編集中の品質保証の改善

Data Reviewer のライセンスで利用可能。

チュートリアルのサマリー

このチュートリアルでは、技術指導者として、データ品質要件と、その要件を実装するワークフローを特定します。これを行うには、編集ワークフロー中のデータ整合性を確保するために、ArcGIS Data Reviewer の自動チェックを使用して自動品質管理を実装します。

予定時間

15 分

ソフトウェア要件

ArcGIS Pro 2.4 以降

データ要件

このチュートリアルのデータは、「Data Reviewer for ArcGIS Pro Tutorial」ページから取得できます。このパッケージには、ArcGIS Pro プロジェクト パッケージと地方自治体サンプル データのサブセットが含まれています。データをダウンロードするには、次の手順に従います。

  1. Data Reviewer for ArcGIS Pro Tutorial」ページに移動します。
  2. [ダウンロード] をクリックします。
  3. ファイルをコンピューター上の便利な場所 (C:\Data_Reviewer_for_ArcGIS_Pro_Tutorial など) に抽出します。

プロジェクトを開く

この演習では、ArcGIS Pro を使用してプロジェクト パッケージを開き、そのコンテンツを確認します。

  1. 必要に応じて、ArcGIS Pro を起動してサイン インします。
    注意:

    Data Reviewer for ArcGIS Pro Tutorial データをまだダウンロードしていない場合は、上記のデータ要件をご参照ください。

  2. 開始ページにある最近使用したプロジェクトの下で、[別のプロジェクトを開く] をクリックします。
    メモ:

    すでにプロジェクトを開いている場合は、[クイック アクセス ツールバー][開く] プロジェクトを開く をクリックして、手順 4 に進みます。

  3. [開く] ページの [開く] の下で、[コンピューター] をクリックし、[参照] 参照 をクリックします。
  4. [プロジェクトを開く] ダイアログ ボックスで Data_Reviewer\Exercise_3 フォルダーを参照します。
    メモ:

    Data_Reviewer\Exercise_3 フォルダーは、Data Reviewer for ArcGIS Pro Tutorial パッケージを展開したディレクトリにあります。

  5. [DataReviewerArcGISProTutorial_Exercise3.ppkx] をクリックします。
  6. [OK] をクリックします。

プロジェクトが開き、イリノイ州ネイパービルにズームした都市データを含む地形図ベースマップが表示されます。

属性 (制約) ルールの作成

属性 (制約) ルールは、編集ワークフロー中のフィーチャの整合性を確保し、指定されたデータ品質条件に基づいています。制約ルールは、フィーチャのジオメトリ整合性、他のフィーチャとの空間リレーションシップ、および属性の完全性を評価するために使用されます。

この演習では、ジオデータベース内のフィーチャに対する一連の制約ルールを作成します。

次の表に、住所検索のワークフローをサポートするデータ品質要件のサブセットを示します。

メモ:

これらのルールを実装して、住所に関連するすべての新しいフィーチャがこれらの要件に準拠していることを保証します。

ID要件チェック関連するフィーチャ

1

道路中心線は、交差部分で分割されなければなりません。

フィーチャ間

Road Centerline

2

道路中心線は、15 度以下の鋭角を持ってはいけません。

カットバック

Road Centerline

3

サイト アドレス ポイントは、建物フットプリント内になければなりません。

フィーチャ間

Address Points

要件 ID 1 の実装

次の手順を実行して、上記の表の要件 ID 1 を実装します。

道路中心線は、交差部分で分割されなければなりません。この要件は、他の道路中心線フィーチャと交差する道路中心線フィーチャを検出するための [フィーチャ間] チェックを使用して実装します。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで、[Road Centerline] レイヤーを右クリックして [設計] → [属性ルール] の順にクリックします。

    [属性ルール] ウィンドウおよびタブが表示されます。

  2. [属性ルール] タブの [ルールの追加] グループで、[レビューアー ルール] ボタン すぐに使用できるレビューアー ルール をクリックして、ArcGIS Data Reviewer の自動チェックを表示します。
    メモ:

