時空間キューブの視覚化

[ポイントの集約による時空間キューブの作成 (Create Space Time Cube By Aggregating Points)] および [定義済みの位置から時空間キューブを作成 (Create Space Time Cube From Defined Locations)] ツールは、キューブと考えられるものを形成する時空間ビンを作成することによって、データセットを netCDF データ形式に構造化および集約します。キューブ内の各ビンには、指定した時間ステップ間隔にそのビンの位置で発生したイベントの数が含まれています。さらに、キューブには、各ビン内のフィールドの統計情報を持つ [集計フィールド] または [変数] を 1 つ以上含めることができます。

時空間キューブのデータ構造

[時空間ホット スポット分析 (Emerging Hot Spot Analysis)] ツールは、netCDF キューブを入力として時空間ホット スポット分析を実行し、新規、増大、減衰、および散発性のホット/コールド スポットなど、集約されたカウント データ、集計フィールド、または変数の傾向を識別します。[ローカル 外れ値分析 (Local Outlier Analysis)] ツールも netCDF キューブを入力として使用して、Local Moran's I 統計の解釈を実行し、空間と時間の両方を対象に統計的に有意なクラスターと外れ値を識別します。netCDF キューブは、これらの解析の結果を使用して、複数の新しい変数という形で更新されます。これらのツールは、[時空間パターン マイニング] ツールボックスで利用できます。

時空間 netCDF キューブに格納されたデータは、[ユーティリティ] ツールセットにある可視化ツールを使用して、2 次元または 3 次元で視覚化できます。時空間キューブは、3D シーンにおいて 3 次元で視覚化して探索できます。キューブを視覚化することは、いくつかの理由で役立ちます。

時空間キューブを 3D で視覚化

  1. ArcGIS Pro を開きます。
  2. シーンを開きます。シーンを開き、ツールの結果を 3D でレンダリングできるようにするには、[挿入] タブに移動し、[新しいマップ] をクリックして、新しいシーンを選択します。
    新しいシーンを開く
  3. 標高サーフェスを 0 に設定します。時空間キューブの視覚化においては時間が垂直軸として使用されるため、正確な解釈を行うには地表のすべての位置が同じ標高であることが重要です。このようにして、すべての時間ステップ間隔が同じベース標高から開始されます。そのためには、デフォルトの標高サービスを無効にする必要があります。標高サービスを無効にするには、[コンテンツ] ウィンドウで新しい [シーン] を右クリックして、[プロパティ] をクリックします。[標高サーフェス] タブを参照し、[地表] を展開して、デフォルトで使用されている標高サービスを削除します。
    標高サーフェスを 0 に設定します
    メモ:
    [新しいシーン] を次に追加するときに、デフォルトのサーフェスが自動的に設定されます。
  4. [時空間キューブを 3D で視覚化 (Visualize Space Time Cube in 3D)] ツールを開きます。
  5. 探索する [キューブの変数] を選択します。[ポイントの集約による時空間キューブの作成 (Create Space Time Cube By Aggregating Points)] または [定義済みの位置から時空間キューブを作成 (Create Space Time Cube From Defined Locations)] を実行すると、[カウント] やキューブの作成時に集約することにした [集計フィールド] または [変数] などが変数としてキューブに格納されます。
  6. 選択した [キューブの変数][表示テーマ] を選択します。[値] オプションを使用すると、集約された生の数値を表示できます。また、[時空間ホット スポット分析 (Emerging Hot Spot Analysis)] を実行した場合は、ホット/コールド スポットの結果を視覚化し、その特定の変数で [ローカル外れ値分析 (Local Outlier Analysis)] を実行した場合は、クラスター/外れ値の結果を視覚化することができます。集計変数には [推定されるビン] を表示するオプションもあるため、キューブ作成時の意思決定に基づいて埋められたビンを正確に表示できます。
  7. [出力フィーチャ] を保存する場所を選択して、[実行] をクリックします。
メモ:

データが描画されない場合は、[表示縮尺範囲] の制限を解除する必要がある場合があります。これを行うには、[コンテンツ] ウィンドウで新しいレイヤーを選択し、[表示設定] タブを選択して、[解除] ボタンを押します。

