サブネットワーク コントローラー

サブネットワーク コントローラーはサブネットワークの起点を定義します。サブネットワーク コントローラーのタイプは、リソースがネットワークを流れる方法を定義します。フィーチャをサブネットワーク コントローラーとして設定した後は、そのアセット グループおよびアセット タイプは変更できません。

サブネットワーク コントローラーになれるフィーチャの定義

サブネットワーク コントローラーのネットワーク カテゴリは、システムが提供するネットワーク カテゴリで、Device フィーチャクラスおよび JunctionObject テーブルのアセット タイプに割り当てることができます。これは、フィーチャ上のターミナルをサブネットワーク コントローラーとして設定できるようにするために必要なものです。サブネットワーク コントローラーは、サブネットワークの起点を定義するためにサブネットワーク管理で使用されます。

このネットワーク カテゴリは、構成時にユーティリティ ネットワークの管理者が [ネットワーク カテゴリの設定 (Set Network Category)] ツールを使用して、アセット グループおよびアセット タイプ レベルでデバイスまたはジャンクション オブジェクトに対して設定します。

サブネットワーク コントローラーのタイプ

サブネットワーク コントローラーには、ソースとシンクという 2 つのタイプがあります。サブネットワーク コントローラー タイプによって、ドメイン ネットワーク内のすべてのサブネットワークをネットワーク リソースが流れる方法が決まります。

ドメイン ネットワークが [ソース] の [サブネットワーク コントローラー タイプ] で定義されている場合、リソースはサブネットワーク コントローラーから離れたり出たりすることのみが可能です。リソースは、サブネットワーク コントローラーに近づいたり入ったりすることはできません。

ソースベースのサブネットワーク

ドメイン ネットワークが [シンク] の [サブネットワーク コントローラー タイプ] で定義されている場合、リソースはサブネットワーク コントローラーに流れ込むことのみが可能です。リソースは、サブネットワーク コントローラーから離れたり出たりすることはできません。

シンクベースのサブネットワーク

詳細:

パーティション型のドメイン ネットワークの場合、サブネットワーク コントローラー タイプに基づいてサブネットワーク コントローラーを設定するとき、[サブネットワーク コントローラーの変更] ウィンドウは、次のように、ターミナル ドロップダウン メニューをフィルタリングします。

  • ソースベースのドメイン ネットワーク - 一方向ターミナル構成を持つフィーチャに対して、下流方向のターミナルのみがターミナル ドロップダウン メニューに表示されます。
  • シンクベースのドメイン ネットワーク - 一方向ターミナル構成を持つフィーチャに対して、上流方向のターミナルのみがターミナル ドロップダウン メニューに表示されます。

サブネットワーク コントローラーの作成

サブネットワーク コントローラーは、Device フィーチャクラスおよび JunctionObject テーブルのフィーチャにターミナル レベルで設定されます。1 つのデバイスまたはジャンクション オブジェクトは、サブネットワーク コントローラーとして定義されたターミナルを複数持つことができます。サブネットワーク コントローラーはサブネットワークの起点と、リソースがサブネットワーク内を通過するフロー方向を定義します。

サブネットワーク コントローラーを定義するには、次のように管理構成を設定する必要があります。

  • パーティション型のネットワークに属する場合、上流方向と下流方向のターミナルを含む方向のターミナル構成を作成し、目的のアセット タイプに割り当てる必要があります。
  • サブネットワーク コントローラーのネットワーク カテゴリ - 有効なサブネットワーク コントローラーのアセット タイプを指定します (例: 回路遮断器や電力変圧器)。
  • ドメイン ネットワーク - ドメイン ネットワーク内のサブネットワークに使用可能なサブネットワーク コントローラー タイプを定義します (ソースとシンク)。
  • 層グループ - 階層ドメイン ネットワークに対して層グループを定義する必要があります。
  • 層 - サブネットワークが参加する層を定義する必要があります。
  • サブネットワーク定義 - 層内のサブネットワークに対するサブネットワーク コントローラーとして設定できるデバイスまたはジャンクション オブジェクト アセットを指定します。