    [レビューアー ルール] ギャラリーのコンテンツは、選択したデータ ソースによって異なります。

  3. [レビューアー ルール] ギャラリーから、[フィーチャ間] ボタン フィーチャ間 をクリックして、新しいルールを追加します。

    新しいルールが、赤い行ヘッダー付きで [属性ルール] ビューに表示されます。この赤い行ヘッダーは、必須パラメーターがルール構成から欠落していることを示しています。

    必須パラメーターが欠落してる [属性ルール] ビュー
  4. [新しいフィーチャ間ルール] ウィンドウの [チェック パラメーター] セクションで、検出するエラー状態を指定するパラメーターを構成します。
    [新しいフィーチャ間ルール] ウィンドウの [チェック パラメーター] セクション
    • [比較するフィーチャ] ドロップダウン矢印をクリックし、[RoadCenterline] フィーチャクラスを選択します。
    • [空間リレーションシップ] ドロップダウン矢印をクリックし、[横切る] リレーションシップを選択します。
  5. [実行] セクションで、編集ワークフロー中のフィーチャの評価方法を制御するパラメーターを構成します。
    [実行] セクションの [トリガー]
    • [実行] セクションの [トリガー] で、[挿入] チェックボックスをオンにして、フィーチャの作成時にそのフィーチャを整合チェックします。
    • [実行] セクションの [トリガー] で、[更新] チェックボックスをオンにして、既存のフィーチャの編集時にそのフィーチャを整合チェックします。
  6. [詳細] セクションで、修正ワークフローとルール管理を容易にするパラメーターを構成します。
    [実行] セクションの [詳細]
    1. [名前] テキスト ボックスに、「Road Centerlines must not cross (道路中心線は交差してはいけません)」と入力します。
    2. [説明] テキスト ボックスに、「Road Centerline should be split at road intersections (道路中心線は道路交差点で分割される必要があります)」と入力します。
    3. [タグ] テキスト ボックスに、「LGIM 2016」、「spatial accuracy (空間精度)」、「geometry (ジオメトリ)」と入力します。

要件 ID 2 の実装

次の手順を実行して、「属性 (制約) ルールの作成」セクション内の表の要件 ID 2 を実装します。

道路中心線フィーチャクラスに 15 度よりも小さい角度を含めることはできません。この要件は、15 度を超える隣接セグメント間の角度を含む道路中心線フィーチャを検出するための [カットバック] チェックを使用して実装します。

  1. [属性ルール] タブの [ルールの追加] グループで、[レビューアー ルール] ボタン すぐに使用できるレビューアー ルール をクリックして、ArcGIS Data Reviewer の自動チェックを表示します。
    メモ:

    [レビューアー ルール] ギャラリーのコンテンツは、選択したデータ ソースによって異なります。

  2. [レビューアー ルール] ギャラリーから、[カットバック] ボタン カットバック をクリックして、新しいルールを追加します。

    新しいルールが、赤い行ヘッダー付きで [属性ルール] ビューに表示されます。この赤い行ヘッダーは、必須パラメーターがルール構成から欠落していることを示しています。

  3. [新しいフィーチャ間ルール] ウィンドウの [チェック パラメーター] セクションで、検出するエラー状態を指定するパラメーターを構成します。
  4. [最小角度サイズ] として 15 を指定します。
    [チェック パラメーター] セクションの [最小角度サイズ]

    これは、隣接ライン セグメント間で許容される最小角度です。

  5. [実行] セクションで、編集ワークフロー中のフィーチャの評価方法を制御するパラメーターを構成します。

    [実行] セクションの [トリガー]
    • [実行] セクションの [トリガー] で、[挿入] チェックボックスをオンにして、フィーチャの作成時にそのフィーチャを整合チェックします。
    • [実行] セクションの [トリガー] で、[更新] チェックボックスをオンにして、既存のフィーチャの編集時にそのフィーチャを整合チェックします。

  6. [詳細] セクションで、修正ワークフローとルール管理を容易にするパラメーターを構成します。
    [実行] セクションの [詳細]
    1. [名前] テキスト ボックスに、「Sharp angle detected (鋭角が検出されました)」と入力します。
    2. [説明] テキスト ボックスに、「Centerline features should not contain angles less than 15 degrees (中心線フィーチャに 15 度よりも小さい角度を含めるべきではありません)」と入力します。
    3. [タグ] テキスト ボックスに、「LGIM 2016」、「spatial accuracy (空間精度)」、「geometry (ジオメトリ)」と入力します。
  7. [属性ルール] タブの [属性ルール] グループで、[保存] ボタン 保存 をクリックして、新しいルールを保存します。
  8. [属性ルール] ウィンドウを閉じ、[RoadCenterlines] フィーチャクラスのルール設計を終了します。

