組立体などがあります。
- SubnetLine - 資源の流れの現在の範囲を定義する一連のサブネットワーク ラインを表します。サブネットワークは、水道事業とガス事業では圧力ゾーンと呼ばれ、 電力事業では回路または給電線と呼ばれます。サブネットワークは、ドメイン ネットワーク内の他のフィーチャのように直接編集できません。代わりに、サブネットワークを更新するコマンドで生成されます。このコマンドは、サブネットワーク コントローラー (変電所や貯水槽など) から、すべてのデバイスとラインを経由して、消費されるか、スイッチやバルブなどの遮断装置によってブロックされるまでの資源の流れをトレースします。開閉装置によって、サブネットワークは頻繁に切り替わり、要求に応じてすばやく再生成されることがあります。
これら 2 つのテーブルは次のとおりです。
- JunctionObject - 収容されるか他のネットワーク フィーチャと関連付けられる、ラックやポートなどの非空間ジャンクション オブジェクトを表します。オブジェクトに明確なエントリ ポイントがある場合は、必要に応じてジャンクション オブジェクトにターミナルを設定することができます。
- EdgeObject - ケーブル内のファイバーなどの非空間エッジ オブジェクトを表します。ケーブルに含まれる可能性がある大量のフィーチャのために、これらはテーブルに格納されます。
ユーティリティ ネットワークは、1 つ以上のドメイン ネットワークと 1 つの構造物ネットワークで構成されます。次の図は、ガスと水を顧客に供給する公営企業のユーティリティ ネットワークに含まれるデータセットを示します。
ドメイン ネットワーク データセットの名前指定
データセット名は、すべてのドメイン ネットワークで共通です。これらの名前を見分けられるように、それぞれのデータセット名には、ドメイン ネットワークの名前が接頭辞として付けられます。ドメイン ネットワークに含まれているフィーチャクラスを次の表に示します。また、すべてのドメイン ネットワーク データセットにはエイリアス名も割り当てられます。このエイリアス名は、ドメイン ネットワークを追加した場合に設定されます。たとえば、GasDevice クラスのデフォルトのエイリアス名は Gas device です。このエイリアス名は変更することができます。
次のテーブルには、ガス ドメイン ネットワークのデータセットの名前の例を示します。
ガス ドメイン ネットワーク内のデータセット名
データセット接尾辞名 | データセット名 |
---|---|
Device | GasDevice |
Line | GasLine |
Assembly | GasAssembly |
Junction | GasJunction |
SubnetLine | GasSubnetLine |
EdgeObject | GasEdgeObject |
JunctionObject | GasJunctionObject |
ドメイン ネットワークの属性
ドメイン ネットワークに含まれているすべてのフィーチャクラスは、次の属性を共有します。
フィールド名 | フィールド エイリアス | 説明 |
---|---|---|
ASSETGROUP | アセット グループ | フィーチャ タイプの主要な分類を持つサブタイプ フィールド。 |
ASSETTYPE | アセット タイプ | 各アセット グループ タイプの属性ドメインとして実装される、補助的な分類を持つフィールド。 |
ASSOCIATIONSTATUS | 関連付けステータス | フィーチャが属している関連付けのタイプ、リレーションシップにおけるそのフィーチャの役割、格納物フィーチャの表示プロパティを説明します。詳細については、「関連付け」と「関連付けステータス属性」をご参照ください。 |
SUBNETWORKNAME | サブネットワーク名 | フィーチャが存在するサブネットワークの名前。Assembly フィーチャクラスにはサブネットワーク名フィールドがありません。 |
SUPPORTEDSUBNETWORKNAME | サポートされているサブネットワーク名 | フィーチャがサポートしているサブネットワークの名前。 メモ:ユーティリティ ネットワーク バージョン 4 以上。 |
メモ:
Global ID および編集者の追跡が有効な場合、フィールドが追加されます。Device クラスのフィーチャには、次の追加属性があります。
フィールド名 | フィールド エイリアス | 説明 |
---|---|---|
ISSUBNETWORKCONTROLLER | サブネットワーク コントローラー | フィーチャがサブネットワーク コントローラーとして設定されているかどうかを示します。 |
ISCONNECTED | 接続 | Is connected 属性は、ネットワーク内のサブネットワーク コントローラーとの接続性があるかどうかを示します。 |
SUBNETWORKCONTROLLERNAME | サブネットワーク コントローラー名 | フィーチャのサブネットワーク コントローラー名を格納します。 |
TIERNAME | 層の名前 | フィーチャが存在する層の名前。 |
TIERRANK | 層のランク | フィーチャが存在する層のランク。 |
TERMINALCONFIGURATION | ターミナル パス | フィーチャ用に存在するターミナル パスの構成。 |
Line クラスのフィーチャには、次の追加属性があります。
フィールド名 | フィールド エイリアス | 説明 |
---|---|---|
FROMDEVICETERMINAL | From デバイス ターミナル | ラインの始点が接続されるターミナルの ID。 |
TODEVICETERMINAL | To デバイス ターミナル | ラインの終点が接続されるターミナルの ID。 |
ISCONNECTED | 接続 | Is connected 属性は、ネットワーク内のサブネットワーク コントローラーとの接続性があるかどうかを示します。 |
Junction クラスには次の追加属性があります。
フィールド名 | フィールド エイリアス | 説明 |
---|---|---|
ISCONNECTED | 接続 | Is connected 属性は、ネットワーク内のサブネットワーク コントローラーとの接続性があるかどうかを示します。 |
JunctionObject テーブルには次の追加属性があります。
フィールド名 | フィールド エイリアス | 説明 |
---|---|---|
ISSUBNETWORKCONTROLLER | サブネットワーク コントローラー | オブジェクト上のターミナルがサブネットワーク コントローラーとして設定されるかどうかを示します。 |
ISCONNECTED | 接続 | Is connected 属性は、ネットワーク内のサブネットワーク コントローラーとの接続性があるかどうかを示します。 |
SUBNETWORKCONTROLLERNAME | サブネットワーク コントローラー名 | オブジェクトのサブネットワーク コントローラー名を格納します。 |
TIERNAME | 層の名前 | オブジェクトが存在する層の名前。 |
TIERRANK | 層のランク | オブジェクトが存在する層のランク。 |
TERMINALCONFIGURATION | ターミナル パス | オブジェクト用に存在するターミナル パスの構成。 |
EdgeObject テーブルには次の追加属性があります。
フィールド名 | フィールド エイリアス | 説明 |
---|---|---|
ISCONNECTED | 接続 | Is connected 属性は、ネットワーク内のサブネットワーク コントローラーとの接続性があるかどうかを示します。 |
SubnetLine クラス属性の詳細については、「SubnetLine フィーチャクラス」をご参照ください。