メモ:

タイム スライダーを使用した 3D 結果の確認

タイム スライダーを使用して、3D 時空間キューブをさらに詳細に探索できます。タイム スライダーを使用するには、次の手順に従います。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで、[時空間キューブを 3D で視覚化 (Visualize Space Time Cube in 3D)] の出力をダブル クリックして、[時間] をクリックします。
    時間のレイヤー プロパティ
  2. [レイヤーの時間][各フィーチャに開始時間フィールドと終了時間フィールドが 1 つずつあります] に設定します。[開始時間フィールド][終了時間フィールド] が自動的に入力され、[時間範囲] が自動的に計算されます。[OK] をクリックします。
  3. [時間] タブをクリックし、[期間] を「0」に設定します。[期間の使用] をオフにして、[ステップ間隔][入力時空間キューブ][時間ステップの間隔] に設定します。
    時間リボンの設定
  4. タイム スライダーの左にある時間ボタンをクリックして時間を有効化し、矢印または再生ボタンを使用して、時空間キューブ内の結果を確認します。
    時間ボタンをクリックして時間を有効化
ヒント:

Space Time Cube Explorer アドインが開発されました。タイム スライダーとレンジ スライダーが自動的に設定されるため、時空間キューブの操作や探索の方法が改善されました。Space Time Cube Explorer を使用すると、ディスプレイ ギャラリー内の多数の事前設置済みレイヤー シンボル オプションにより、キューブをすばやくかつ美しく表示することもできます。Space Time Cube Explorer アドインは、www.esriurl.com/SpaceTimeCubeExplorer で入手できます。時空間キューブの 3D ビジュアライゼーションは、Web シーンとして共有し、ストーリー マップで使用することもできます。

時空間キューブを 2D で視覚化

  1. ArcGIS Pro を起動します。
  2. [時空間キューブを 2D で視覚化 (Visualize Space Time Cube in 2D)] ツールを開きます。
  3. 探索する [キューブの変数] を選択します。キューブを作成すると、Count やキューブの作成時に集約することにした [集計フィールド] または [変数] などが変数としてキューブに格納されます。
  4. [表示テーマ] を選択して、選択した [キューブの変数] を表示します。
    • [データを含む場所] を使用すると、選択した変数のデータを含むすべての場所が表示されます。[傾向] オプションを使用すると、時間の経過に伴い値が増加または減少する場所が表示されます (各場所の選択した [キューブの変数] に Mann-Kendall 統計を実行した結果)。[データを含む場所][傾向] は、どちらも常に使用できます。
    • [ホット/コールド スポットの傾向] は、時間の経過に伴いホット/コールド スポットの Z スコアが増加または減少する場所を表示します (選択した [キューブの変数] の時空間ホット スポット分析の Z スコアに Mann-Kendall 統計を実行した結果)。[時空間ホット スポット分析の結果] は、[時空間ホット スポット分析 (Emerging Hot Spot Analysis)] ツールを実行したときに表示された結果を再作成します。[ホット/コールド スポットの傾向][時空間ホット スポット分析の結果] は、選択した [キューブの変数][時空間ホット スポット分析 (Emerging Hot Spot Analysis)] が実行されている場合のみ使用可能です。
    • [ローカル外れ値の結果] は、選択した [キューブの変数][ローカル 外れ値分析 (Local Outlier Analysis)] ツールを最初に実行したときに表示された結果を再作成します。
    • [推定されるビンの数] は、一意の各位置で推定されるビンの数を示します。これにより、場所の空間パターンで値が欠落していないかどうかを確認することができます。マップの全体のセクションで推定されるビンの数が多い場合、そのエリアは分析から除外されるのが最適です。[分析から除外された場所] は、データはあるが、推定の条件を満たさなかったために埋めることができなかった空のビンがある場所を表示します。[推定されるビンの数][分析から除外された場所] は、[集計フィールド] に対してのみ使用可能です。
  5. [出力フィーチャ] を保存する場所を選択して、[実行] をクリックします。

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