マップ内のレビューアー ルールの作成と共有

Data Reviewer のライセンスで利用可能。

チュートリアルのサマリー

このチュートリアルでは、技術指導者として、データ品質要件と、その要件を実装するワークフローを特定します。これを行うには、マップ内で参照されるフィーチャの品質を評価するために、ArcGIS Data Reviewer の整合チェックを使用して自動品質管理を実装します。次に、組織内の他のユーザーが各自のデータの品質を評価できるように、このマップを共有します。

予定時間

25 分

ソフトウェア要件

ArcGIS Pro 2.1 以降

データ要件

このチュートリアルのデータは、「Data Reviewer for ArcGIS Pro Tutorial」ページから取得できます。このパッケージには、ArcGIS Pro プロジェクト パッケージと地方自治体サンプル データのサブセットが含まれています。データをダウンロードするには、次の手順に従います。

  1. Data Reviewer for ArcGIS Pro Tutorial」ページに移動します。
  2. [ダウンロード] をクリックします。
  3. ファイルをコンピューター上の便利な場所 (C:\Data_Reviewer_for_ArcGIS_Pro_Tutorial など) に抽出します。

プロジェクトを開く

この演習では、ArcGIS Pro を使用してプロジェクト パッケージを開き、そのコンテンツを確認して、品質管理者の役割を担います。組織のビジネス ルールを評価し、組織内の他のユーザーが使用する一連のレビューアー ルールを作成します。データには、ジオデータベースで整合チェックする必要がある参照レイヤーと重要なフィーチャクラスが含まれます。

  1. 必要に応じて、ArcGIS Pro を起動してサイン インします。
    注意:

    Data Reviewer for ArcGIS Pro Tutorial データをまだダウンロードしていない場合は、上記のデータ要件をご参照ください。

  2. 開始ページにある最近使用したプロジェクトの下で、[別のプロジェクトを開く] をクリックします。
    メモ:

    すでにプロジェクトを開いている場合は、[クイック アクセス ツールバー][開く] プロジェクトを開く をクリックして、手順 4 に進みます。

  3. [開く] ページの [開く] の下で、[コンピューター] をクリックし、[参照] 参照 をクリックします。
  4. [プロジェクトを開く] ダイアログ ボックスで Data_Reviewer\Exercise_2 フォルダーを参照します。
    メモ:

    Data_Reviewer\Exercise_2 フォルダーは、Data Reviewer for ArcGIS Pro Tutorial パッケージを展開したディレクトリにあります。

  5. [DataReviewerArcGISProTutorial_Exercise2.ppkx] をクリックします。
  6. [OK] をクリックします。
  7. プロジェクトが開き、イリノイ州ネイパービルにズームした都市データを含む地形図ベースマップが表示されます。

マップ内のレビューアー ルールの作成

レビューアー ルールとは、特定の条件に基づいてフィーチャを整合チェックする構成済みのチェックです。レビューアー ルールには、空間リレーションシップ、属性の完全性、およびフィーチャの整合性を検証するチェックが含まれます。レビューアー ルールは、ArcGIS Pro を作成し、整合チェックされるフィーチャ レイヤーを含むマップに保存できます。マップ内のフィーチャは、[レビューアー ルールの実行] コマンドを使用して整合チェックします。

この演習では、一連のレビューアー ルールを作成して、マップ内の関連するレイヤーに適用します。次の表に、住所検索のワークフローをサポートするデータ品質要件のサブセットを示します。これらのルールをレビューアー ルールとして実装して、住所に関連するすべてのフィーチャがこれらの要件に準拠していることを保証します。

ID要件チェック関連するレイヤー

1

道路中心線 FROMLEFT 属性値はゼロ以外の奇数でなければなりません。道路中心線は「Our Agency」によっても所有されていなければなりません。

クエリ属性 (フィルターあり)

Road Centerline

2

道路中心線 FROMRIGHT 属性値はゼロ以外の偶数でなければなりません。道路中心線は「Our Agency」によっても所有されていなければなりません。

クエリ属性 (フィルターあり)

