マーカー シンボル レイヤーは、ポイント シンボルに固有の部分です。また、マーカー シンボル レイヤーは、ライン シンボル (ライン長に合わせて、またはラインの端点に関連付けて配置される) およびポリゴン シンボル (アウトラインの内部またはアウトライン沿いに配置される) にも含まれることがあります。いずれの場合も、マーカーのシンボルに特定の向きと回転動作が設定されます。大部分のシンボル レイヤー プロパティと同様に、これらのサイズは明示的に設定するか、データ内でプロパティを属性に関連付けることで動的に設定できます。
マップや、シーンの [2D レイヤー] カテゴリなどの 2D コンテキストでは、回転角度を設定してマーカーを回転します。シーンの [3D レイヤー] カテゴリなどの 3D コンテキストでは、3 つすべての軸を基準として角度を指定し、また、シーン内をナビゲートするときのマーカーの振舞いも指定します。
ポイント シンボル内に複数のマーカー シンボル レイヤーが存在する場合、各マーカー レイヤーの角度は、ポイント シンボルの [角度] 基本プロパティに応じて更新されます。たとえば、ポイント シンボルの [角度] 基本プロパティが 20 度に更新された場合、角度に 5 度と 10 度が指定された 2 つのマーカー シンボル レイヤーはそれぞれ 25 度と 30 度に更新されます。ポイント シンボルは全体がひとまとめに回転され、その新しい向きが個々のマーカー レイヤーに反映されます。
2D でのマーカーの回転
2D では、マーカーの固定ポイントを中心として反時計周りに適用される角度を指定して、マーカー シンボル レイヤーの回転を指定します。マーカー シンボル レイヤーがポイント シンボル内にある場合、角度 0 はマーカーが「上」を向くことを意味しますが、「上」がページの上部方向を意味するか、北方向 (マップの座標系の定義に従う) を意味するかは、ポイント シンボルの角度基準設定によって制御されます。
- [シンボルの書式設定] ウィンドウの [プロパティ] タブで、[レイヤー] タブ をクリックします。
- マーカー シンボル レイヤーをハイライト表示して、[回転] 見出しを展開します。
- [角度] プロパティの値を指定します。
時計回りに回転するには、負の値を指定するか、[時計回りに回転] をオンにします。[時計回りに回転] チェックボックスは、角度を属性に関連付ける場合に、それらの属性値が時計回りの角度として定義されているときに役立ちます。
- シンボルのプレビューを使用して、設定の整合チェックを行います。
メモ:
2D コンテキストで 3D モデル マーカーを操作するときは、3D プロパティも表示されます。これらのプロパティは、設定することができ、別の機会にこのシンボルを 3D コンテキストで使用する場合に備えてシンボルとともに保存されます。シンボルが 2D コンテキスト内にある間、これらのプロパティの多くは無視され、シンボルの描画方法に反映されません。3D モデル マーカーは、3D でモデルの平らなラスター イメージとして描画されます。
3D でのマーカーの回転
シーン内の方向を視覚化する最適な方法は、表面を上にしてテーブルの上に平らに置かれたマップ (またはコンピューターのモニター) をイメージングすることです。このように配置すると、X 方向と Y 方向は 2D マップ内にあるときと同じになります。X 軸は東西を指し、Y 軸は南北を指します。Z 軸は上下を指し、マップのサーフェスから下または上の距離を計測します。
3D でマーカーを回転するときは、これら 3 つの軸を中心に回転します。これらの軸が交差するポイントは、マーカーを基準としたフィーチャ ジオメトリの位置を示します。マーカーのジオメトリを基準として固定ポイントの位置を調整することで、回転を制御できます。3 方向の回転が適用される回転順序は、ポイント シンボルの基本プロパティでグローバルに設定されます。
- [シンボルの書式設定] ウィンドウにある [プロパティ] タブの [レイヤー] タブ で、マーカー シンボル レイヤーをハイライト表示します。
- [回転] 見出しを展開し、必要に応じて [角度 (Z)]、[傾き (X)]、および [ロール角 (Y)] プロパティを調整します。シンボルのプレビューを使用して、変更内容を確認します。
モデルの向きの変更
3D で特に属性に基づき動的に 3D モデル マーカーを回転するときは、開始点を理解しておくことが重要です。モデル自体の本来の向きが、回転に合わせてそのモデルがどのように動作するかに影響します。シンボル内でのモデルの向きを表示およびリセットできます。これを行うと、シンボルに対する入力としてのモデルが更新されます。
- [シンボルの書式設定] ウィンドウにある [プロパティ] タブの [レイヤー] タブ で、マーカー シンボル レイヤーをハイライト表示します。
- [表示設定] 見出しを展開して、[向きの変更] をクリックします。
- [モデルの向きの変更] ダイアログ ボックスで、[ロール角 (Y)]、[傾き (X)]、または [角度 (Z)] を調整して、モデルを目的の開始点の方向に向けます。モデルがシンボルに対する入力として表示されます。追加のシンボル プロパティは適用されません。