要件 ID 3 の実装

次の手順を実行して、「属性 (制約) ルールの作成」セクション内の表の要件 ID 3 を実装します。

サイト アドレス ポイントは、建物フットプリント内になければなりません。この要件は、建物フットプリント フィーチャの境界内にないサイト アドレス ポイント フィーチャを検出するための [フィーチャ間] チェックを使用して実装します。

  1. [カタログ] ウィンドウで、localgovernment_subset.gdb データベース接続を展開して、そのコンテンツを表示します。
  2. [Address] フィーチャ データセットを展開し、[Site Address Points] フィーチャクラスを右クリックして、[設計] > [属性ルール] の順にクリックします。

    [属性ルール] ウィンドウおよびタブが表示されます。

  3. [属性ルール] タブの [ルールの追加] グループで、[レビューアー ルール] ボタン すぐに使用できるレビューアー ルール をクリックして、ArcGIS Data Reviewer の自動チェックを表示します。
    メモ:

    [レビューアー ルール] ギャラリーのコンテンツは、選択したデータ ソースによって異なります。

  4. [レビューアー ルール] ギャラリーから、[フィーチャ間] ボタン フィーチャ間 をクリックして、新しいルールを追加します。

    新しいルールが、赤い行ヘッダー付きで [属性ルール] ビューに表示されます。この赤い行ヘッダーは、必須パラメーターがルール構成から欠落していることを示しています。

  5. [新しいフィーチャ間ルール] ウィンドウの [チェック パラメーター] セクションで、検出するエラー状態を指定するパラメーターを構成します。
    [新しいフィーチャ間ルール] ウィンドウの [チェック パラメーター] セクション
    • [比較するフィーチャ] ドロップダウン矢印をクリックし、[BuildingFootprint] フィーチャクラスを選択します。
    • [空間リレーションシップ] ドロップダウン矢印をクリックし、[含まれる] リレーションシップを選択します。
    • [リレーションシップの反転] チェックボックスをクリックし、建物フットプリント フィーチャの境界内に配置されていないサイト アドレス ポイント フィーチャを特定します。
  6. [実行] セクションで、編集ワークフロー中のフィーチャの評価方法を制御するパラメーターを構成します。

    [実行] セクションの [トリガー]
    • [実行] セクションの [トリガー] で、[挿入] チェックボックスをオンにして、フィーチャの作成時にそのフィーチャを整合チェックします。
    • [実行] セクションの [トリガー] で、[更新] チェックボックスをオンにして、既存のフィーチャの編集時にそのフィーチャを整合チェックします。

  7. [詳細] セクションで、修正ワークフローとルール管理を容易にするパラメーターを構成します。
    [実行] セクションの [詳細]
    1. [名前] テキスト ボックスに、「Site Address Points must be within Building Footprints (サイト アドレス ポイントは、建物フットプリント内になければなりません)」と入力します。
    2. [説明] テキスト ボックスに、「Site Address Points must be within a Building footprints feature (サイト アドレス ポイントは、建物フットプリント フィーチャ内になければなりません)」と入力します。
    3. [タグ] テキスト ボックスに、「LGIM 2016」、「spatial accuracy (空間精度)」、「geometry (ジオメトリ)」と入力します。
  8. [属性ルール] タブの [属性ルール] グループで、[保存] ボタン 保存 をクリックして、新しいルールを保存します。
  9. [属性ルール] ウィンドウを閉じ、サイト アドレス ポイント フィーチャクラスのルール設計を終了します。

この演習では、編集ワークフロー中の品質保証を改善するために、既存の ArcGIS Pro プロジェクトを開き、一連の属性 (制約) ルールを実装しました。これらのルールは、フィーチャ内の空間リレーションシップおよびフィーチャ整合性のエラーを特定する、ArcGIS Data Reviewer の自動チェックに基づいています。後の演習で、これらのルールを使用して、日常的な編集作業中にデータの品質が低下しないことを保証します。

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