Road Centerline

3

ポリライン フィーチャおよびポリゴン フィーチャに 25 度よりも小さい角度を含めることはできません。

カットバック

Road Centerlines、Building Footprints、Railroads、Waterlines

  1. [表示] タブをクリックします。
  2. [ウィンドウ] グループで、[レビューアー ルール] レビューアー ルール をクリックします。

    [レビューアー ルール] ビューが表示されます。

要件 ID 1 の実装

以下の手順を実行して、上記の表の要件 ID 1 (「Our Agency」によって所有されている道路中心線フィーチャはゼロ以外の奇数の FROMLEFT 値を持つ必要があります) を実装します。

  1. [レビューアー ルール] タブの [新しいルール] グループで、[クエリ属性] クエリ属性 をクリックして新しいルールを追加します。

    新しいルールが、赤い行ヘッダー付きで [レビューアー ルール] ビューに表示されます。この赤い行ヘッダーは、必須パラメーターがルール構成から欠落していることを示しています。

    必須パラメーターが欠落してる [レビューアー ルール] ビュー
  2. [クエリ属性] チェック パネルの [データ ソース] グループで、[Road Centerlines] チェックボックスをオンにします。
    [クエリ属性] チェック パネル
  3. [Road Centerlines] レイヤー上のフィルターを構成して、整合チェックが「Our Agency」によって所有されている道路の結果のみを返すようにします。
    1. [Road Centerlines] にポインターを合わせて、[進む] ボタン 進む をクリックします。

      選択したレイヤーのフィルター パラメーターがウィンドウに表示されます。

    2. [新しい条件式] のドロップダウン矢印をクリックし、[新しい条件式の作成] をクリックします。
    3. 次の句を作成します。Owned By is equal to 1-Our Agency
    4. [SQL 式の確認] ボタン SQL 式が有効であることを確認する をクリックして SQL 式を確認します。
    5. [戻る] ボタン 戻る をクリックして、[クエリ属性] チェック パネルに戻ります。
  4. [クエリ属性] チェック パネルで、[Road Centerlines] チェックボックスの右にある情報アイコン 情報 の上にポインターを置き、フィルターが適用されていることを確認します。
    メモ:

    上記のクエリは、[Road Centerlines] レイヤーのみに関連付けられます。

  5. [クエリ属性] チェック パネルの [パラメーターのチェック] グループで、[新しい条件式] ドロップダウン矢印をクリックして [SQL の新しい条件式の作成] をクリックし、[検索目標] パラメーターを構成します。
    1. [検索目標] テキスト ボックスに「FROMLEFT <> 0 AND (MOD (FROMLEFT, 2) = 0)」という SQL クエリを作成します。
      ヒント:

      SQL MOD 関数は、除算の剰余を得るために使用されます。この例では、2 で除算したときに剰余がない FROMLEFT 値を持つフィーチャが結果として返されます。

    2. [SQL 式の確認] ボタン SQL 式が有効であることを確認する をクリックして SQL 式を確認します。
    3. [適用] をクリックします。
  6. [クエリ属性] チェック パネルの [結果の詳細] グループで、整合チェックに失敗したフィーチャを持つ結果ごとに格納されるプロパティを構成します。
    1. [タイトル] テキスト ボックスに「Road Centerline の From Left Address は奇数でなければなりません」と入力します。
    2. [メモ] テキスト ボックスに「From Left Address 値の更新」と入力します。
    3. [重要度] ドロップダウン矢印をクリックして「2」を選択し、他のタイプと比較したこのタイプの結果の相対的重要性を設定します。
    4. [タグ] テキスト ボックスに「LGIM 2016、主題正確度、属性」と入力します。
      ヒント:

      タグを使用して、要件のトレーサビリティを有効にすることができます。ルールが関連付けられるデータモデルおよびバージョンを含めること、または主題正確度などの ISO-19157 データ品質要素を含める可能性についてご検討ください。