モデルをどちらの方向へ向けるかわからない場合は、モデルの正面が北、つまり深緑の軸方向に向くようにモデルを回転させてください。
カメラの方向を向くようにマーカーをビルボード表示
シーン内をナビゲートするときに常に自分の方向 (「カメラ」の方向) を向くようにマーカーをビルボード表示できます。これは、ポイント シンボルの基本プロパティからすべてのマーカー レイヤーに対してグローバルに設定することも、レイヤーごとに個別に設定することもできます。
マーカーをビルボード表示すると、それらのマーカーは、回転するときも「立ち上がった」状態になります。つまり、マーカーをビルボード表示すると、シンボルのプレビューで、上 (濃紺の軸方向) を向いていたマーカーの部分が北 (深緑の軸方向) を向くようになります。サーフェスを基準に上方向または下方向にモデルを移動するために Y 固定ポイントの調整が必要になることがあります。
マーカーがビルボード表示された場合は、X と Y の 2 つの次元でのみ固定ポイントを調整できます。Z 固定ポイントは無視され、2D 固定ポイント オプションのみが [固定ポイントの事前設定] メニューで使用可能になります。
影を付けるようにシーンを設定すると、固定された現実世界の空間に存在するシンボルにのみ影が表示されます。つまり、ビルボード表示されているシンボルや現実世界の単位でないシンボルには、影が付けられません。
- [シンボルの書式設定] ウィンドウにある [プロパティ] タブの [レイヤー] タブ で、マーカー シンボル レイヤーをハイライト表示します。
- [回転] 見出しを展開して、[ビルボード] をオンにして、ビルボード回転動作を適用します。ビルボード動作を選択します。
- 1 回転 : マーカーは、表示角度に関係なく、常にビューアー正面に表示されます。
- 標識の回転 : マーカーは、常にビューアー正面を向いていますが、垂直の標識を中心に回転しているかのように見えます。上から見ると、マーカーの正面は表示されず、マーカーの頂上部が表示されます。
- シンボルのプレビューを使用して、設定の整合チェックを行います。
固定ポイントとビルボード プリセット
固定ポイント、ビルボード表示、レイヤーが直立しているかどうかがすべて組み合わされて、シーン内のシンボルの位置情報が確定します。ビルボード表示されたマーカーは、常に自分の方向を向いて回転しているように見えます。この回転の向きはマーカーの固定ポイントによって定義されます。ビルボード表示と固定ポイントはそもそも関連性があるため、[プリセット] メニューでは、ほとんどのマッピング シナリオに対応できるように、これらのプロパティの一般的ないくつかの組み合わせを設定するためのオプションが提供されています。プリセットは、ビルボード表示、固定ポイント設定、および直立を一度に指定できる簡単な方法です。これらのプリセットを開始点として使用し、必要に応じて個々のプロパティをさらに調整できます。
- [シンボルの書式設定] ウィンドウにある [プロパティ] タブの [レイヤー] タブ で、マーカー シンボル レイヤーをハイライト表示します。
- [表示設定] 見出しを展開して、[プリセット] メニューを開きます。プリセット ビルボードと固定ポイントの組み合わせを選択します。シンボルのプレビューを使用して、設定の整合チェックを行います。
マーカーをビルボード表示せずに、サーフェス上に垂直に配置します。マーカーが図形/ピクチャ マーカーの場合は、[垂直] をオンにします。
マーカーをサーフェス上に平らに配置します。マーカーが図形/ピクチャ マーカーの場合は、[垂直] をオフにします。
マーカーの下部 (Y = -50%) に固定ポイントを設定し、1 回転ビルボード表示を適用します。
マーカーの下部 (Y = -50%) に固定ポイントを設定し、標識の回転ビルボード表示を適用します。
マーカーの中心 (Y = 0%) に固定ポイントを設定し、1 回転ビルボード表示を適用します。
マーカーの中心 (Y = 0%) に固定ポイントを設定し、標識の回転ビルボード表示を適用します。
マーカーの上部 (Y = 50%) に固定ポイントを設定し、1 回転ビルボード表示を適用します。
マーカーの上部 (Y = 50%) に固定ポイントを設定し、標識の回転ビルボード表示を適用します。
3D での図形/ピクチャ マーカーの回転
多くの場合、3D のシンボルは、体積があるように見える 3D モデルを含んでいます。その一方で、図形マーカーやピクチャ マーカーのような平面のシンボルも 3D コンテキストで使用することができます。
平面の図形/ピクチャ マーカーをシーンのサーフェス上に立っているように表示するには、[傾き (X)] または [ロール角 (Y)] プロパティを調整するか、[表示設定] 見出しの下の [垂直] をオンにします。[垂直] を使用すると、シンボルのプレビューで北 (深緑の軸方向) を向いていたマーカーの部分が上 (濃紺の軸方向) を向くように、マーカーの向きを効果的に切り替えることができます。
- [シンボルの書式設定] ウィンドウにある [プロパティ] タブの [レイヤー] タブ で、図形/ピクチャ マーカー シンボル レイヤーをハイライト表示します。
- [表示設定] 見出しを展開して、[垂直] をオンにします。シンボルのプレビューを使用して、設定の整合チェックを行います。