管理構成の設定完了後、個別フィーチャのターミナルがサブネットワーク コントローラーとして設定されます。ターミナルがサブネットワーク コントローラーとして設定されるには、以下の条件が満たされる必要があります。

  • ターミナルが属しているフィーチャは Device クラスまたは JunctionObject テーブルのものである必要があります。
  • フィーチャは有効なアセット タイプと見なされる必要があります。フィーチャには、サブネットワーク コントローラーとして設定 (ネットワーク カテゴリ) できて、目的の層に参加 (サブネットワーク定義) できるアセット タイプが含まれます。

こうした要件を満たした後、サブネットワーク コントローラーは [サブネットワーク コントローラーの変更] ウィンドウを使用して設定できるようになります。サブネットワーク コントローラーは、手動で設定することに加えて、[サブネットワーク コントローラーのインポート (Import Subnetwork Controllers)] ツールを使用してインポートすることができます。サブネットワーク コントローラーのインポートには、前述のすべての前提条件と制限事項が適用されます。

サブネットワーク コントローラーの割り当て

フィーチャのターミナルをサブネットワーク コントローラーとして設定する場合は、コントローラーに層内で一意の名前を指定する必要があります。サブネットワーク コントローラーの名前は、1 つ以上のサブネットワーク コントローラーが存在するデバイスまたはジャンクション オブジェクトの Subnetwork Controller Name 属性に格納されます。この Subnetwork Controller Name 属性は、サブネットワーク テーブルおよび SubnetLine フィーチャクラスにも保存されます。[サブネットワーク コントローラー タイプ] パラメーターは、ドメイン ネットワークの作成中に設定され、各ドメイン ネットワークの [ネットワーク プロパティ] タブの [一般] セクションにあるユーティリティ ネットワークの [レイヤー プロパティ] ダイアログ ボックスで確認できます。詳細については、「サブネットワーク名」をご参照ください。

ネットワークがパーティション型の場合、上流方向と下流方向のターミナルのみ、サブネットワーク コントローラーとして設定できます。パーティション型のネットワークでは、上流方向と下流方向のターミナルにより、トレース イベントの実行中にリアルタイムでフィーチャ内のフロー方向を決定できます。サブネットワーク全体のフロー方向は、サブネットワーク コントローラーのタイプによって決定されます。上流方向のターミナルはサブネットワーク シンクとして機能します。リソースはこのタイプのターミナルに向かってのみ流れることができます。そこから流出することはできません。下流方向のターミナルはサブネットワーク ソースとして機能します。リソースはこのタイプのターミナルから流出することのみできます。そこに向かって流れることはできません。

放射状とメッシュのサブネットワークは、複数のサブネットワーク コントローラーをサポートしています。トレースで、異なるサブネットワーク名を持つサブネットワーク コントローラーが検出されると、エラーが返されます。これは、接続解析トレースを除くすべてのタイプのトレースに当てはまります。返されるエラーは、複数のサブネットワークが通過可能になっている (サブネットワークのトレース構成で指定) ことを示しています。上流方向と下流方向のトレースでのサブネットワーク コントローラーの動作方法については、「ユーティリティ ネットワークのトレース タイプ」をご参照ください。

デバイスまたはジャンクション オブジェクトをサブネットワーク コントローラーとして割り当てた後は、フィーチャは削除できず、アセット タイプおよびアセット グループの属性フィールドは読み取り専用になります。サブネットワーク コントローラーはターミナル レベルで割り当てられます。そのため、割り当てられたターミナル構成が変更されないことが重要です。たとえば、ターミナルを削除したり、サブネットワーク コントローラー ネットワーク カテゴリが割り当てられたアセット タイプに割り当てられているターミナル構成の有効なパスを変更したりしないでください。コントローラーのフィーチャ専用のターミナル構成を作成します。

アセット グループおよびアセット タイプの属性を変更したり、割り当てられたターミナル構成を変更したりするには、まず [サブネットワーク コントローラーの変更] ウィンドウを使用して、サブネットワーク コントローラーを削除する必要があります。詳細については、「サブネットワーク コントローラーの削除」をご参照ください。