要件 ID 2 の実装

以下の手順を実行して、上記の表の要件 ID 2 (「Our Agency」によって所有されている道路中心線フィーチャはゼロ以外の偶数の FROMRIGHT 属性値を持つ必要があります) を実装します。

  1. [レビューアー ルール] タブの [新しいルール] グループで、[クエリ属性] クエリ属性 をクリックして新しいルールを追加します。

    新しいルールが、赤い行ヘッダー付きで [レビューアー ルール] ビューに表示されます。この赤い行ヘッダーは、必須パラメーターがルール構成から欠落していることを示しています。

  2. [クエリ属性] チェック パネルの [データ ソース] グループで、[Road Centerlines] チェックボックスをオンにします。
    [クエリ属性] チェック パネル
  3. [Road Centerlines] レイヤー上のフィルターを構成して、整合チェックが「Our Agency」によって所有されている道路の結果のみを返すようにします。
    1. [Road Centerlines] にポインターを合わせて、[進む] ボタン 進む をクリックします。

      選択したレイヤーのフィルター パラメーターがウィンドウに表示されます。

    2. [新しい条件式] のドロップダウン矢印をクリックし、[新しい条件式の作成] をクリックします。
    3. 次の句を作成します。Owned By is equal to 1-Our Agency
    4. [SQL 式の確認] ボタン SQL 式が有効であることを確認する をクリックして SQL 式を確認します。
    5. [戻る] ボタン 戻る をクリックして、[クエリ属性] チェック パネルに戻ります。
  4. [クエリ属性] チェック パネルで、[Road Centerlines] チェックボックスの右にある情報アイコンの上にポインターを置き、フィルターが適用されていることを確認します。

    上記のクエリは、[Road Centerlines] レイヤーのみに関連付けられます。

  5. [クエリ属性] チェック パネルの [パラメーターのチェック] グループで、[新しい条件式] ドロップダウン矢印をクリックして [SQL の新しい条件式の作成] をクリックし、[検索目標] パラメーターを構成します。
    1. [検索目標] テキスト ボックスに「FROMRIGHT <> 0 AND (MOD (FROMRIGHT, 2) = 1)」という SQL クエリを作成します。
      ヒント:

      SQL MOD 関数は、除算の剰余を得るために使用されます。この例では、2 で除算したときに剰余がない FROMRIGHT 値を持つフィーチャが結果として返されます。

    2. [SQL 式の確認] ボタン SQL 式が有効であることを確認する をクリックして SQL 式を確認します。
    3. [適用] をクリックします。
  6. [クエリ属性] チェック パネルの [結果の詳細] グループで、整合チェックに失敗したフィーチャを持つ結果ごとに格納されるプロパティを構成します。
    1. [タイトル] テキスト ボックスに「Road Centerline の From Right Address は偶数でなければなりません」と入力します。
    2. [メモ] テキスト ボックスに「From Right Address 値の更新」と入力します。
    3. [重要度] ドロップダウン矢印をクリックして「2」を選択し、他のタイプと比較したこのタイプの結果の相対的重要性を設定します。
    4. [タグ] テキスト ボックスに「LGIM 2016、主題正確度、属性」と入力します。

要件 ID 3 の実装

以下の手順を実行して、上記の表の ID 3 (ポリライン フィーチャおよびポリゴン フィーチャに 25 度よりも小さい角度を含めることはできません) を実装します。

  1. [レビューアー ルール] タブの [新しいルール] グループで、[カットバック] カットバック をクリックして新しいルールを追加します。

    新しいルールが、赤い行ヘッダー付きで [レビューアー ルール] ビューに表示されます。この赤い行ヘッダーは、必須パラメーターがルール構成から欠落していることを示しています。

    1. [カットバック チェック] パネルの [データ ソース] グループで、[Road Centerlines][Railroads][Waterlines][Building Footprints] のチェックボックスをオンにします。
      [カットバック チェック] パネル
    2. [カットバック チェック] パネルの [パラメーターのチェック] グループで、[最小角度サイズ (必須)] テキスト ボックスに「25」と入力します。
  2. [カットバック チェック] パネルの [結果の詳細] グループで、整合チェックに失敗したフィーチャを持つ結果ごとに格納されるプロパティを構成します。
    1. [タイトル] テキスト ボックスに、「鋭角が検出されました」と入力します。
    2. [メモ] テキスト ボックスに「フィーチャを編集して鋭角を削除します」と入力します。
    3. デフォルトの [重要度] オプションを「3」のままにし、他のタイプと比較したこのタイプの結果の相対的重要性を設定します。
    4. [タグ] テキスト ボックスに「LGIM 2016、空間精度、ジオメトリ」と入力します。
  3. [クイック アクセス ツールバー] で、[保存] 保存 をクリックして、プロジェクトを保存します。
    ヒント:

    ルール構成は、プロジェクトが保存されるまで保存されません。

レビューアー ルールの共有

この演習では、レビューアー ルールを含むマップを保存して、組織の他のメンバーと共有します。次の 2 つの方法があります。

レビューアー ルールをテンプレートとして保存

新しいプロジェクトの作成時に開始点として機能するプロジェクト テンプレートに、レビューアー ルールを含むマップを保存できます。テンプレートから新しいプロジェクトを作成することによって、データ整合チェックを標準化できます。プロジェクトをテンプレートとして保存するには、次の手順に従います。

  1. [共有] タブをクリックします。
  2. [名前を付けて保存] グループで [プロジェクト テンプレート] プロジェクト テンプレート をクリックします。

    [プロジェクト テンプレートの作成] ウィンドウが表示されます。

  3. [テンプレートをファイルに保存] オプションをクリックします。
    [プロジェクト テンプレートの作成] ウィンドウ
  4. [名前] の下にある [ファイルの参照] ボタン 参照 をクリックします。
  5. プロジェクト テンプレート (.aptx) を保存する場所を参照します。
  6. テンプレートに「MyReviewerRules」という名前を付けます。
  7. [保存] をクリックします。
  8. [サマリー] テキスト ボックスに「ジオコーディングで使用されるフィーチャの整合チェックに使用されるレビューアー ルール」と入力します。
  9. [タグ] テキスト ボックスに「Reviewer rules, geocoding, validation」と入力します。
  10. [分析] 分析 をクリックして、プロジェクト テンプレートを整合チェックします。
    メモ:

    すべてのエラーを解決する必要があります。何らかの問題が見つかった場合は、[メッセージ] タブに表示されます。各メッセージを右クリックすると、詳しい情報を表示したり、エラーや警告に関するヘルプを参照したり、推奨する解決策を実装したりすることができます。

  11. [作成] をクリックして、プロジェクト テンプレートを作成します。
  12. プロジェクトを変更を保存するように求められた場合は [はい] をクリックします。

レビューアー ルールをマップ ファイルとして保存

レビューアー ルールを共有する別の方法として、レビューアー ルールをマップ ファイル (.mapx) として保存して共有する方法があります。この方法は、プロジェクト間でマップを共有する必要がある場合に使用されます。レビューアー ルールをマップ ファイルとして保存するには、次の手順に従います。

  1. [コンテンツ] ウィンドウの [描画順序] の下で、[マップ] を右クリックして [マップ ファイルとして保存] をクリックします。
  2. 新しいマップ ファイルに「MyReviewerRulesMap」という名前を付けます。
  3. [保存] をクリックします。
  4. [クイック アクセス ツールバー] で、[保存] 保存 をクリックして、プロジェクトを保存します。

この演習では、既存の ArcGIS Pro プロジェクトを開き、住所検索ワークフローで使用されるレイヤーを整合チェックするために使用されるレビューアー ルールをマップ内に作成しました。レビューアー ルールを含むマップは、さまざまな方法で共有できます。そのうち 2 つはこの演習で試しました。

上記のいずれかの方法でレビューアー ルールを含むマップを共有すると、組織のメンバーは一貫した方法でデータの整合チェックを行い、確実にビジネス要件を満たすことができるようになります。

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